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主人公惣受け物語~アニポケ・ジョウト編~

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第43話『惨禍の後始末』

前書き

タイトルを大げさに書いていますが、災害の被害に遭った集落の復興を手伝うただそれだけです。


しかし、サトシ達の中で誰かが危険な目に!?






 夜が明けて、長時間にわたって降り続いた大雨は過ぎ去った。サトシ達は昨夜一晩中外から一歩も出ることなく、屋内で過ごした。大雨は過ぎ去ったものの、その大雨を降らせた雲は晴れることなく、上空を覆っている。


トントン!


ルカ「はい、どうぞ」


 そのようなぐずついた天候の中、ルカの小屋のもとへ来客が現れる。玄関の扉をノックする音にルカが返事をした後、開いた扉の先には黄岩島のジョーイと昨日ルカの小屋に戻れなかったフルーラ、カノン、カノンの双子の妹としてカノンと瓜二つの姿になっているラティアスの姿があった。


ジョーイ「このコ達がここの場所を示してくれたので、連れてきました」


フルーラ「サトシ!」


カノン「サトシ君!」


サトシ「うぉわぁ!?」


 ルカの小屋に到着後に想い人の姿を確認して安心したのか、フルーラ、カノン、ラティアスは勢いに任せてサトシに抱き着く。三人の勢いに押されてサトシはその場で倒れそうになるが、何とか持ちこたえる。


フルーラ「昨日小屋に帰ることが出来なくて、心細かったの」


カノン「サトシ君達も大事に至らなくて安心したわ」


サトシ「そうかそうか。それは大変だったな、俺達もフルーラとカノンが無事かどうか心配だったんだ。でも、二人の元気な姿を見て安心したぜ」


フルーラ・カノン「サトシ(君)//////」


 サトシに自分達の元気な姿を見て安心したと言われ、思わず顔を赤くさせるフルーラとカノン。しかし、世界でも稀な鈍感男子(笑)のサトシに、彼女達の淡い恋心など理解できることなどなかった。尚、今のサトシは左腕にフルーラ、右腕にカノンが抱き着いており、正面ではラティアスが顔を埋めている構図になっている。


ヒカリ「なぜかしら? 何だか心配して損した気分になっているんですけど…」


アイリス「奇遇ね、ヒカリ。アタシもそう思っていたわ」


ベル「うぅ、三人とも何だか羨ましいわ〜(泣)」


 この両手さらには正面に華状態のサトシを見て、同じくサトシに想いを寄せる少女たちはフルーラ、カノン、ラティアス(人型)に対して、眺望と嫉妬の眼差しを向けている。


ジョーイ「何だか場違いな気がするのでそろそろ戻らせていただきます…」


ルカ「あっ、後程ポケモンセンターの方にお伺いします…」


 この一連の流れで空気と化してしまったジョーイ。自分はこの場にいるべきでないと判断し、ポケモンセンターへと戻って行った。


デント「何だかすみません、気を遣わせてしまって。でも、あの光景はどうしても止められるようなテイストではないような気がして…」


ルカ「デント君も苦労しているのね。最もあのコ達の思いに気づいていないサトシ君も厄介だけど…」


ケンタ「俺達ならともかく、ルカさんやジョーイさんにまで余計な気を遣わせるなよ。まぁ、サトシもサトシなんだが(汗)」


 デントはジョーイとルカに対して申し訳なく思ったのか、ルカに謝る。ジョーイとルカに余計な気を遣わせたサトシLOVEズと異常なまでに鈍感なサトシに対して、呆れの言葉を投げ掛ける。まぁ、本作品においてはケンタもサトシのことをとやかく言える筋合いはないのだが、恋愛がどのようなものなのかはある程度理解しているので少なくともサトシよりはマシな方である。


デント「とりあえず、僕達だけでもポケモンセンターに向かう準備をしておこうか」


ケンタ「だな」


 賢明な判断である。修羅場らしきものは発生したものの、サトシ達は黄岩島のポケモンセンターへと向かうこととなった。その道中、倒壊した多くの家屋、瓦礫と化した流木、再び雨が降らないうちに復旧作業を進める島民達と、昨晩の大雨の爪痕が多々見られた。


カノン「想像以上だわ…」


ルカ「昨晩の大雨で負傷した島民も何人かいるのだけど、奇跡的に亡くなった人はいなかったとのことよ」


 災害の爪痕を目の当たりにし、驚愕の表情を浮かべるサトシ達。そんな中、淡々とルカは被災状況について説明する。尚、被災状況については先ほど小屋に訪問したジョーイからの提供である。しばらく歩くと、サトシ達はポケモンセンターへと到着する。ポケモンセンター内部もまた浸水被害に遭ったのか、役割が果たせない程荒れている。


ジョーイ「ご覧のとおり、ポケモンを預けることが出来ない状態になっております。大変申し訳ないのですが、復旧作業にご協力をお願いできますか?」


サトシ「お安い御用ですよ」


ヒカリ「ポケモンセンターが動かなかったら、あたし達困りますしね」


ルカ「私も渦巻き列島にお世話になっている身としてお手伝いします」


 ジョーイの要請により、サトシ達はポケモンセンター及び黄岩島の復旧作業を手伝うこととなる。ルカも島の現状を目の当たりにして研究どころではないと判断し、本日一日中復旧作業へと労を費やすことにした。


ケンタ「サトシ、俺はこっちを持つからそっちを頼む」


サトシ「あぁ、任せとけ」


 ポケモンセンター内に散乱した資材等を所定の位置へと運搬するサトシとケンタ。二人のみならず他の仲間達も各人それぞれの作業を黙々と進める。もちろん、彼らのポケモン達も復旧作業に全力を注いでおり、


ピカチュウ「ピカピカァ!」


ポッチャマ「ポチャポチャポチャチャ!」


 ピカチュウとポッチャマが作業に取り組む傍ら、ポケモン達のまとめ役を買って出ている。この二体はサトシがシンオウ地方を旅をしていた頃に、幾多もの場面でリーダーシップをいかんなく発揮しており、その経験からなのか今回に関しても見事な手さばきといえる。ぐずついた天候ではあるものの、サトシ達の尽力もあって復旧作業は順調に進んでいる。だが、そんな中で事件は起きたのである。それは、ヒカリとマリナがポケモンセンター周辺で集めたごみをポリ袋に詰めて、ごみの一時的な収集場所になっている海岸近くまで運搬をしていた時であった。


マリナ「大方片付いたわね」


ヒカリ「協力してやったおかげね。でも少し疲れたかも…」


マリナ「うん、これならポケモン達にも手伝ってもらえばよかったわね。さすがに女の子二人じゃ無理があったわ」


 二人は収集場所にごみを運搬し終えてサトシ達のところへ戻るところである。当初二人は違う作業をしていたのだが、ごみの運搬に人手が足りないということで率先して引き受けた。ポケモン達の手を借りずに二人で事を進めたことに後悔の念があったが、同時にやる事を成し遂げた達成感に満ち溢れていた。


ヒカリ「んん〜、それに何だか眠くなってきたわ…」


マリナ「私も、なんだか…zzz」


 突然眠気に誘われたヒカリとマリナは、人目のつかない森林で倒れてそのまま眠りに就いてしまう。そんな彼女達のもとへある一匹のポケモンが現れる。


スリーパー「…」