主人公惣受け物語~アニポケ・カントー編~
物体を浴びたポッチャマは急に顔色を悪くして、さらに息も絶え絶えになる。
ベル「今のって、どくどく?」
リュウカ「恐らくそうでしょうね」
アイリス「まずいわ。早いところ決着をつけないと、ポッチャマの体力が持たないわ」
押せ押せムードでママンボウにダメージを与えたポッチャマであるが、‘どくどく’で猛毒状態にされて不利な立場に立たされる。一方、水中のカスミとミロカロスはというと、
ミロカロス「ミ、ミロォ」
ママンボウ「ママァ」
水中へ移動した直後に猛突進してきたママンボウを何とか迎え撃っていたところである。ちなみにカスミは持ち前の水泳技術を駆使しながら、ミロカロスから自らの姿が見えるように移動している。その理由はというと、
カスミ(ミロカロス、アクアテールでママンボウを跳ね上げて!)
カスミはミロカロスに身振り手振りのジェスチャーで、ミロカロスに‘アクアテール’を指示する。実はこのジェスチャーは水中戦において重要なものなのだが、そのことに関しては後程触れる。
ミロカロス「ミィ、ミロォォォォォン!」
ママンボウ「ママッ!?」
ミロカロスは素早く尻尾を下から上へと振り上げて、ママンボウを攻撃。攻撃を受けたママンボウは、海面へと向かって跳ね上げられる。
カスミ(ママンボウを追って! 次は、ハイドロポンプ!)
ミロカロス「ミィロ! ミィロォ!」
跳ね上げたママンボウを追って、海上へと急浮上するミロカロス。それに続いてカスミも息継ぎと状況確認のために海上へと浮上する。
バシャア!
ミロカロス「ミィィィロォォォォォ!」
ミロカロスの口から‘ハイドロポンプ’が発射される。
ママンボウ「ママァン!」
だが、この攻撃はママンボウの‘まもる’で防がれる。
カスミ「あのママンボウ、まもるを覚えていたのね…」
ヒカリ「ポッチャマは猛毒状態にされているし、おまけにさっき‘ひかりのかべ’も使われたわ」
アイリス「ヒカリ! モモンの実よ!」
ヒカリ「! ありがとう、アイリス!」
ポッチャマが猛毒状態のところを、アイリスが機転を利かせてモモンの実をヒカリに投げ渡す。モモンの実を受け取ったヒカリはそれをそのままポッチャマに食べさせて、状態以上を回復させた。
カスミ「ヒカリ、今からあたしが水中でのバトル方法を教えてあげる。ヒカリとポッチャマの絆の強さなら今からでも出来るものよ」
ヒカリ「便利なバトル方法?」
今度はママンボウが2体とも水中へ身を潜めた為、同じようにカスミとヒカリもミロカロスとポッチャマとともに潜水する。ヒカリはカスミの言う『水中で便利なバトル方法』に疑問符を浮かべるも、そのまま潜水する。
ヒカリ(カスミ、一体どんなバトルを見せようというの…)
ポッチャマ「ポチャ…」
ヒカリとポッチャマがそう思う中、カスミはミロカロスに近づいて先程のように身振り手振りのジェスチャーで指示を与える。
カスミ(さぁ、行って!)
ミロカロス「ミロォ! ミィィィィィロォォォォォ!」
カスミから指示を受けたミロカロスは、次々と‘たつまき’を発生させる。生み出された‘たつまき’はあっという間に2体のママンボウを取り囲み、視界と行く手を狭める。
ママンボウ「「ママァ…」」
‘たつまき’が止んだ頃には、ママンボウ2体とも目を回して相手に攻撃を与えることはおろか、動くことすら困難になっている。
ヒカリ(す、すごい…。2体相手に効率的にダメージを与えているわ。これが、カスミの言う水中でのバトルなの?)
ポッチャマ「ポッ、ポチャア…」
たった今繰り広げられたミロカロスの華麗な攻撃に、驚きのあまり呆然とするヒカリとポッチャマ。
ミロカロス「ミロォ〜!」
カスミ(ミロカロス、ママンボウの真下からハイドロポンプ!)
ミロカロス「ミィィィィィロォォォォォ!」
ママンボウ「「ママァァァンボ!」」
さらにミロカロスはママンボウの真下に位置取り、‘ハイドロポンプ’を発射。‘ハイドロポンプ’はママンボウを海上へと跳ね上げる。
カスミ(…ヒカリ、今よ!)
ヒカリ(ん? あっ、ママンボウのゲットのチャンスね)
あまりの驚きに呆然としていたヒカリだが、カスミによって我に返り、カスミ、ポッチャマ、ミロカロスとともに海上へと浮上する。そして…
カスミ・ヒカリ「「行くわよ! モンスターボール!」」
海面へ姿を現したと同時にママンボウ目がけてモンスターボールを投げる。2体のママンボウはそれぞれのボールの中へと吸い込まれていき、海面でしばらく振動した後に制止する。
カスミ「まずは一体目。この調子でポケモンゲットしていくわよ!」
ヒカリ「えぇ!」
ポッチャマ「ポチャ!」
ミロカロス「ミロォ!」
ママンボウの入ったボールを手にして、カスミとヒカリは祝福のハイタッチを行った。男性陣に負けず劣らず女性陣も幸先の良いスタートを切ることに成功。彼女達はここからどんなポケモンをゲットしていくのだろうか…
続く
後書き
最後のシーンが無理やりだったのは気のせいだろうか。そのせいでヒカリとポッチャマが空気になった感も…
次回は、ママンボウゲット直後からです。
作品名:主人公惣受け物語~アニポケ・カントー編~ 作家名:天の河