同調率99%の少女(4) - 鎮守府Aの物語
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翌日、日中にメールで日どりの連絡を受けていた那美恵は放課後に生徒会室に行き、見学の日取りの候補日を早速三千花ら生徒会のメンバーに伝えることにした。
生徒会としての本来の作業があったため、それらをひと通り片付けてから話を持ち出すことにした。那美恵は全員の作業の手が落ち着いたのを見計らって大きめの声で注意をひくように口を開いた。
「みんな、作業は落ち着いたかな?」
「はい。俺は大丈夫っす。」
「私も…この書類を確認し終えたら大丈夫です。……はい。」
三戸と和子が返事をした。
三千花は少し離れたところで生徒会顧問の先生と話しているため那美恵はすぐには声をかけられなかった。しばらく3人で三千花のほうを見ていると、ようやく話が終わったのか三千花は会釈をして先生から離れて那美恵たちの方に近づいてきた。顧問の先生は三千花との別れ際に、職員室に戻っているからとそれだけ伝えてサッと生徒会室から出て行った。
「おまたせ。」
「うん。鎮守府見学の件なんだけど、○日と○日、それから○日がOKなんだって。何日がいい?」
副会長の三千花、書記の三戸と和子は特にバラバラに異なる日にちをいうことなく、3人共同じ日にちで都合が付くことを那美恵に伝えた。
「日にちは問題なしだね〜。じゃあ提督にメールしちゃおう。」
自身らの都合がよい見学希望日を早速提督と五月雨に伝えることにした。その場で自身の携帯電話で提督と五月雨にメールをする。
その30秒後には提督からxx日了解、という5文字だけのメールが届いた。
「提督返信はやっ!」
「もうOK来たの?」三千花が尋ねる。
「うん、○日で行けることになったよ。じゃあみんな、その日土曜日だから午前の授業終わったら生徒会室に一旦集まって、それから行こう〜!途中でお昼食べたりもしよっか?」
「あー、まあそれは適当にしましょう。」
那美恵のついでの提案をさらっと受け流す三千花。
一応生徒会の公的な課外の交流活動の一環としての参加にするため、那美恵は書記の二人に指示を与える。
「そうそう。三戸くん、和子ちゃん。課外活動の報告書の作成、お願いね。ガッツリしっかりと!それを先生方への説得材料にするんだからね。」
「わかりました。」
「了解っす。」
那美恵の指示を受けた三戸と和子は承諾した。気を利かせた三戸は那美恵に報告書についての提案をする。
「そうだ会長。どうせ報告書作るなら、写真はもちろんだけど、動画録ってそれも資料に含めましょうよ。そのほうが説得力増すんじゃないですかね?」
三戸の提案を聞いた那美恵はなるほどと感心した。ただし自身では判断つかないことは付け足しておいた。
「うん、そうだね。艦娘の訓練の様子とか、あとは提督から説明受けてる様子とか録ればいいかも。ただ一応国の組織に関するところだから、録っちゃダメってところもあるだろうし、そこは確認しておくよ。」
見学時の学校側としての役割を決めた那美恵は、その日は艦娘関連の話題は終わりとして、各自自由に話したり友人を待たせているからとサッと帰ったりした。
こうして数日後、見学日を迎えることとなった。
作品名:同調率99%の少女(4) - 鎮守府Aの物語 作家名:lumis