主人公惣受け物語~アニポケ・カントー編~
ヒカリ「だから、サトシのことはカスミやハルカには負けたくない! それくらいサトシのことが好きなの!」
ハルカ「わたしだって、ヒカリやカスミに負けないくらいサトシが好きよ! サトシは誰にも渡したくない!」
カスミ「あたしも、サトシが好きな気持ちは誰にも負けないわ! それが今日初めて出会って仲間になったヒカリや以前から仲間だったハルカが相手であってもよ!」
カスミ、ハルカ、ヒカリ、ここにサトシ争奪戦の火ぶたが切られた瞬間だった。ただ、ここで忘れてはいけないのが、サトシに好意を抱いている女性は他にもいることである。現在ここにはいないが、イッシュ地方のドラゴンマスターを目指す某野生少女も例外ではない。
ポッチャマ「ポチャア…」
ポッチャマは目の前で火花を散らす様相の3人の雰囲気に飲まれないよう、片隅で様子をうかがっている。このサトシ争奪戦に巻き込まれてある意味危機的な状況に陥るのではと自らの身を案じるが、苦しくも今後はその懸念どおりになってしまうのは言うまでもないだろう。
ハナコ「あら、しばらく見ないうちにウチの息子・サトシは随分罪作りな男になってしまったのね。ふふふ」
カスミ・ハルカ・ヒカリ「「「!?」」」
その時、ハナコが部屋に入ってきた。あまりの突然の出来事に思わず心臓が破裂しかけるカスミ、ハルカ、ヒカリ。
カスミ「ま、まさか、さっきの話…」
ハナコ「えぇ、全部聞かせてもらいましたわ。ごめんなさい、盗み聞きしちゃって」
カスミ・ハルカ・ヒカリ「「「/////////」」」
今までの話をサトシの母・ハナコにすべて聞かれていたと知り、カスミ、ハルカ、ヒカリの三人は急激に体の奥底から恥ずかしさがこみあげてきて、顔を真っ赤に染め上げる。
ハナコ「でも、サトシと一緒にいろんな場所を旅してきたあなた達なら大歓迎よ。サトシのことを知っているだろうし、将来サトシと一緒に暮らすのにも困らないと思うわ。あっ、一緒に暮らすというのは将来のサトシのお嫁さんとしてよ」
ヒカリ「い、い、い、一緒にく、暮らすだなんて//////」
カスミ「さ、サトシのお嫁さん!?」
ハルカ「そ、そんなのま、まだ早すぎますってば! まだ心の準備が//////」
ハナコ「ふふふ、まだってことは将来そうする気持ちはあるのね」
カスミ・ハルカ・ヒカリ「「「//////」」」
完全にハナコにペースを握られ、どう弁解しようにもその全てが空回りしてしまう。カスミ、ハルカ、ヒカリの三人の顔は先程よりもさらに顔を真っ赤に染め上げ、今にも湯気を出して爆発しそうである。
ハナコ「この国が一夫多妻制なら、3人とも私の娘として迎え入れていたのにね」
カスミ・ハルカ・ヒカリ「「「ま、ママさん!?」」」
ハナコの決定的ともいえる爆弾発言。これが本音で言っているのかはたまた冗談で言っているのかは、読者のご想像にお任せする。
ポッチャマ(ピカさん、もしかしたらこれから一生腐れ縁のようなかかわりを持ちそうになるかもしれません…)
ポッチャマはハナコのヒロイン3人に対する言動に呆然としつつも、今後によってはサトシのピカチュウと毎日顔合わせするような長い付き合いになりそうだと予感する。現時点でカスミ、ハルカ、ヒカリがハナコ公認(?)のサトシ花嫁候補になった夜はこうして更けていくのだった…
続く…
後書き
次回は、丁度ヒロイン3人とタケシがサトシの家に向かっていたときと同じころ、イッシュ地方ではどうしていたかの話です。
なので、サトシとの旅の経験があるドラゴンポケモンマスターを目指す野生少女と、何事にも興味を示すポケモンソムリエが登場します。
その後、カスミ、ハルカ、ヒカリがどうなったのかは皆さんのご想像にお任せします…
作品名:主人公惣受け物語~アニポケ・カントー編~ 作家名:天の河