主人公惣受け物語~アニポケ・カントー編~
サトシ「同じ手には乗らないぜ! ドンファン、ロックカット!」
ドンファン「ドン! ドンファ!」
対するドンファンは、ロックカットで自らの能力を高める。そして、自らの身体を丸めさせて‘ころがる’攻撃を仕掛ける。
エルレイド「エルゥ!」
だが、これはエルレイドのアクロバティックな動きであっさりかわされる。ただ、ドンファンの目的は‘ころがる’で攻撃することではなく、
サトシ「ドンファン、身体を元に戻してじしん!」
ドンファン「ドン! ドンファア!」
ドンファンは‘ころがる’の状態から体勢を切り替えて、‘じしん’を繰り出す。エルレイドは着地した時点で‘じしん’の攻撃を受け、身体を思わずよろけさせる。
※ ‘ころがる’は攻撃が外れるまで続く技ですが、この話の便宜上状況に応じて他の動作に切り替えられるということでいきます。
サトシ「ドンファン、そこからエルレイドにころがるだ!」
ドンファン「ドンファ! ドンファ! ドォンファァァァァ!」
‘じしん’の直後、ドンファンはまた‘ころがる’攻撃を仕掛ける。先程‘ロックカット’を使ったおかげで、技を出すスピードが向上している。
エルレイド「エルゥ!」
エルレイドはそのまま‘ころがる’の直撃を受けて、空中に跳ね上げられる。僅かながらも、エルレイドのアクロバティックな動きを封じさせてダメージを与えることに成功した格好だ。ドンファンは進行方向を変えて、エルレイドにさらなるダメージを与えようと試みる。
バジーリオ(僕のポケモン達のアクロバット・プレイをこんな形で破るとは、大したものだね。だけど、まだまだこんなものじゃないよ!)
バジーリオは自らのバトルスタイルが崩されても尚、エルレイドに次の指示を与える。
バジーリオ「エルレイド! 空中でビルドアップ!」
エルレイド「エルゥ! エルルゥゥゥゥゥ」
‘ビルドアップ’で三度、気を高めるエルレイド。
バジーリオ「今だよ、エルレイド! こちらに向かっているドンファンに必殺・インファイト!」
エルレイド「エェェェルレェェェェェイド!」
エルレイドは空中で‘インファイト’を発動。‘インファイト’は高い威力を誇る反面、使用直後は防御と特殊防御の能力が下がる技である。エルレイドが三度にわたって‘ビルドアップ’を使ったのは、‘インファイト’使用による防御力低下のリスクを軽減させるためでもあったと推測される。
ドンファン「ドンファアアアアア!」
サトシ「ドンファン!」
エルレイドの真下を通過しようとしたところで、ドンファンは体勢を切り替える間もなく‘インファイト’の攻撃を受ける。‘ビルドアップ’で上がったエルレイドの攻撃力を物語るように、ドンファンの身体は地面にめり込んでしまう。
ドンファン「ドンファ…」
アリア「ドンファン、戦闘不能! エルレイドの勝ち!」
バジーリオのポケモンによる『アクロバティック・タクティクス』を攻略したと思った矢先に、ドンファンが先に倒されてしまった。
デント「‘ビルドアップ’で効率的に能力を高めた後、‘インファイト’で一気に決める。さらにアクロバティックかつ俊敏な動きを見せている。サトシ、かなり苦戦を強いられているね…」
ドリス「これがバシーリオお得意のタクティクスよ。ポケモンの動きは一見無駄な動きに見えるけど、着実に相手に攻撃するチャンスを伺う。抜け目ない戦術だわ」
ドリス曰く『抜け目ない戦術』と評されるバジーリオのバトルスタイル。サトシはこれをどう攻略し、巻き返していくのだろうか。
続く
後書き
ここでネタバレ情報
一応、三対三のシングル形式で進めているこのポケモンバトルですが、決着はつきません。
その真相は次回の終盤にて…
作品名:主人公惣受け物語~アニポケ・カントー編~ 作家名:天の河