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機動戦士ガンダムRSD 第10話 父の呪縛

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サンティエゴ基地からもそれが見え兵士たちは、騒然としていた。
その中には、キラ大佐もいた。
「あれは」
 皆は、その光が何であるかわかっていた。
しかし認めたくなかった。
その光は、コロニーのはるか手前で光っていた。
「あれは、核の光だ。
再び迎撃されたんだ」
 キラ大佐は、ヤキン・ドゥーエ戦役でジェネシスを防いだ超常現象を思い出して憤慨していた。
「そんな」
 皆は、絶望に打ちのめされた。

            ※

 コロニー連邦共和国政府は、核攻撃を報道規制できずありのままを報道した。
「この核攻撃に対して共和国政府は、ナチュラルの基本的生存権に対する急迫姿勢の侵害と見なし厳重に抗議する構えであると発表しました」
 連邦国営テレビアナウンサーが外交態勢を説明していた。

            ※

 それは、カガリ代表も見ていた。
カガリは、ただ驚愕するばかりだった。
「昨夜行われた地球連合軍によるコロニー直接攻撃は、コロニー軍の激しい抵抗に遭い双方に甚大な被害が出た模様です。
現在軌道上において両軍睨み合いの状態が続いておりこの事態を受けたオーブ政府は、臨時会を開き今後の対応を早急に決める方針です」
 オーブのアナウンサーは、両軍の状態とオーブ政府の動きを報道した。

            ※

 それは、アスラン中将にも伝えられた。
「核攻撃が再び防がれた?」
 アスラン中将も動揺は、隠しきれなかった。
「ああ。
今回は、コロニー側も大型大量破壊兵器を使用した」
 デュランダル大統領は、冷静に答えた。
「そんな、まさか」
 アスラン中将の動揺は、核を防がれたことからコロニー側が大量破壊兵器を開発したことに変わった。
「そういいたいところだね、私も。
だが事実は、事実だ」
 そういうとデュランダル大統領は、大型モニターにニュースを映した。
「繰り返しお伝えします。
昨日午後大西洋連邦をはじめとする地球連合各国は、コロニー連邦共和国に宣戦布告し戦闘開始から約1時間後コロニーに対して核攻撃を行いました。
しかしコロニー軍の新型大量破壊兵器によって核ミサイルは、全て阻止されました。
現在地球軍は、月基地へと撤退し攻撃は停止していますが情勢は未だ緊迫した空気を孕んでいます」
 ナレーターが繰り返し戦闘結果を報告した。
デュランダル大統領は、腰かけた。
「君もかけたまえ、アスラン君。
ひとまずは、終わったことだ。
落ち着いて」
 デュランダル大統領は、アスラン中将も腰かけるように言った。
アスラン中将は、それに従った。
「しかし想定していなかったわけでは、ないがやはりショックなものだよ。
あんな想像を絶する大量破壊兵器を開発するなんて」
 デュランダル大統領は、自分が最も恐れていたことを言った。

            ※

「クソ」
 カガリは、コロニー軍が大量破壊兵器を使用したことに憤慨していた。

            ※

 それは、お互い様でリーンフォースJr.の艦内ではカレン中尉が行き場のない怒りをこぶしに込めると壁を殴った。
同僚たちは、それをただ見ることしか出来なかった。

            ※

 コロニーでは、市民の間で動揺が走っていた。
「信じられない」
「開戦?」
「核攻撃か、また」
「何故そんな」

            ※

「おそらくコロニー軍はあれを地球に撃ちこんで地球国家の混乱に乗じて大西洋連邦、ユーラシア連邦およびオーブ連合首長国を軍事制圧するのがやつらのシナリオだったのだろう。
しかしそれでは、もうまともな戦争ですらない」
 デュランダル大統領は、地球に大量破壊兵器を撃ちこむことに狂気を感じていた。
「はい」
 アスラン中将も同じだった。
「わが軍は、一旦軍を引きをしたがこれで終わりにする気はない。
逆に今度は、向こうが大騒ぎだ。
防げたとは、いえまたいきなり核を撃たれたのだからね」
 デュランダル大統領がコロニーの現状を推測しながら言った。
アスラン中将も同じ考えなのでうなずいた。

            ※

 コロニーでは、市民が言い合いになっていた。
「だが警報すら出なかったぞ」
「一体どういう事だ」
「こんなことになるなんて内閣と軍部は、何をしていたの?」
「もし1発でも当たっていたらどうなっていたか!」

            ※

「問題は、これからだ」
 デュランダル大統領は、次を考えていた。

            ※

 コロニーでは、市民が言い合いがヒートアップしていた。
「これからどうなるの?」
「宣戦布告されたんだぞ。
こうなったらもう戦争だ」
「そんな、無茶苦茶よ」

            ※

「それでも地球連合は、あの攻撃を受けて地球連合は今後どうしていくおつもりなのでしょうか」
 アスラン中将は、重苦しく質問した。
デュランダル大統領は、ため息をつくと目線を外した。
アスラン中将は、じっとデュランダル大統領を見続けた。

            ※

 コロニーでは、市民が言い合いがあっちこっちで起きていた。
「戦争なんて嫌よ。
またあんな目に遭うなんて」
「だがしょうがないだろ。
放っておけば奴等は、また撃ってくる」
「もう戦うしかないんだ」

            ※

「我々がこれに報復で応じればコロニー軍は、あれを問答無用で月基地や地球に撃ってくる。
その死傷者は、計り知れない。
解っているさ。
無論私だってそんなことには、したくない。
だが自体を隠しておけるはずもなく知れば市民は、皆怒りに燃えて叫ぶだろう。
許せない、と」
 アスラン中将は、反論できなかった。
「それをどうしろという。
今また先の大戦でコロニー軍が進んだ針を我々も歩もうとしている。
どうすれば止められるというんだね。
既に我々は撃たれてしまったんだぞ、大量破壊兵器を」
 アスラン中将には、理想はあってもそこに行くための手段がなかった。

            ※

 コロニーでは、市民が言い合いを続いていた。
「報復を」
「守る為よ、戦うわ」
「犠牲が出てからでは遅いんだぞ」
「もう話し合える余地などない」

            ※

「それでもどうか大統領。
怒りと憎しみだけでただ討ち合ってしまったら駄目なんです。
これで討ち合ってしまってもサオトメという強敵には、勝てないんです。
どうかそれだけは、防いでください」
 アスラン中将は、叫ぶようにお願いした。
「アスラン中将」
 デュランダル大統領は、アスラン中将を落ち着かせようとした。

            ※

 ア・バオア・クーのリクリエーションルームでは、ニール少尉がエリオット少尉に借りていたグラビア雑誌をかえそうとしていた。
ニール少尉がエリオット少尉に近寄って呼んだ。
「どうした?」
 エリオット少尉がニール少尉に気付いた。
「これ、ありがとうな」
 そういうとニール少尉がエリオット少尉にグラビア雑誌を返した。
「何だ、これ」
 しかし雑誌には、カバーがつけられていたためエリオット少尉はすぐにそれが何かわからなかった。