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もしも獅子尾エンドだったら (2)

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ピリリリリッ

携帯のメール音が鳴って、
すずめは布団の中から手を伸ばした。

起き上がれない…

自分がそう選んだのに。

メールを確認すると、獅子尾からだった。

『何してた?』

1行だけ。


それには答えず、すずめも1行で返信する。

『会う時間とれませんか?』

外は…まずい。家もおじさんいるから…

『日曜、うち来る?』

と返ってきた。


ドクン。

以前、獅子尾の家に行って、
キスをされそうになったことを思い出し、
すずめは真っ赤になった。

先生と付き合うってことは、
そういうこともするってことだよね?

家に行くってことは…その先も…?

ボスン!

すずめは恥ずかしさで
クッションを壁に投げつけた。

イヤイヤイヤ、まだ早い、それは。

先生だっていきなりそんなことはしないはず…

前に泊まった時だって、
ギュって抱きしめただけだったじゃん!

抱きしめ…ギャーーー!

さらに赤くなって、バンバンとクッションを殴って、
自分の顔をバスン、と埋めた。

「先生とだと落ち着かない…」

馬村が抱きしめるのなら、ホッとするのに。

そうふと思って、
また2人を比べていることに気付き、
ブンブンと頭を振った。

あの居心地のいい手を離したのは自分だ。

もうあの石けんの匂いも
嗅ぐことはない。

『13時に行きます。』

すずめがそう返信したところで、
諭吉がご飯だと呼ぶ声が聞こえて
部屋を出た。