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主人公惣受け物語~アニポケ・カントー編~

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第38話『降り積もり雪の罠』

前書き

バトルフィールドの天候が「あられ」の中、バトルに挑むこととなったサトシのミジュマルとアイリスのケーシィ。


果たして、この状況をどう乗り切っていくのだろうか…


※ 今回の話から、セリフ以外の技名は基本的に「‘ ’」で表現いたします。





ハンナ「さぁ、サトシ君、アイリスさん」


カトリーナ「私達の織り成す酷寒の世界をとくとごらんあれ」


 ポケモンの特性を活かし、いきなり自分たちの得意戦術にサトシとアイリスを巻き込んだハンナとカトリーナ。このことから、2人のバトルに賭ける本気度が伺える。


サトシ「うぅ、寒い。アイリス、大丈夫か?」


アイリス「えぇ、何とか。アタシ寒いのは苦手だけど、ミジュマルとケーシィの今の姿を見ていたら、寒いなんて寝言言っていられないわ」


 アイリスの言葉を受けてサトシがミジュマルとケーシィを見ると、寒い中でも真剣な眼差しで闘志を滾らせている。特に普段ボケキャラのイメージが強いミジュマルが、いつも以上に真剣な顔つきをしている。


サトシ「確かに、俺達も寒さに負けていられないな」


 ミジュマルとケーシィを見て、サトシも俄然やる気が出てきたようだ。


ハンナ「へぇ〜、並大抵のポケモンなら寒さに凍えて身動きがとれなくなるのに。あのミジュマルとケーシィ、2体とも進化前のポケモンとはいえ侮れないわね」


カトリーナ「えぇ、それに私達もより一層バトルに熱が入ります」


 ミジュマルとケーシィの今の姿は、ハンナとカトリーナの心境にも影響を与えたようだ。酷寒の中で行われる今回のバトル、寒さを忘れさせてしまうほどの展開が予想される。


ハンナ「それじゃあ、いくわよ! ユキノオー!」


カトリーナ「ユキカブリ!」


ハンナ・カトリーナ「「さらなる酷寒の世界へ、ふぶき!」」


ユキノオー「ユキノォォォォォォォォ!」


ユキカブリ「ユッキィィィィィ!」


 まず、先手をとったのはハンナ・カトリーナサイド。ユキノオーとユキカブリの‘ふぶき’で、ミジュマルとケーシィを攻撃する。‘ふぶき’は通常なら威力が高い反面命中率がやや劣る氷タイプトップクラスの特殊攻撃技であるが、天候が‘あられ’の時は、必中になる。


ミジュマル「ミジュミジュ…」


ケーシィ「ケーシィ!」


 ミジュマルがふぶきに身震いする中、ケーシィがテレポートでミジュマルの近くへ移動する。


アイリス「ケーシィ、まもる!」


ケーシィ「ケシィ、ケェェェェェ!」


 そしてケーシィは‘まもる’を発動し、ミジュマルとともに自らの身をふぶきから防いだ。


ユキノオー「ユキィィィィィィィィ!」


 だが、ミジュマルとケーシィの頭上には素早くユキノオーが移動していたのだ。


ハンナ「ユキノオー、パワフル・アタック! ウッド・ハンマーをお願い!」


ユキノオー「ユキィ、ユキノォォォォォォォォ!」


 ‘ウッドハンマー’でミジュマルとケーシィに襲い掛かるユキノオー。ケーシィには先ほどふぶきを防いだ‘まもる’があるが、この技は連続で使用すると失敗することがあるので、できるだけ連続での使用は避けたいところである。そこで、サトシとアイリスがミジュマルとケーシィに指示したことは…


サトシ「ミジュマル、みずてっぽうを地面に向かって放て!」


アイリス「ケーシィ、テレポートで回避よ!」


ミジュマル「ミジュ、ミジュウウウウウ!」


ケーシィ「ケェシィ!」


 ミジュマルは‘みずてっぽう’を地面に向かって放つことで上に移動、ケーシィはテレポートで瞬間移動することで、ユキノオーの‘ウッドハンマー’から逃れた。尚、ミジュマルが放った‘みずてっぽう’は一瞬にして氷の塊と化す。


ハンナ(みずてっぽうをあんな風に攻撃回避に使うとは、驚いたわ)


カトリーナ(あの、まもるとテレポートを持つケーシィも厄介な相手ですわ)


 ハンナとカトリーナはそう思った後、意思疎通のためにお互いに顔を合わせてアイ・コンタクトを取る。そして、ハンナはユキノオーに次の指示を与える。


ハンナ「ユキノオー、つるぎのまい!」


ユキノオー「ユキィ、ユキノォ!」


 ユキノオーは、‘つるぎのまい’で攻撃力を上げる。


ユキノオー「ユキィィィィィ!」


ガシャーーーーーン!


 ユキノオーは、その攻撃力をミジュマルとケーシィに見せつけるかのように、先ほどミジュマルの‘みずてっぽう’が凍って出来た氷の塊を自らの両腕で粉砕する。


カトリーナ「ユキカブリ、しろいきり!」


ユキカブリ「ユッキ、ユッキィ!」


 さらに、ユキカブリが‘しろいきり’を発動。これにより、あたり一面がより一層真っ白の光景に様変わりする。


ミジュマル「ミジュ!? ミジュミジュ!?」


サトシ「落ち着くんだ! ミジュマル!」


 ミジュマルはあたりを見回しても真っ白なこの状況に、慌てふためく。サトシが必死で宥めるも、主の声はミジュマルには届いていないようである。


ハンナ「今よ! ユキノオー、ウッドハンマー!」


ユキノオー「ユキノォォォォォ!」


ミジュマル「ミジュ!?」


 突然、ミジュマルの目の前に、ウッドハンマーで攻撃を仕掛けようとするユキノオーが現れる。2体の距離はわずか数メートル、今のミジュマルにはほぼ回避不可能である。


ケーシィ「ケシィ! ケーシ!」


ユキノオー「ユキィ! ユキィ? ユキユキィ、ユキノォ」


 ケーシィが間一髪でテレポートでミジュマルの背中に移動し、そのまま再びテレポートで瞬間移動する。ユキノオーのウッドハンマーは空振りに終わり、その場にいるのはあたり一面をきょろきょろするユキノオーの姿だけだった。


アイリス「つるぎのまいで攻撃力が上がったのに加えて、強力なウッドハンマー。喰らったらひとたまりもないわ」


サトシ「あぁ、おまけにこっちは相手の攻撃をかわすのに精いっぱいでかなり不利だ」


 ここまでユキノオーとユキカブリの‘あられ’戦術に圧倒されて、ダメージを与えるどころか攻撃を仕掛けることさえできていない。


サトシ「(そうだ!)アイリス」


アイリス「ん? 何、サト…OK分かったわ」


 サトシの問いかけに何かを察したのか、アイリスはそのままサトシに向けて頷く。どうやら、この状況を少しでも打開するアイデアが浮かんだようだ。


ユキカブリ「ユッキィ〜」


 ユキカブリはまた‘しろいきり’で、周り一体を白に染める。


ユキノオー「ユッキノォォォォォ!」


 そして、再びユキノオーがウッドハンマーの構えでミジュマルの目の前に現れる。


サトシ「今だ、ミジュマル! 地面にみずてっぽう」


ミジュマル「ミジュ! ミィィィジュウウウウウ!」


 ミジュマルは地面にみずてっぽうを放ち、ユキノオーの頭上へと移動。


サトシ「そのままユキノオーにハイドロポンプ!」


ミジュマル「ミジュミジュ! ミィィィジュマァァァァァ!」