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もしも獅子尾エンドだったら (5)

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ピンポーン。

獅子尾がすずめの家をたずねた。

「い、いらっしゃ~い。」

すずめの心臓は今までになくドクドクと
強く波打っていた。

「おじゃまします…」

獅子尾はコートを脱いで
ソファの上にかけ、自分も腰をかけた。

「コーヒー…は、さっき飲みましたね。」

「いいよ。おかまいなく。」

2人の間にしばらく沈黙が流れた。

「えと…」

すずめが口を開きかけた時、
獅子尾はすずめの腕をとって立ち上がり、
一年半ぶりにその胸に抱き寄せた。

細く、甘い香りのするその体を、
自分の腕の中に刻むように、力強く。

「せ、先生…苦しい…」

「ごめん…無理…今離せない…」

目を瞑り、すずめの頭の上に頬を寄せる。

やっと、やっとだ。

獅子尾の気持ちが痛いほど伝わり、
ボロッとすずめの目から涙がこぼれた。

獅子尾の背中に回った手で、
ギュッと獅子尾のシャツを掴み、
すずめも強く抱きしめた。

苦いコーヒーとタバコの匂い。

ああ、先生だ。

私は先生の腕の中に居る。

次から次へと溢れる涙は、
獅子尾のシャツを濡らした。

「すずめ…泣いてる?」

「あ、嬉しくて…」

ふ、と笑って、獅子尾はそっとすずめにキスをした。

「2回目…ですね…」

「あ、オレ、ゆきちゃんに
 何にもしないって約束したのに。」

「大丈夫。黙っておきます。」

「キミ、嘘下手でしょ?
 ゆきちゃんがすごんでも黙ってられる?」

「う…」

仁王の前ではすぐに口を割ってしまう。

「もーいいよ。どうせ怒られるなら。」

獅子尾はそう言うと、
再び自分の唇をすずめのそれに合わせた。

何度も角度を変え、ずっと会えなかった分を
味わい尽くすように、軽く吸ったり、
合わせたり、唇を舐めたりした。

「ん、ふっ…あっ」

自分から変な声が漏れて
すずめは一気に恥ずかしくなった。

「待って…先生…んっ」

「もー無理。待てない。」

獅子尾の唇の間から舌が出てきて、
ニュルりとすずめの舌に絡んできた。

「!んっ…」

後頭部を押さえられてすぐには逃げられない。

ビリビリと痺れるような感覚で
立っていられない。

「~~んんっはぁっ…」

しばらくして離されたかと思うと、
すずめの顔も体も真っ赤だった。

「あ…もしかしてやり過ぎた?」

「~~っ///もう!待ってって
 言ったじゃないですか!」

ハァハァと息を切らすすずめがまた可愛くて
愛しくて、今度は頬にキスをする。

「! 卒業まだしてないですよ?」

「うん、今からこれじゃヤバイね。」

「っ///」

「でも嬉しくて…」

「先生はやっぱり大人ですね。」

「は?///」

獅子尾はすずめの腕をとったまま、
ソファに再び座り込んだ。

「すずめ…好きなんだ。君が。」

ドクン。

獅子尾の真っ直ぐな眼差しに
刺されたように、すずめの心臓が
痛いくらい強く打たれる。

「君じゃなきゃ待てなかった。」

「ピーマン我慢して食べた甲斐
 ありました…?」

「ん?ああ、あれね。効果絶大。」

獅子尾はふわっと笑って言った。

「先生、卒業式のつぎの日、
 デートしてくれますか?」

「今俺が誘おうと思ったのに。
 どこ行きたい?」

「…先生のアパートに行きたいです。」

「えっ…いやいや、それはまだほら。」

「ダメですか?」

潤んだ上目遣いで見られて
NOと言える男がこの世にいるだろうか。

「え…ホントに?いいのかよ。」

「はい。ずっと一緒にいれなかったから
 2人でゆっくりしたくないですか?」

「あ、あー、そういうことね。
 じゃ、そうしよう。うん。」

ビックリした…と、獅子尾は小声で呟き、
ドキドキした心臓を治めた。

「じゃあ、3月2日に2人で。」

そう言ってまた頬にキスをして、
獅子尾は帰って行った。

バタバタと諭吉が帰ってきたのは、
獅子尾が帰っただいぶ後だった。

「少し話してすぐ帰ったよ?」

すずめが言うと、

「何にもされてないだろうね?」

と、諭吉がやっぱり凄んだ。

「あ、う、うん↑?」

「~~~五月のやつ、やっぱり絶交!」

「ええええっ!」

卒業まで1ヶ月。

獅子尾とのことを考えると待ち遠しいが、
ゆゆか達と離れると思うと寂しく、
すずめは微妙な気持ちで1ヶ月を過ごした。