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機動戦士ガンダムRSD 第9話 驕れる牙

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アザッヘル基地では、ルナツー侵攻への準備が進められていた。
「コンテナリスト、R34からR42は積み込み完了。
レダニアフ搭乗のモビルスーツパイロットは、第35ブリーフィングルームに集合して下さい」
 オペレーターが命令を出していた。
「第34から37エレベーターは、17時から18時の間閉鎖されます」
 別のオペレーターが皆に通告した。
「シャトル608便が12番ゲートに到着します」
 別のオペレーターが報告した。
「第4ダガーL部隊の補充パーツの搬入完了しました」
 別のオペレーターが作業完了したと報告した。
艦船には、続々と弾薬とモビルスーツが配備されていった。

              ※

 サイド3にあるセントラル・ハウスでは、臨時会が開かれていた。
「全く以て話にならない。
一体何をどう言ってやれば彼等に分かるのかね」
 ユウキ財務大臣が遺憾に感じながら言った。
「何を言ったって分からないんじゃないですか?
そもそも最初からそんな気などなかったように思えます。
これでは」
 オーソン・ホワイト総務大臣が諦めるように言った。
「何をいまさらコペルニクスの悲劇を起こしたテログループの逮捕引き渡しなどと。
我々は、被害者だと訴えて地球連合側も一度は了承したではありませんか」
 ノイ文部科学大臣は、あきれながら言った。
「その上賠償金、武装解除、現政権の解体、地球連合の隷属化とは。
とても正気の沙汰とは、思えない」
 リカルド法務大臣は、正気の沙汰を疑った。
「奴等だってこちらが聞くとは、思ってないでしょうよ。
要は、口実だ。
例によって同胞の敵討ちをしたくて仕方ない連中が煽っているのでしょう。
宇宙にいるのは、邪悪な地球の敵だとね」
 オーソン総務大臣が相手の心理を推測した。
「しかしいくらなんでもこれは、無謀です。
連合は、本気でこのまま戦端を開くつもりなのでしょうか。
今そんなことをすれば彼等の敗北は、明確です」
 ノイ文部科学大臣は、地球連合に勝算がないことを言った。
「現に従わなければそうすると言ってきているではないか」
 ユウキ財務大臣が現実を言った。
「月の戦力は、充実しているよ。
宇宙でやつらが勝利すれば地球への補給は、滞る。
そうすればたとえ地球のほぼすべてが敵の手中にあっても勝算は、あるだろう」
 リカルド法務大臣が敵の動きを予測した。
「戦争となれば消費も拡大するし憎むべき敵が明確であれば意欲も湧く。
昔から変わらない人の体質ですよ」
 オーソン総務大臣が嫌味っぽく言った。
「しかしそれにしてもこれは、無謀すぎる」
 それでもノイ文部科学大臣は、地球側の動きを不審に思った。
「やると言っているのは、向こうですよ。
我々では、ない」
 ユウキ財務大臣がお互いの立場を言った。
会議場がざわめいた。
「皆さん」
 ベルリ首相が皆を落ち着かせようとした。
「弱腰では、なめられる」
 リカルド法務大臣は、強硬姿勢で立ち向かう姿勢だった。
「ともかくこちらも直ぐに臨戦態勢を」
 アリー・カシム農林水産大臣は、軍に出動命令を命じようとした。
「既にそれは、してある」
 オーソン総務大臣が軍の態勢を言った。
「どうか落ち着いて頂きたい、皆さん」
 ベルリ首相が立ち上がり皆を落ち着かせた。
「お気持ちは、解りますがそうして我等まで乗ってしまってはまた繰り返しです。
連合が何を言ってこようが我々は、あくまで対話による解決の道を求めていかねばなりません。
そうでなければ犠牲となったガンダムマッドネスとガンダムエルフも浮かばれないでしょう」
 ベルリ首相が地球軍のコロニーレーザーもどきで犠牲となったガンダムマッドネスとガンダムエルフの名を挙げた。
「だが月の地球軍基地には、既に動きがあるのだぞ。
理念もよいが現状は、間違いなく戦争の一歩手前だ。
当然迎撃体制に入らねばならない」
 リカルド法務大臣は、ベルリ首相に現実を見てほしかった。
皆は、再び騒がしくなった。
「軍を展開させれば国民は、動揺するでしょうし地球軍側を刺激することにもなります」
 ベルリ首相は、迎撃態勢を取ることに消極的だった。
「首相」
 リカルド法務大臣は、思わず立ち上がった。
「でもやむを得ませんか。
我等の中には今もあの血のバレンタインの恐怖も残っていますしね」
 ベルリ首相の発言にリカルド法務大臣は、言葉を失った。

              ※

 ア・バオア・クーおよびサイド8駐留の艦隊は、全て発進した。

              ※

「防衛策に関しては、アダム総帥ににお任せしたい。
それでも我等は、今後も対話での解決に向けて全力で努力していかなければなりません。
こんな形で戦端が開かれるようなことになれば地球駐留隊がコーディネイターの虐殺を行いイメージダウンにつながる可能性がある。
どうかそのことをくれぐれも忘れないで頂きたい」
 ベルリ首相は、コロニー軍のイメージダウンが地球連合のプロパガンダに使われることを危惧していた。

              ※

 ワシントン・ダレス国際空港にアスラン中将が到着した。
「アスラン中将」
 そこに出迎えの人がいた。
「良くありませんよ。
地球市民は、皆怒っています。
大統領は、あくまでも対話による解決を目指して交渉を続けると言っていますがそれを弱腰と非難する声も上がり始めています」
 出迎えの人も今戦端を開くのは、時期早々だと考えていた。
アスラン中将は、悲しそうな表情をしていた。
「早急にと面談は、申し入れてはいますがこの状況ではちょっとどうなるか判りませんね」
 出迎えの人は、会談できるかどうか微妙だと言った。
「分かりました」
 アスラン中将も覚悟していた。

              ※

 アルザッヘル基地から多くの艦船が発進した。
その中には、ゴンドワナ級超大型空母もいた。

              ※

 デュランダル大統領は、ザラ前大統領と秘密に会談していた。
「さて、それで具体的にはいつから始まりますか、攻撃は」
 ザラ前大統領は、攻撃時刻がいつか気になっていた。
「そう簡単にはいきませんよ、ザラ前大統領。
せっかちですね、あなたも」
 デュランダル大統領は、落ち着きながら言った。
ザラ前大統領は、その言葉に不敵に微笑んだ。
「コロニーは、未だに協議を続けたいと様々な手を打ってきていますし声明や同盟に否定的な国もあります。
そんな中そうそう強引な事は、できませんよ」
 デュランダル大統領は、ことのむずかしさを訴えた。
「おやおや。
前にも言ったはずですよ。
そんなものナチュラルさえ滅ぼしてしまえば全て治まると」
 ザラ前大統領の目的は、変わっていなかった。
デュランダル大統領は、ため息をついた。
「奴等が居なくなった後の世界で一体誰が我々に逆らえると言うんです?
赤道連合?
スカンジナビア王国?
ああ、怖いのはオーブですか」
 ザラ前大統領は、中立国家の名を挙げた。
「あの国は、確かに侮れないな」
 デュランダル大統領は、虚を衝かれた。
「ふん。
あんなちっぽけな国。 
世界は、もうシステムなんだ。