主人公惣受け物語~アニポケ・ジョウト編~
第22話『マリナとノゾミ、期待の超新星(ニューカマー)』
前書き
期待とプレッシャーが入り混じる中始まった、マリナとノゾミのコンテストバトル!
持てる力を全て、出し切れ!
マリナ(まさかノゾミとコンテストバトルで対決することになるとはね…)
ノゾミ(これも運命の悪戯ってやつだね…)
これからコンテストバトルを始める当の二人も、自分達が対戦することになったことに対して少々驚いていた。ただ、この運命的な巡り合わせを楽しんでいるようにも見える。
マリナ(これも何かの縁と考えて…)
ノゾミ(せっかく与えられた機会なんだから…)
マリナ・ノゾミ((全力で力を出し切るのみ!))
マリナとノゾミ、二人とも現時点で持てる力を全てこのコンテストバトルに注ぎ込むことを誓う。この対戦がもし仮にトーナメント方式であった場合、日本人同士の潰し合いといった感じになったであろう。だが、今回はエキシビション。勝ち上がるプレッシャーがない分、楽な気持ちで臨むことが出来る。尚、現在二人とも、青を基調とした涼しげなファッションで二次審査に臨んでいる。
マリナ「go, here! オーダイルのワニワニ、元気に登場よ!」
ノゾミ「思いっきり出し切っておいで! ニャルマー、Ready go!」
シュッ! ポォォォォォン!
ワニワニ「オォォォダァァァイル!」
ニャルマー「ニャアルル!」
一次審査からポケモンを変えて、マリナはオーダイル(通称:ワニワニ)、ノゾミはニャルマーをこの二次審査に送り出す。二体ともそれぞれの主のパートナーポケモンであり、持てる力を出し切るこの対戦においてはうってつけのポケモンである。
ビビアン「It’s show time! それでは、二次審査最終戦、スタートです!」
こうして、マリナとノゾミによる二次審査第四戦の火ぶたが切られる。
ノゾミ「ニャルマー、ねこだまし!」
ニャルマー「ニャアルゥ! ニャル!」
パンッ!
ワニワニ「ダァイ!?」
まず、先手を取ったのはノゾミのニャルマー。‘ねこだまし’を使い、オーダイルに最初の一撃を喰らわせる。‘ねこだまし’を喰らったオーダイルは、一瞬怯んでしまう。ちなみに、ノゾミのニャルマーによる‘ねこだまし’はコンテスト界の中でも指折りの命中率とのことである。
ノゾミ「最初はスピードが肝心! ニャルマー、アイアンテール!」
ニャルマー「ニャルゥ! ニャアァァァルゥ!」
すかさずニャルマーは、‘アイアンテール’を繰り出し、相手のポイントをさらに減らしにかかる。
マリナ「そうは問屋が卸さないわ! ワニワニ、みずのはどうよ!」
ワニワニ「オォダ! ダァァァイル!」
瞬時に我に返ったワニワニは、‘アイアンテール’で襲い掛かるニャルマーに向けて‘みずのはどう’を発射する。
ニャルマー「ニャアルゥ!?」
そのままニャルマーは‘みずのはどう’を喰らい、進行方向とは逆の方向へと押し戻される。その間、大量の水しぶきが美しく舞い散る。
ニャルマー「ニャル! ニャアルルゥ!」
ニャルマーはすぐに体勢を立て直し、自らの身体に着いた水滴を振るい落とす。コンテストバトル第四戦の最初のターンは、お互い無難にポイントを削った。
ヒュンッ!
オーダイル「ダァイル!」
マリナ「その調子で、接近戦に持ち込むわよ! ワニワニ、かみくだく!」
オーダイル「ダァイ! ダァァァァァイル!」
一息いれる間もなく、オーダイルはニャルマーに急接近し、‘かみくだく’での攻撃を試みる。マリナのワニワニ、体格の大きさからは想像もできないくらい軽やかな動きである。
ノゾミ「ニャルマー、上に跳んでかわすんだ!」
ニャルマー「ニャアルゥ!」
だが、このワニワニの攻撃はニャルマーが尻尾を使って上にジャンプしたことであっさりかわされる。
ノゾミ「そこから、シャドークロー!」
ニャルマー「ニャアルル! ニャアルルルゥゥゥゥゥ!」
すかさずニャルマーは、猫ポケモンが持つ独特のしなやか且つ巧みな身のこなしで、さらには‘シャドークロー’を繰り出してワニワニに攻撃を仕掛ける。ニャルマーのしなやかさには、何か艶やかな雰囲気も漂わせる。
オーダイル「ディアァ!?」
オーダイルは、そのままダメージを受ける。ただ、何とか耐え凌いだようだ。
マリナ「それなら、これはどうかしら? ワニワニ、なみのり!」
ワニワニ「オォダァ! オォォォダァァァァァ!」
マリナとノゾミ、どちらにも手を休めるひと時は訪れない。今度は、大きな波に乗ってニャルマーに接近を試みるワニワニ。
ノゾミ「(狙うなら、今がチャンス!)ニャルマー、でんげきは!」
ニャルマー「ニャルゥ! ニャアルゥゥゥゥゥ!」
‘なみのり’を繰り出したワニワニを見て、攻撃の隙を見出した様子のノゾミ。ニャルマーに‘でんげきは’を指示し、ニャルマーは指示されたとおりに‘でんげきは’を繰り出す。技を出すニャルマーの艶やかさも加わったことで妖しく光り輝く電撃が、‘なみのり’でニャルマーに接近中のワニワニに直撃する。
ワニワニ「……オォダァァァァァ!」
ノゾミ「き、効いていない!? 電気タイプには弱いはずなのに」
マリナ「わたしのワニワニは数々のバトルを経験していくうちに、いつの間にか電気タイプの技に対する耐性が付いちゃったみたいなの。これを知った時はわたし自身もびっくりしたわ」
‘でんげきは’を受けても、何ともない様子のワニワニ。マリナ曰く、バトルの経験を積み重ねていくうちに電気タイプに対する耐性が身に付いたとのこと。通常なら相性が悪いタイプなのだが、ごく稀にその相性の悪いタイプに対して極端に強い耐性を持つポケモンが存在する。ケンタのバクフーンが水タイプに強い耐性を持っているというのが良い例だろう。
オォォォォォ!
マリナ「さぁ、一気に決めていくわよ! ワニワニ、アクアテール!」
ワニワニ「オォォォォォダァァァァァァァ!」
ある程度距離を詰めたところで、‘アクアテール’でニャルマーに攻撃を仕掛けるワニワニ。電気技を受けた影響でワニワニの身体は多少電気が帯びており、その電気の光とワニワニの周りに飛び散る水しぶきが共演して、眩しくも煌びやかなアートを演出している。
ノゾミ「!? ニャルマー、アイアンテール!」
ニャルマー「ニャアルルゥ!」
ガシィィィィィン!
ワニワニの電気耐性に一瞬躊躇したノゾミであったが、咄嗟に‘アイアンテール’をニャルマーに指示して何とかこの場を切り抜けた。その後も一進一退の手に汗握る攻防が続き、マリナとノゾミともに持ちポイントを減らしていく。
ワニワニ「オォォォダァイル」
ニャルマー「…ニャアルゥ」
お互いに距離を取って、次の相手の出方を伺うワニワニとニャルマー。時間的にも恐らく、これが最後のターンになりそうだ。
マリナ「ワニワニ、ハイドロポンプ!」
ノゾミ「ニャルマー、かみなり!」
作品名:主人公惣受け物語~アニポケ・ジョウト編~ 作家名:天の河