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絶対に笑ってはいけないLIAR GAME24時

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バス乗車



 物語は、とある町の公園の広場から始まる。
『こちらでお待ち下さい』と書かれた立て札の横に、長髪の若い女性が一人佇んでいた。

「ライアーゲームは、まだ終わってない……」

 彼女の名前は神崎ナオ。ライアーゲーム……勝てば大金が手に入り、負ければ巨額の負債を背負う、騙し合いのゲーム……の元プレイヤーだ。彼女が手にしている黒い封筒には、白い文字で『LIAR GAMEのご案内』と書かれている。
 ファイナルステージでライアーゲームは崩壊したはずだと彼女は思っていた。しかし、再び彼女に招待状が届いた。
 彼女は迷うことなく参加を決めた。事務局に勝利し、今度こそライアーゲームの呪縛を解くために……。
 事務局からの迎えを待っていると……。

「あれ? ナオちゃんじゃん。やっほー」

 二人目の参加者がやってきた。
 その人物は、マッシュルームカットと黒縁眼鏡が特徴的な、派手な色のシャツとパンツを着こなす三十代くらいの男であった。彼の右手には彼の好物であるイチゴ味のコーンスナックが、左手には直のものと同じ招待状が握られていた。

「福永さん!」

 彼の名は福永ユウジ。職業はネイリスト。ナオとは2回戦「少数決」で出会い、ファイナルステージまで共に勝ち上がった嘘つき毒キノコだ。

「ナオちゃんも参加するんだ! やっぱり顔なじみがいると心強いね! 今度こそ事務局を叩き潰してやろう!」

「はい! 一緒に頑張りましょう!」

 再会を喜ぶ二人。すると、そこへ……。

「お久しぶりです、神崎さん。福永さん、この間はどうも」

「ヨコヤさん! お久しぶりです!」

 上から下まで白でコーディネートした白髪の男……ヨコヤノリヒコが現れ、持っていた日傘を畳みながらナオと福永に挨拶をした。
 ヨコヤの挨拶に直は笑顔で答えたが、福永はそっぽを向いて顔をしかめていた。

「どうしたのですか福永さん? タブーゲームのときは私の名前を叫んで喜んでいたというのに……私、あなたに何か嫌われるようなことをしましたか?」

「はいはい、おめでとう! 俺に勝てて良かったねぇ!」

 どうやら福永は『タブーゲーム』でヨコヤに敗北したことを根に持っているようだ。彼はそのときのことを思いだし、悔しさに打ち震えている。

「相変わらずうるさいですね、福永くんは。もう少し声のボリュームを落としたらどうですか?」

「葛城たーん! お久しぶりっス!」

「葛城さん、お久しぶりです!」

 そこへ現れたのは、生まれつきの赤毛にシルクハットをかぶった魔女のような出で立ちの女性心理学教授……葛城リョウだ。
 福永はこみ上げる悔しさを少しでもごまかすかのように、やってきた葛城に絡んでいった。

「相変わらず魔女みたいな格好だねぇ。ゴスロリとかも似合うんじゃない? 今度俺がコーディネートしてあげ……ひぃっ!?」

 福永の言葉を遮るように、葛城は彼の顔面スレスレに持っていたステッキの先端を突きつけた。突然の出来事に怯む福永。

「結構です」

「……ハイ」

 葛城の視線と言葉から放たれるプレッシャーが福永にのしかかった。福永はだらだらと冷や汗を流しながら、裏返った声で短く答えた。