伝えたい事
「・・・・・」
俺は何も言う事が出来なかった。
「やめよう。もうカミーユが闘う必要なんかない」
「それでも・・・」
「カミーユの気持ちはうれしいよ。ありがとう」
ロンドベルへの参加を拒否されてしまった。
俺は何も知らなかったのだ。
どれ程の覚悟でアムロさんがロンドベルを立ち上げたのか。
ブライト艦長もそんなアムロさんを支える為に、最後の最後に責任を取る為に、アムロさんを守れるように、ロンドベルのトップになった事も、全部知らなかった。
俺は、まだ子供だったのだ。
何も、何も知らない子供だったけれど・・・、
俺はアムロさんと約束した。
「ニュータイプは戦いの道具ではないと・・、戦わずに生きられる事を・・、カミーユが証明してくれないか」
戦い続ける事でしか生き延びられなかった悲しいファーストニュータイプのアムロさんは、戦わない生き方を望んでいた。
優しい人なのに、どうしてか戦わないといけない状況へ追いやられてしまう。
この後、生きる人生の全てをかけて、NTは戦いの道具ではない事を証明するとアムロさんと約束した。
空っぽの俺の中に、アムロさんとの約束というピースが嵌め込まれたので、
俺はもう空っぽじゃなくなった。