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帰る場所

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ちっ……こりゃ、分が悪いな…。
退くしかねぇ、か……。



銀「おい、お前ら!全員撤退だ!陣まで死ぬ気で戻れ!」


「そんな…!?大丈夫ですよ、勝てます!だから…っ」


銀「聞こえなかったのか!?今すぐ撤退だ!いいなお前ら、絶対生きて戻れよ」


「坂田さん…!!」


銀「殿(しんがり)は俺が努める……さっさと行けぇ!!!!」


「……みんな、戻るぞ…!」







よし…、あいつらは行ったな。

ったく、手間かけさせやがって…。

これ以上味方を死なせる訳にはいかねぇんだよ。







全くよぉ、ついてねぇよなぁ…俺も。


流石にこれだけ囲まれちゃ…厳しいか?


…言ってる場合じゃねぇか。




銀「おい天人ども。ここから先は行かせねぇよ。…お前らみてぇな奴等は、この白夜叉だけで十分なんだよ。」



おーおー。
怖い目で睨んでらぁ。








さて…と。

どこまでやれるかじゃねぇ。
やらなきゃならねぇんだよな。




…いくぜ。




「でぁぁああああああ…!!!」






立ち向かってくる敵をただただ斬りまくった。

絶対ここで食い止める。


例え身が滅ぼうとも…―――――――。




―――――――――――
―――――――
――…




「…はぁ…、はぁ…。これで…、最後か…?」


気がつけば周りは死体の山。


我ながら自分が恐ろしい。



「時間も稼いだ…。次の敵が来る前に…、俺も退かねぇとな…」


無傷とは言えない身体でなんとか歩き出す。



「帰らねぇと…」


帰る?


…どこへ?



朦朧とする意識の中で疑問を繰り返す。



俺はどこに帰れば良いんだ?


俺の帰る場所なんてあるのか?


誰かが待っててくれているのか?


…誰が?


…どこで?




俺の居場所は…どこだ?








気が付くと森の中まで歩いてきたようだが次第に視界が霞んできた。



「や…べぇな…。目が…霞んできやがった…」



息も上手くできねぇ…



「血…流しすぎた、か…?」



白夜叉などと恐れられてるくせに情けねぇ…





「は…………ぁ…」








俺の意識はそこで途切れた――――――…。

作品名:帰る場所 作家名:棗-なつめ-