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主人公惣受け物語~アニポケ・カントー編~

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第6話『トキワの森での災難』

前書き
 前回の後書きにて、アバウトな書き方をしましたが今回『お転婆人魚』と呼ばれるあの人が登場します。


ついでに、現在ポケモンドクターになるのを目指すあの人も…


例のごとく、おかしな点だらけですがよろしくお願いします。














 ヒカリがサトシの家に滞在、ハルカがタマムシシティでショッピングを楽しんでいたその頃、アニポケ初代ヒロインのこの人はというと…


カスミ「はぁ〜、なんでこの道を選んだのかしら…。あたしの馬鹿〜(泣)」


 トキワの森を目の前にして立往生をしていた。トキワの森はカント―有数の虫ポケモンの生息地である。だがカスミは大の虫ポケモン嫌いで、彼女にとっては何度も来たことはあるとはいえ、ここは地獄のようなところである。


カスミ「…やっぱり、無理だわ。近道しておつきみ山から回ってくるんじゃなかったわ…」


 カスミはある目的を一刻も果たすために近道をしてきたのだが、ここまで来てしまった以上後の祭りである。カスミが果たしたいある目的というのは敢えて言わないで(ry)


?「カスミ? こんなところでどうしたんだ?」


そんなカスミのもとへ、救世主とも呼べる人物が登場した。その人物とはかつてカスミ自身がサトシと同じように旅をしてきたタケシであった。


カスミ「タ、タケシ? ちょ、ちょうどよかったわ! 今からマサラタウンに行こうとしてたところなのよ。タケシに用事がなければの話だけど…」


 カスミはなんとかこの場を乗り切ろうと、タケシにわずかな望みを託した。


タケシ(はぁ、これはサトシのところへ行こうとしたのはいいが、トキワの森を抜けられなくて困っていたんだな。それで俺に助けを求めてきたというわけか…)


 勘のいいタケシはカスミの話の内容から、カスミの思惑をくみ取る。


タケシ「俺も一緒に行こう。今日は特に用事もないし、久しぶりにマサラタウンのみんなに顔見世しようかと思ってたところだしな」


カスミ「本当? 助かったわ」


タケシがカスミの要望を受け入れたことで、パァァと笑顔を見せるカスミ。この時、カスミはタケシが天使のような存在に見えたとか(笑)


カスミ「へぇ〜、タケシは今ポケモンドクターを目指して頑張ってるのね」


タケシ「あぁ、シンオウであるポケモンドクターの仕事ぶりを見て、ブリーダーを目指していた俺にとってピッタリの仕事だと思ったんだ。今はニビシティで勉強の毎日だが、なかなか簡単にうまくはいかなくてなぁ…」


カスミ「タケシならきっとなれるわ。タケシはポケモンのケアのことに関しては、あたし達よりもよく知ってるもの」


タケシ「そう言ってくれると励みになるよ。カスミ」


カスミ「どういたしまして」


 タケシがポケモンドクターを目指している話題に触れながら、カスミはタケシとともにトキワの森を進んでいく。このまま順調に抜け出せると思ったその矢先、


スピアー「スピィ!」


タケシ・カスミ「「!?」」


 突然現れた無数のスピアーに囲まれた。どうやら会話に夢中になるあまり、スピアーの縄張りの中に入ってしまったようだ。


カスミ「もう、嫌! なんでこうなるのよ〜(泣)」


タケシ「泣いてる暇はないぞ! ダッシュでこの森を抜けるんだ!」


 ポケモンバトルという選択肢もあるが、タケシはグレッグルにカスミはサニーゴと1体ずつ、対するスピアーは数えきれないほど無数におり、数的に不利な状況だ。タケシとカスミはこれでもかと思うくらい猛スピードでトキワの森の中を駆けていく。その甲斐あって、なんとかスピアーの縄張り及びトキワの森を抜けることができた。


タケシ「ハァハァ…、何とか切り抜けたな…」


カスミ「あたし、何年分かくらい寿命が縮まった気がする…」


 タケシとカスミは現在、トキワシティを目前にして息を整えている最中である。急に走って森を抜けたのだから、息を切らすのも無理はない。2人は息を整えた後、ポケモンセンターで手持ちのポケモンを追加することにした。


ジョーイ「あら? タケシ君にカスミさん? 遠路はるばるご苦労だったわね」


カスミ「お久しぶりです、ジョーイさん」


 トキワシティには何度も行き来している為、この街のジョーイとは顔馴染みになっているタケシとカスミ。


ジョーイ「それよりも随分と汗だくね。何かあった?」


カスミ「えぇ、ちょっとここまで来るのにいろいろとありまして…。アハハ…」


ジョーイ「?」


 カスミの疲れ切った顔を見てここまでの経緯を聞き出すジョーイに、カスミはただ苦笑いを浮かべながらごまかすしかできなかった。ここまでタケシが会話に入ってはいないが、タケシの性格をご存じの読者ならこの後の展開は大いに予想できるであろう。


タケシ「いえ、自分はあなたの美しさを見て今までの疲れは一気になくなりました。目標に向けて旅立つトレーナーを癒すあなたのその姿、まさに天使そのものです!」


ジョーイ「は、はぁ…」


 このように年上の美女を見つけては声をかけるいわゆるナンパをするのがタケシの性格。各地にいるジョーイやジュンサーも例外ではない。突然のタケシのナンパ行為に、困惑の表情を浮かべるジョーイ。以前も度々受けていたのだが、未だ慣れていない様子である。


カスミ「はぁ〜、また始まった…」


 そんなタケシを見て、呆れて物も言えないカスミ。一緒に旅をしてきた中で何度も目の当たりにした光景ではあるが、カスミもまたタケシのこの行動には慣れないようである。いつものように、ジョーイからタケシを引き離そうと近づくのだが、


ポォォォォォン!


グレッグル「ケッ!」


カスミ「? なんで、グレッグルが?」


 突然タケシのボールホルダーから出てきたグレッグルに、ただクエスチョンマークのカスミ。次の瞬間、出てきたグレッグルはどくづきの構えに入り、そして、


ブシュウ!


タケシ「うぅ!? し・び・れ・び・れ…」


 タケシにどくづきを喰らわせた。グレッグルからどくづきを喰らったタケシはグッタリしながらその場にへたり込む。


グレッグル「ンー! ンー!」


 グレッグルは唸りながら、倒れているタケシをどこかへ連れて行った。


カスミ・ジョーイ「「……」」


 カスミとジョーイは状況の把握ができずにただ呆然としている。その後、何とか復活したタケシとともにカスミは手持ちのポケモンを追加し、再び目的地へと向かうことにした。


ジョーイ「それじゃあ、サトシ君によろしくね。特にカスミさん」


カスミ「!?」


 ポケモンセンターを後にする間際、ジョーイにそう声をかけられ思わずビクつくカスミ。目的の人物の名前がでて、カスミは思わず顔も赤くさせる。


タケシ(ハハハ、カスミの奴も随分とわかりやすい反応だな…)


 タケシはカスミのわかりやすい反応を見て、ただ苦笑いを浮かべる。こうして、タケシとカスミもマサラタウンへと歩みを進めるのだった。


続く