二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

黄金の太陽THE LEGEND OF SOL 24

INDEX|8ページ/21ページ|

次のページ前のページ
 

 彼女であるはずがない、そんなことは分かっているが、どうしてもメアリィにあの少女の像が重なってしまうのである。
「……ええい、何を迷うことがある!? 貴様はあの子ではない! さっさと斬り裂いてくれる!」
 センチネルは大声を上げ、ヒナもろともメアリィを斬ろうとした。
「ううっ!」
 メアリィは目を固く閉ざした。額にセンチネルの刃が迫るのを感じた。しかしセンチネルの剣はメアリィに当たる寸前で止まり、風だけがメアリィの前髪を揺らした。
「何故だ、どうして……!?」
 センチネルはメアリィの頭上で剣を震わせていた。
「どうして斬れん!? こいつは、マリアンヌでは……」
 聞き慣れない名に、メアリィは首をかしげる。
「マリアンヌ……?」
 センチネルは迷いを絶つように首を大きく振る。
「あの子はもうどこにもいないのだ。貴様はあの子ではない! 微塵も残さず斬る!」
 センチネルは今度こそメアリィを斬るべく、再び剣を振り上げた。
 刃がメアリィを斬り裂こうと迫ったその時だった。
「っ!? な、なんだ! 前が見え……!」
 上空から真っ白な布が落ちてセンチネルの面を覆い、視界を奪った。
 それとほぼ同時に、灰色の外套を羽織り、編み笠を被った者が地に降り立った。
 編み笠の者は、視界を突如奪われ、狼狽えたセンチネルを蹴り飛ばした。センチネルは攻撃をまともにくらい、メアリィ達から大分離れた所まで吹き飛ばされた。
「ふう、なんとか間に合ったみたいだな……」
 突然現れた者は、編み笠の紐を緩めて脱ぎ捨てた。艶やかな黒髪に、天辺を猫の尾のような結い方をした髪が揺れる。
「待たせちまったな、メアリィ、姉貴……」
 かつてセンチネルに大敗した忍、シンがその姿を現した。