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同調率99%の少女(3) - 鎮守府Aの物語

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--- 2 作戦開始



 偵察機を飛ばして周辺の様子を確認しようと、那珂は開始直前の最終打ち合わせで提案した。しかし隣艦隊の天龍と龍田は持ってきていないし、そんなもの必要ないという。万が一の備蓄として東京都職員が持ってきていたので、那珂はそれを使わせてもらうことにした。


 艦娘が使用する艦載機の元になったドローンは、出始めた50〜60年前には巨大なものであり、玩具だった。世界中の企業により改良が進み、軍事、政治運用が世界中で定着していった。そして20xx年では超小型の装置になっており、何か別のものに取り付けることでそれを即時にドローン化できるものが主流になっている。それをドローンナイズチップと呼ぶ。
 艦娘の使う艦載機、偵察機もそのドローン化装置、ドローンナイズチップにより、様々なものに取り付けてある程度自由に運用することができる。
 また、空母艦娘たちが使う艦載機と、それ以外の艦娘が使う艦載機は構成が異なっている。後者のほうが簡素な作りなのだ。


 今回那珂が東京都職員から借りた偵察機は、その装置を取り付けた、はたから見れば玩具同然の飛行機だ。調査用のためドローン化装置とカメラユニットがついているのが特徴だ。都の調査用のもののため、有効範囲は10kmほどしかない。高機能な物の場合は現代の無線通信規格が指し示す限界値の25kmという離れた場所にも飛ばせるようになっている。
 また、ドローン化装置は有効範囲の限界の4〜5mにまで達したら、強制的に帰還するようになっている。それを超えると操作が効かなくなるための保護機能だ。

 那珂は艦娘の艦載機、偵察機の運用方法を教科書と提督から借りた本数冊を読んだだけでまだ使ったことはなかったが、だいたい理解していた。それを艦娘用のスマートウォッチで認証し、情報を同期したあとその偵察機を飛ばした。

 偵察機から届く映像を那珂のスマートウォッチにつないだ透過モニターごしに見る那珂自身と五月雨、そして天龍・龍田。10kmより4〜5m手前までの範囲では深海凄艦の影は見当たらない。
 方向を変えて10kmギリギリまで再び飛ばす。それでも見えない。

 三度飛ばす。三度目の正直という言葉通り、那珂は違和感のある影を見つけた。護衛艦のある位置から3〜4km行ったあたりだ。日中なのと接続している外部モニタは小型かつ透過しているので見づらいが、深海凄艦特有の光る目をどうにか確認できた。それも複数ある。

「ここから南南東の方角かなぁ。かなりの浅いところにいるのかな?浅瀬になっているのかも。」
 那珂が確認した状況に予想を交えて言うと、天龍が反応した。
「よっしゃ!ここまではっきり場所がわかったんならあたしたちが確実に仕留められるな。よし龍田。うちのやつらに出撃準備させようぜ。」
 確かに出撃の頃合いである。那珂もそれに賛成した。隣艦隊の天龍と龍田はメンバーのところに戻っていった。

「那珂さん。私達も準備したほうがいいですよね。」と五月雨は那珂に同意を求める。
 それに対して那珂はコクンと頷き、那珂たちも仲間のところへ戻ることにした。