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主人公惣受け物語~アニポケ・ジョウト編~

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第60話『意外な面子』

前書き

コンテストに出る者、サファリゾーンに行く者、はたまたバトルのトレーニングをする者、それぞれに果たすべく目標がある。








「この辺りがよさそうだな」


「あぁ、さっそくバトルしようぜ。ピカチュウもうずうずしているしな」


「ピカピィカ」


「バグフーンもバトルモードだ。さっそく手合せ頼むぜ」


「バグバァ」


 しばらくバトルらしいバトルがなかったせいか、ピカチュウとバグフーンは本格的なポケモンバトルがしたくてうずうずしていた。今この状態の2体が対決すれば、トレーニングどころかバトル大会の名勝負のようなものになってしまいそうだ。


「ん? あれは」


 今いる場所でトレーニングを始めようとして、サトシは見覚えのある人影を見つける。


「おーい、ケンゴ! ジュン! コウヘイ! ウララ!」


 サトシが見つけた人物は、いずれもシンオウ出身であるケンゴ、ジュン、コウヘイ、ウララであった。サトシに声を聞き、4人もサトシとケンタの姿に気が付く。


「お、サトシじゃん」


「フフフ、君も来ていたようですね」


「サトシも来ていたんだ」


「お久しぶりですわね、サトシさん」


 ジュン、コウヘイ、ケンゴ、ウララの順にそれぞれサトシに声をかける。突然のサトシの登場に驚きで少々目を見開いている。


「サトシ、今回は2人旅なのか? えっと…」


「俺はケンタ。縁あってサトシ達とは一緒に旅をしているんだ」


「達ってことは、ほかにもサトシさんと旅をともにしている方がいらっしゃって?」


「あぁ、カスミ、ハルカ、ヒカリ、アイリス、ベル、コトネ、マリナ、デントとも一緒に旅をしているんだ」


「随分と大所帯で旅をしているのですね」


「まあな。人数多いだけあって楽しいし、バトルやコンテストの特訓にも不自由はないぜ」


「まぁ、それほどの大人数でなら数もこなせそうですからね」


 サトシが大勢の仲間と現在旅をしていることを聞いて、4人は少々驚いている。まぁ、シンオウではサトシは3人旅であったのが、今は10人旅とどこかの団体旅行かと思うくらいの人数で旅をしているのだから無理もない。


「ところでケンゴとウララはこの町で開かれるポケモンコンテストには出ないのか?」


「いや、俺は出ないぜ」


「わたくしも出ませんわ」


 サトシは、タンバシティで開かれるポケモンコンテストに出場するのかケンゴとウララに聞いてみる。答えは二人とも出場しないとのことだ。2人はともにコーディネーターで、ヒカリとしのぎを削りあった仲いわばライバルである。ちなみに、ケンゴはヒカリと幼馴染同士、ウララはヒカリとは少々犬猿の仲に近い関係ではあるがヒカリのコーディネーターとしての実力は認めている。


「俺たちはこれからサファリゾーンに行くんだ。とはいっても、コイツらにあったのはついさっきなんだけどな」


「ほとんど接点のない僕たちですが、ここで会ったのも何かの縁。同じシンオウ生まれ同志交友を深めようと思いましてね」


 サトシ達とは対照的に、この4人はサファリゾーンに行くためにタンバシティに出向いている。コウヘイはかけているメガネをクイッと上げながら、自分たちがサファリゾーンに行く目的を話す。この4人はそれぞれ1人でサファリゾーンに行く予定ではあったのだが、この日偶然にもこの場所で出会ったという。せっかくなのでシンオウ地方出身同志でポケモンゲットや交換を通した交流をしようと4人で一緒にサファリゾーンに行くことになったのだ。


「しかし、意外だな。ケンゴ、ジュン、コウヘイは分かるんだけど、ウララも一緒だとはなあ…」


「あら、わたくしがいて何か不都合なことでも?」


「あぁ別にそういうことじゃないんだ。ただウララは一人のほうが多いし、こうしてみんなといるのが珍しくてな」


「あなた、わたくしのことをなんだと思ってますの…」


 何気に失礼なサトシである。とはいえウララは馴れ合いとは無縁のコーディネーター生活を送ってきたのだから無理もないのだが…。


「まぁ、いいですわ。わたくしもずっと一人でいられるほど強い人間ではありませんし、たまにはこういった機会もよろしいとはございましてね」


「そっか、まぁ楽しめよ」


「えぇ、言われなくともですわ(少々サトシさんのわたくしに対する印象が変わればいいのですが…)」


 サトシがシンオウ地方を旅していたころに比べたら、ウララは丸くなった方である。サトシへの印象をやたらと気にしているようだが、ウララもまたサトシラバーズの一人である。


「そういや、サトシ。今回のコンテストにヒカリは出るのか?」


「いや、今回のコンテストに出るのはカスミとハルカだけだぜ。ヒカリはうずまき島でちょっといろいろあって体調を崩しているんだ」


「えっ? どういうことだよ」


 ケンゴにヒカリのことを聞かれて、サトシはうずまき島でヒカリとマリナが遭遇した出来事をケンタも加わって説明する。サトシとケンタはその場にいた当事者であるため、かなりリアルな説明になった。


「ヒカリ、そんなことになっていたのか」


「災害で荒れていた時に乗じてヒカリさんとマリナさんにそのような目に合わせるとは、ひどいことをするものですね」


「しかし途中で出会ったフォッシルって奴がいなかったら、2人とも見つからなかったよな」


「あぁ、たまたま洞窟の中にいたから助かったぜ。もし、フォッシルがいなくて2人とも見つからなかったら…」


「考えたくもありませんわね。まあ何はともあれ、体調を崩してはいますが無事に帰ってきて何よりですわ」


 サトシとケンタから事情を聞き、変態研究員に対する怒り、ヒカリとマリナが無事に帰ってきたことへの安堵、そして洞窟の中でサトシとケンタと一緒に2人を助けたフォッシルに対しての感謝の思いを浮かべる。


「とにかく、ヒカリさんにはきちんと身体を直してコンテストの舞台へ上がってきてと伝えてください。ヒカリさんを倒すのはこのわたくしなのですから」


「おおう、伝えておくぜ。ケンゴ、ジュン、コウヘイもまたな」


「ああ、ヒカリにはよろしくな」


「サトシにケンタ、今度会ったときはバトルしようぜ」


「ついでで悪いのですが、マリナさんにもお体に気を付けてとお伝えください。ではまたいつの日か」


 ヒカリとマリナの身体を心配しつつ、ケンゴ、ジュン、コウヘイ、ウララの4人はポケモンセンターへと向かっていった。


「こりゃあ、ヒカリとマリナもうかうかしてられないな」


「あぁ、もちろん俺たちも立ち止まってはいられないぜ」


 4人が去った後、サトシとケンタは予定通りバトルの特訓へと移る。2人はその後日が暮れるまで、トレーニングに没頭するのであった。一方、コンテスト本番を控えるカスミとハルカはというと、


「シェルダー、今回があなたのデビュー戦よ。気負いせずにありのままを出していけばいいからね」


「シェル!」