主人公惣受け物語~アニポケ・ジョウト編~
第31話『アサギシティに大集合!』
前書き
アサギシティに到着したサトシ達。
ここから、様々な出会いが彼らを待ち受ける…
エンジュシティを出て、その足でアサギシティへと到着したサトシ達。
ヒカリ「さすが、ジョウト随一の港町ね。海風が気持ちいいわ〜」
デント「なかなか、心地良いテイストだね。セキチクに来た時とはまた違った雰囲気だよ」
コトネ「西のアサギ、東のクチバ。日本が誇る二大港町ってことね♪」
サトシ達は海風に当たり、アサギシティに足を踏み入れた感触を噛みしめる。アサギシティは日々多種多様な船舶が行き来する国際港湾都市であり、サトシ達の現在地からも船の汽笛が聞こえる。デントに至っては、すっかりテイスティング・モードに入っており、新たに‘ハーバー・ソムリエ’の称号を得たようだ。
デント「汽笛の音も、実にノスタルジックなテイストを醸し出しているね〜♪」
マリナ「ひょっとして、タンバシティ行きの定期船かしら?」
???「あれは、アルトマーレ行きの船だよ」
マリナの一言に答える声が聞こえたので、サトシ達は一斉に声のする方へと顔を向ける。そこには、ガッチリしたいかにも体育会系の体つきをした船乗りがいた。
マリナ「アルトマーレって、ヒワダタウン南の海に浮かぶ‘水の都’ですよね?」
船乗り「そうだよ。今日から、週三回このアサギ港を往復することになったんだ。今、船が止まる付近では記念イベントが開催されていて、大盛況だよ」
ヒカリ「へぇ〜、ますますこの街が賑わってきますね」
船乗り「そうなんだ。だから、俺達船乗りとしても冥利に尽きるってところかな」
船乗りによれば、本日よりアサギシティとアルトマーレの間を行き来する定期船が就航したとのことである。アサギ港では定期船の就航を記念してイベントが開催されており、サトシ達に話しかけた船乗りは張り切っていた。その後、船乗りはサトシ達に一声かけて、アサギ港へと向かっていった。
サトシ「アルトマーレかぁ。久しぶりに聞くなぁ」
カスミ「そういえば、カノンどうしているかしら?」
ハルカ「サトシとカスミ、アルトマーレに行ったことがあるのね。それと、カノンって誰?」
船乗りからアルトマーレ行きの定期船について聞いた後、以前行ったことのあるアルトマーレを懐かしむサトシとカスミ。ハルカにアルトマーレとカノンについて聞かれたので、サトシとカスミは皆に、カノンのこともひっくるめてアルトマーレで体験してきたこと、遭遇したことを話す。
ハルカ「‘水の都’と言われる場所に、カスミが行かないわけがないよね」
コトネ「アルトマーレの水上レースは毎年夏に開催される催しよ。カスミン達は丁度良い時期にアルトマーレに行ったってことね」
カスミ「えぇ。水上レースはとても楽しかったし、優勝することも出来たしね」
ベル「うわぁ、カスミちゃん凄いわ。初めての出場なのに優勝しちゃうなんて」
カスミがアルトマーレで獲得した水上レースの優勝メダルを見せると、皆一様に驚いた表情をする。そして、話はその優勝メダルにも描かれているラティオスとラティアス(特にラティアス)のことに移る。
アイリス「しかし、サトシのことが大好きなラティアスがいるなんてね。サトシ、どれくらいポケモンに好かれたら気が済むのよ」
ヒカリ「気持ちは分からなくもないけれど…」
サトシ「そうか? 俺は至極普通なことのように思えるけど」
ケンタ「俺も、トレーナーがポケモンに好かれることは普通のことだと思うけどな」
マリナ「け、ケンタまで…」
サトシに対するポケモン達の印象はさておき、サトシ達はしばらくアルトマーレの話題で盛り上がっていた。とはいえ、まだ暑さが残る屋外で話し込んでいて大丈夫なのだろうか…
サトシ(そういえば、ラティアスとラティアスの‘ゆめうつし’も凄かったな。そうそう、こんなふうに下を見ればみんなが見渡せるし…ん?)
ピカチュウ「ピ、ピカァ?」
サトシがラティオスとラティアスの‘ゆめうつし’について考えていると、何故か仲間達を上から見渡すような感じになっていた。サトシの肩に乗っているピカチュウも首を傾げて、サトシの異変に気付いた仲間達も同じように首を傾げている。
サトシ「なぁ。みんな、なんで俺を見上げているんだ?」
ヒカリ「えっ、それならサトシはなんで…」
ケンタ「浮いているんだ?」
サトシ「えっ?」
そう、サトシは現在地上から足が離れて空中に浮いている格好となっている。そう、サトシは空中浮遊をしているのだ。
サトシ「そっかぁ、俺って空中に浮いているんだ」
ピカチュウ「ピカァ!」
全員「「「「「「「「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」」」」」」」」」
ピカチュウ「ピカァ!?」
ポッチャマ「ポチャポチャ!?」
バクフーン「バクゥバァ!?」
しばらく沈黙が流れた後、目の前の怪奇現象に対して驚きの声をあげる面々。その声は街じゅうに響き渡り、通行人は一斉にサトシ達の方に目を向ける
通行人A「おい、あそこで少年が浮いているぞ!」
通行人B「一体、どうなっているの!?」
通行人C「あぁ、ありがたやありがたや〜」
徐々に野次馬が集まってきて、サトシ達を取り囲む。中には空中浮遊しているサトシを神様と勘違いして拝んでいる者もいたが、サトシ達にはそんなことはどうでも良いことだ。大事なのは、突如サトシが空中に浮遊したことである。
サトシ「うわぁぁぁぁぁ!」
ピカチュウ「ピィィィカァァァァァ!」
ケンタ「サ、サトシ!?」
マリナ「大変だわ! 早く追いかけなきゃ!」
何かに縛り付けられるような格好で身動きが取れなくなり、さらに空の彼方へと飛ばされてしまったサトシ。仲間達は空しく叫び声を響かせ、集まった野次馬の群集を掻き分けながら、サトシを追いかけていく。一体、サトシの身に何が起きたというのか…
続く
後書き
この手のハプニング、執筆がムズイ…
作品名:主人公惣受け物語~アニポケ・ジョウト編~ 作家名:天の河