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はやとちり

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高「ほら、入れるぞ。…力むなよ」


銀「ん…っ、頑張る…」


高「いくぞ……。……っっ」


銀「ああああ……い、てえ……っ」


高「ほら…、息、吐け…っ、うまく入らねぇだろ…っ」


銀「は……っ、たか、すぎ…っ」


高「もう少し…だから…」


銀「んんんん…っ……あぁ…っ」


高「ほら…全部入った…っ大丈夫か?」


銀「なんとかな……っ。今回まじで痛かった…けど、やっぱすっげぇ気持ちいい…」


高「まだ少しきついけどな…すぐほぐれるだろ」


銀「あ…そこ…気持ちいい……っ。そこ…もっと…!」


高「ここ…か…?」


銀「あああっ!!そ、こ…!それ、もっと…っ」


高「欲しがりかよ…てめぇは」


銀「だって…そこ…気持ちいい…」


高「もう完全にほぐれたな……お前のここ、最初はガッチガチだったのが今はこんなにトロトロだぜ?」


銀「お前すげぇわ…本当すげぇ…意識飛ぶくらい気持ちいい…っ」


高「飛ばしてもいいぜ?後処理はしておくからよ」


銀「ん……っ」



――――――――――
―――――


いかん…いかんぞ…!!!!
誰かに聞かれたらいかん…!
いや、既にわしが聞いてるんじゃけど…!

こういう事はもっとこっそりと…!

そ、れに…今はこんな遊んでる時じゃないじゃろ!!

いかん…わしのコレもいかん…!!

やはり…止めねば…!



時と場所を選べと…言わねば…!

すまん、銀時、高杉…!

おまんらの事応援しない訳じゃないき!

ここは一人の隊長として…!



辰「お…おまんら!!さっきから何しちゅうがか!!そういうことはもっと別の場所で!!」



スパーンと勢いよく襖を開けた先で見た光景は………






高杉が銀時にまたがっていて…………














背中をマッサージしている光景だった。






辰「あ……れ……?」


予想と反した光景に目をパチクリさせる辰馬だが、それ以上に驚いているのは銀時と高杉だった。




高「なんだ…?」


銀「辰馬?…どうした?でかい声出して」


辰「お…おまんらが…変な声出しちゅうから…!」


銀「変な声?」


高「お前の事だろ」


銀「え!?俺!?」


辰「そうじゃ…!銀時が、気持ちいいとか…い、入れてとか…言ってたじゃろ…!」


銀「あーー……気持ちいいってのはマッサージの事で、入れてってのは、肩甲骨を剥がすことで…」


辰「け、けんこうこつ?」


高「コイツ、戦うばかりで体のメンテナンスしねぇからあちこちガタきてんだよ。んで、そのケアを俺がしてやってたって訳」


銀「そうそう…。肩甲骨が、こー…べったりくっついてると肩こりとか酷くなるんだって。だから肩甲骨を剥がすのに手をグッと入れてほぐしてくれてたんだよ。高杉ってこんな面してるけどマッサージ上手くてさー」


辰「じゃ、じゃあ高杉が”ほぐれてきた”とか何とかって言っちょったのは…」


高「いきなり剥がそうとしても無理だからな。周りの筋肉からほぐしてた」


銀「まじですげぇ痛いんだけどさ、ほぐれると気持ちいいんだよ…」


辰「あー……そういう事かえ……あ、ははは……」


高「……で、お前、どうした?」


辰「え!?あ、いや、ちょっと勘違いしてたみたいじゃ!気にしないでくれ!あははは…っ」


銀「…勘違いって…。どんな想像したらそんな事になるんだよ」


辰「…え?そんな事…?」


高「いや……だから…」


銀「…なぁ?」


何故か二人はお互いに目を合わせて何かを言い留まってる感じだった。


辰「なんじゃ、言うてみぃ」


高・銀「だから、何でお前立ってるんだよ」


辰「…何がじゃ?」


銀「だから…っ」


高「ナニだよ」


二人が同時に指さしてきた場所を見ると、確かに辰馬自身の…主に下半身が主張していた


辰「あ……こ、これは…違うぞ!!そう言う事じゃ…っ」


銀「そう言う事ってどういうことだよ」


高「詳しく聞かせろ」



いつの間にかニヤニヤしながら近づいてくる二人


赤面しながら後ずさるが二人に捕まる



辰「な、なんじゃ…!」


銀「あれか、俺たちの声聞いて変な妄想しちゃった訳だ?」


高「で、こんな風になっちまった、と…」




わざと耳元で言いながら少しづつ体に触れてくる




辰「ちょ…おまんら、やめぇ…!」


銀「えー?何で?あー、そうだ、俺と高杉二人で辰馬の事マッサージしてやるよ」


高「まぁ、銀時にしたのとは別のマッサージになるがな」


辰「い、いや、いい!しなくていいきに!離れぇ…!こら、どこ触ってるんじゃ…!」



暴れる辰馬を押さえつけ服を脱がし始めた時、急に襖が空いた



桂「お前ら、うるさいぞ!廊下中響いているだろ!他の者が聞いたらどうするつもりだ馬鹿者!!」


辰「ヅラ…助け…」


桂「なんだ坂本も居たのか。お前が居ながら情けない。いいか、俺は別に偏見など持たないが時と場所を考えろ!真昼間だぞ!?」


銀「だって辰馬が」


高「してほしそうな顔してたから」


辰「しちょらん!!いいからヅラ、たすけ」


桂「言い訳はいい!!!銀時、高杉、お前らはもう見回りの時間だ、行くぞ馬鹿者」


銀「まじか…んじゃ、言ってくるわ。悪いな~辰馬」


高「また今度な」



桂に怒鳴られた事など気にも留めてない二人は支度をしてあっという間に部屋から出ていき、一人ポツンと残された。



辰「なんじゃったんじゃ……というか…ヅラに見られた……」



乱れた着物を直しながらため息をつく



辰「…え、てかわし…このまま…?」




服を直したところでおさまってはくれない部分を見る……




辰「これが…生殺しってやつかえ……」







自分の早とちりから始まった事とはいえ、まだまだ若い辰馬にとってはこれからが自分との戦いの時間であった………――。













END
作品名:はやとちり 作家名:棗-なつめ-