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主人公惣受け物語~アニポケ・カントー編~

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第3話『訪問者』


前書き
 サトシ×〇〇〇のCP要素が入ります。誰かは中身を見ればすぐわかります(そりゃそうだ!)。ギャグ要素はほとんどありません。では、どうぞ。







ピンポーン!


サトシ「ん? 誰だろ?」


 玄関のチャイムが鳴り、訪問者を迎えるために玄関へと向かうサトシ。


サトシ「今開けまーす」


 扉を開けると、そこにはサトシが良く知る人物が手を振って立っていた。



?「ひ、久しぶりサトシ」



サトシ「ヒ、ヒカリ? 一体どうしたんだ?」


 そこにいた人物とは、サトシとはシンオウ地方を一緒に旅をした仲間であるヒカリだった。


サトシ「久しぶりだな、ヒカリ。ポッチャマはどうしたんだ?」


ヒカリ「さっき偶然会ったシゲルがポッチャマに興味を示したみたいで預けてきたの。」


サトシ「そっか。それなら今から一緒に研究所に行くか?」


ヒカリ「えっ、あっ、うん。一緒に行きましょ(やったぁ、今日サトシの家に行って良かったわ!)」


 実はヒカリは旅を通して、サトシに好意を抱いている恋する乙女である。デートという形ではないものの、少しでも想い人と2人っきりの時間を過ごす嬉しさをひた隠しにつつ、サトシとオーキド研究所に行くことを決める。


サトシ「それじゃあ、俺今から支度してくるから、そこで待っててくれ。行くぞ、ピカチュウ」


ピカチュウ「ピカッ!」


 サトシは出かける準備をするため、一旦自分の部屋へと戻っていく。ある程度身支度を整えると、ハナコにヒカリと今からオーキド研究所に行くと言ってヒカリとともに自宅を後にした。その際、ハナコが研究所に向かう2人の背中ニヤニヤしながら眺めていたとかいなかったとか...


ヒカリ「へぇ〜、じゃあサトシはそのアイリスに間違えてボールを投げたことがきっかけで一緒に旅をする羽目になったのね」


サトシ「あぁ、本当はアイリスのキバゴに図鑑が反応してボールを投げたところに、アイリスもいたっていう話だったんだけどな。あの時はアイリスに誤解されてたからなぁ...」


ヒカリ「状況が状況だったからね。仕方ないわよ…」


 サトシとアイリスとの出会いの経緯を、苦笑いを浮かべながら聞くヒカリ。


※ ちなみに、ヒカリはイースト・イッシュには行っていない設定で進めます。理由は別サイトでこの作品を作り始めたのが、ヒカリ再登場が決まる前だったからです。


ヒカリ(もしかして、アイリスもサトシのこと好きなのかな...。)


 ヒカリはふとそのようなことを思い、心の中が徐々に曇り始める。というのも、ヒカリと同じようにサトシと旅をしてきたハルカがサトシに対して好意を抱いているということを知っているため、そのようなことがふと頭によぎったのである。サトシはどんな人間やポケモンにも優しく接するので、誰からも愛される存在ともいえるだろう。ヒカリの頭の中でそのようなことが出てくるのも無理もない話である。


サトシ「ところで、ヒカリの方はどうだ? あれから順調か?」


ヒカリ「えっ!? あっ、あたしの方は今も昔も変わらずトップコーディネーターになるために特訓中。ミミロルのモデルの仕事が大変だから、あまり休めないのがね…」


 ヒカリはサトシ達と別れて、コンテストの聖地と呼ばれるホウエン地方を旅をしていた。ホウエン各地で開かれた数々のコンテストやホウエンのグランドフェスティバルに出場して好成績をおさめ、さらにはサトシ達と別れ間際にモデルにスカウトされたミミロルの仕事も、トレーナーとしてきっちりサポートしている。


サトシ「ヒカリも大変だな。俺もポケモンマスターになるために頑張らなくちゃ。これからもお互い頑張ろうぜ!」


ヒカリ「えぇ、これからもがんばりましょう!」


 これからの決意を新たに、お馴染みのハイタッチをする。


サトシ「お、着いた着いた。っておい、ピカチュウ」


 研究所の前に到着した早々、ポッチャマとの再会が待ち遠しいのか一目散に走り出すピカチュウ。


ヒカリ「ピカチュウ、よほどポッチャマと会えるのが嬉しいのね」


サトシ「ハハハ…」


 相棒の忙しない行動に苦笑するしかないサトシであった。そんなピカチュウの後を追って、サトシとヒカリも研究所の中へと入っていく。


ピカチュウ「ピィカピカ!」


ポッチャマ「ポッチャポォォォチャ!」


 研究所へ入ると案の定、ピカチュウとポッチャマは再会の喜びを噛み締める。


ミミロル「...ミンミィ」


 物陰に隠れながら、ピカチュウを見つめるミミロル。ヒカリのミミロルであるが、ピカチュウとの出会いがきっかけでピカチュウに好意を抱いている。物陰に隠れているのは恥じらいから来ているものである。


ピカチュウ「ピカァ? ピィカァ!」


ミミロル「ミィ、ミンミィ!」


 ピカチュウ声を掛けられ、嬉しそうにピカチュウへと近づくミミロル。


ミジュマル「ミジュ、ミジュウ!」


 そんなミミロルを見て、自分に近づいていると勘違いをするミジュマル。


ミミロル「ミンミィ〜♪」


ピカチュウ「ピカカァ…」


 だがミミロルはミジュマルには目もくれず、ピカチュウのそばに寄って抱き付く。ピカチュウは少し照れくさそうにしながらも、ミミロルとの再会を喜んでいる様子である。


ミジュマル「ミジュ!? ミジュウ…」


 同時に、ミジュマルの儚い一目惚れの恋が終わった瞬間であった(笑)


シゲル「ピカチュウもやるねぇ。ヒカリのミミロル、ピカチュウのことが好きなんだね。」


ヒカリ「えぇ、シンオウを旅してた時もピカチュウにべったりだったことが多かったわ。」


 シゲルはピカチュウとミミロルの様子を見て、ミミロルがピカチュウに好意を抱いていることに直ぐに気が付く。傍から見ればここにいる面々は誰だって気づくであろう。ただ、「カップルは仲の良い友達」と認識している一名を除いて...


サトシ「ところでヒカリ。今晩どうするんだ?」


ヒカリ「あぁ、時間も忘れてポケモン達と遊んでたからすっかり日が暮れて来たわね。」


 研究所でポケモン達と遊んでいるうちに、既に夕方になっていた。ヒカリはその日のうちに変える予定だったので、現時点で寝泊まりする場所がない。野宿という手もあるが、さすがに女の子一人を外で寝泊まりさせるわけにもいかない。


サトシ「泊るところないんなら、今夜家に泊らないか?」


ヒカリ「サ、サトシの家に!?」


 サトシもさすがにそれはまずいと思ったのか、ヒカリに自分の家に泊まることを勧める。当然、サトシからの突然の提案に驚きを隠せないヒカリ。


ヒカリ(あ、あたしが、さ、サトシの家に!? と、ということは…)


 ヒカリにとっては、サトシの家に泊まるということは想い人と一つ屋根の下で一緒に暮らすことと同等である。そのことを考えて、胸の内から恥ずかしさがこみあげてくる。おまけに顔も少し赤みを帯びている。