二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

もしも獅子尾エンドだったら (3)

INDEX|1ページ/3ページ|

次のページ
 
「あんなに思ってくれてる人をねぇ…」

すずめはあれ以来、
獅子尾とは会わずにいた。

でもメールと電話は日課になった。

ゆゆかとも、沖縄で
電話で先に東京に帰る、と言ってから、
獅子尾や馬村とどうなったかは
電話で報告していたが、
会って話せたのは新学期の初日だった。

「ま、想われるからって
 好きになれるわけじゃないしね。」

元々モテるゆゆかは、
どこか達観していた。

「選ぶのはアンタだし、
 どっちを選んでも正解。」

ゆゆかのその言葉にすずめは救われていた。

「ちょちょちょ、すずめちゃん!
 さっき猿丸から聞いたんだけど、
 馬村と別れたんだって?」

「あ…うん。」

慌てて教室に入ってきた亀吉に、
ズバリ言われ、何て答えたらいいのか戸惑った。

「そっかぁ。やっぱり友達以上には思えないかぁ。」

「え?」

どういうふうに伝わっているのだか、
もちろん獅子尾のことは伏せられ、
お互い偽彼女の延長で付き合ってみたけど、
やっぱり友達以上には思えなくて
友達に戻ることにした、
と、馬村が説明しているらしかった。

「割とお似合いだと思ったんだけどなぁ。」

「ハハハ、うん…」

すずめは馬村に感謝した。

「よお。」

馬村に後ろから小突かれて、
すずめは振り向いた。

「ま、友達として今後もよろしくってことで。」

「しょうがないよねぇ。
 私ももし猿丸と付き合えってなっても
 やっぱり無理だと思うもん!」

「えっ、マジで?!」

亀吉の言葉を聞いて、
猿丸が軽くショックを受けていた。

「そりゃそうでしょ。仲がいいから
 男女の仲になれるかっていうと
 そういうもんでもなくない?」

そう笑って言う亀吉に、
すずめも馬村もちょっとホッとした。

友達として一緒にいても
不自然ではない流れができたから。

馬村はそれが事実なために、
少し傷ついてはいたけれど。

「ま、そういうことだな。」

そう言って馬村はいつも通りの顔で
自分の席についた。

先生が今担任でなくてよかった。

すずめは心から思った。