主人公惣受け物語~アニポケ・カントー編~
第60話『洞窟の奥』
前書き
一難去ってまた一難、サトシ達にさらなる危機!
突如現れたゴルバットとゴローンの大群に行く手を阻まれることになったサトシ達。
ミドリ「…今度は穏便に済みそうにないわね」
サトシ「気は乗らないけど、頼むぞミジュマル!」
ヒカリ「ブイゼル! あなた達もお願い!」
ベル「アバゴーラ! 行くわよ!」
ミドリ「あたしも! トルテュ、スパート!」
サトシはピカチュウ、ヒカリはブイゼル、ベルはアバゴーラで対峙するポケモン達に対抗。さらにミドリも、自らのポケモンであるカメックス(名前は、トルテュ)をボールから出す。
※ トルテュはフランス語で‘陸亀’を意味し、カメックスはタイプからして‘海亀’ですが、字数の問題上この名前で行きます。
ミドリ(あのゴルバットとゴローン達、何か様子がおかしいわ。特に目のあたりが赤く光っているように見える。やっぱりあの先に何かあるんだわ!)
ミドリの言うとおり、自分達と対峙するゴルバットとゴローン達は少し変わっていた。というよりも様子がおかしかった。充血してもいないのに目は赤く染まっており、さらに自分意識を制御できないようだ。
ゴルバット「キシャアアアアア!」
ゴローン「ゴロォォォォォン!」
一息入れる間もなく、ゴルバットとゴローンの大群はサトシ達に襲い掛かってくる。どのゴルバットもゴローンも、クセのある技を覚えていてそれを多用してきたので苦戦を強いられたが、時間をかけて何とかすべて倒していった。
ゴルバット「キシャアアアアア!」
ゴローン「ゴロォ? ゴロゴロォン!」
ゴルバットとゴローンは、先程までの敵意むき出しの雰囲気から一転して、何事もなかったかのように去っていく。その際、全て何かを落としていったのにサトシ達は気付く。
ベル「何かしら、これ?」
ヒカリ「何かの機械みたいだけど…」
ゴルバット達とゴローン達が物体を落としていった箇所にサトシ達は近づき、そのうちの一つを拾い上げる。拾い上げた物体は、小型機械のようなものでアンテナのようなものも付いている。
ミドリ「もしかして、この機械で操られていたようね。ゴルバットとゴローンの様子もおかしかったし…」
サトシ「えっ? だとしたら、コイツを使っていた奴は許せないな」
ヒカリ「えぇ、平穏に暮らしていたポケモンの自由を奪うなんて。そんなの酷過ぎるわ!」
ベル「とにかく、あの道の向こうに何かがあるのは間違いないようね」
先程の状況からして、サトシ達が拾い上げた小型機械はポケモンを自由自在に操るために造られたようだ。ということはふたご島には何者かが潜伏しており、秘密裏に何かよからぬことを仕掛けている可能性が高い。そのことを理解した直後、サトシ達はまだ見ぬ黒幕に対する怒りが込み上げてきた。
ミドリ「恐らく、あのコ達も住処を荒らされてここまで逃げて来たんでしょうね」
サトシ「奥まで行こう! ふたご島のポケモン達の為にも!」
ベル「サトシ君の言うとおりね!」
サトシ達は進む道の奥に何かがあると確信する。ふたご島のポケモン達の為にも急ぎたいところであったが、万が一に備えてここは慎重に進むことにした。
ミドリ(洞窟の奥に進むにつれて、次第に物騒な風景に変わってきているわね。やっぱり、ここにはあたし達の他に誰かいるとしか考えられない…)
道を進むにつれて、壁に機械の部類が埋め込まれているのを次々と発見するようになり、先程立てていた「このふたご島には何者かが潜んでおり、秘密裏に何かを画策している」という仮説が確信へと変わっていく。
サトシ「さっきから見ているけれどこの機械、一体何に使うんだろうな?」
ミドリ「分からないけれど、少なくともポケモンの住処を荒らしてまで埋め込むようなら、良い目的に使うというのはなさそうね」
このようなことを口に出しながら、サトシ達がさらに洞窟の奥へと進み続けていたその時だった。
ブゥゥゥゥゥ!
ブゥゥゥゥゥ!
ブゥゥゥゥゥ!
ヒカリ「な、何!? 今の音!?」
ポッチャマ「ポチャチャ!?」
突然、洞窟じゅうに響き渡る警告音。音を聞いたサトシ達は思わず、足を止めて警戒態勢を取る。
???「おい! どういうことだ!」
???「突然警告音が鳴るなんて! 何か不具合でも生じたか!」
ベル「!? だ、誰!?」
さらにサトシ達の進行方向から二人ほどの野太い男の声が聞こえてくる。サトシ達が振り返ると、研究員の白い服を着た二人の男が駆け寄ってきていた。
研究員A「くっ、侵入者か!」
研究員B「我々の任務があともう少しで終わりを迎えていたというのに、くそぅ!」
謎の研究員二人と鉢合わせになったサトシ達。果たして、彼らの目的とサトシ達の運命やいかに!?
続く
後書き
お馴染みの展開ですが、次回研究員とポケモンバトルをします。
作品名:主人公惣受け物語~アニポケ・カントー編~ 作家名:天の河