仮面ライダーGLAY 第二話
クライシス帝国が地球侵攻をした時には既に怪魔界は環境破壊がひどく進んでいた。だからこそクライシスは怪魔界50億の民を移民させることを大義とし地球侵攻を企てたのであった。
移民に失敗した怪魔界の住人は死を待つしかなかったと思われていたが、皮肉にも死滅を早める過程で怪魔界の環境と人口のバランスが取れてしまったというのだ。怪魔界の更なる荒廃と多くの血を代償に・・・。
「そして戦争の最後にはクライシス絶対神を崇拝する我らが王、エウレカが再びクライシス神の御名の元に怪魔界統一を果たしたのじゃ。これもクライシス紳への弛まぬ信仰の賜物よ!ならば我らがすべきは約束の地で貴様への復讐と地球侵攻の悲願を果たし、クライシス様に報いるのである!!」
怪魔界では300年の時間を経過させているにも関わらず光太郎への恨みだけは色褪せることなく継承されてきたというのである。
また、宗教としてもクライシスを神と崇めており、これを撃破した仮面ライダーBlackRXこそ全ての元凶であり、RXへの恨み節はもはや彼らのアイデンティティと言っても過言ではないだろう。
「馬鹿な・・・自らの世界を捨て、再び地球へ侵攻すると言うのか・・・」
「南光太郎・・・いや、仮面ライダーBlackRX!貴様の首をエウレカ国民の前に晒してくれようぞ!!」
「!」
部屋の中にぞろぞろと獣の様な異形の怪人が入ってきてRXを取り囲む、その中でワルフと呼ばれたひときわ大柄なオオカミ男が下品に笑いながら名乗る。
「俺はエウレカ三大聖長の一人、獣鬼王ワルフ!貴様を殺し、クライシス神話に英雄として語り継がれる者だ!!!我が獣鬼どもよ!憎きRXの骨を噛み砕き、奴の心臓をクライシス神の御霊に捧ごうではないか!」
鋭い爪、剛健な体つき、人間の頭など一瞬で噛み砕いてしまいそうな牙、危険な怪人が息をつく間も無くRXに襲い掛かる!それを紙一重で躱し、反撃しながらさばいてゆく。
光太郎は自身の因縁に驚愕しつつも、仮面ライダーとして再び戦いに身を投じる宿命を感じていた。
後に第二次怪魔侵攻と呼ばれる戦いが今、始まるのであった。
「なんて事だ・・・・・クライシスの意思を継ぐ者がいたなんて・・・くっ!風士君!早くはるかちゃんを連れて逃げてくれよ!!」
つづく
作品名:仮面ライダーGLAY 第二話 作家名:カイム