機動戦士ガンダムRSD 第10話 父の呪縛
『俺は、別にブルーコスモスとして軍に身をおいているわけじゃない。
だから敵がコーディネイターだろうがナチュラルだろうが宇宙生物だろうが国民の生命と財産を脅かす存在と戦っていきます』と」
ラクスは、サオトメの言葉を言った。
「なるほど。
確かに地球軍兵士全員がナチュラルを撲滅するために戦っているわけでは、ないからな」
アスランは、納得した。
「アスランは、どうですか?」
ラクスの唐突な質問にアスランは、驚いた。
「アスランは、お母様の殺害を否定したナチュラルを憎み戦いに身を投じサオトメと出会った。
サオトメとの度重なる戦いでアスランは、軍人としてどう感じましたか?」
アスランは、答えに詰まった。
自分は、あれから何一つ変わっておらず何も考えていなかったからだった。
「私には、アスランやキラのような力はありません。
でもサオトメに出来なくて私に出来ることが必ずあるはずです。
私は、それを見つけてそれを精一杯やるつもりです」
アスランは、ラクスがしっかり者だと改めて感じた。
「もしアスランが私にしかできないことを思いついたら教えていただけませんか?
私は、あなたを信じそれをやってみます。
ですのでお互い苦しいですががんばりましょう」
ラクスがお互いの健闘を祈った。
アスランは、これまでの経緯を回想した。
そしてアスランは、自分がどれほど浅はかな考えだったかを痛感し「サオトメに出来なくて私に出来ることが必ずあるはずです」というラクスの言葉を思い出した。
ならば自分にできることと望むことは、何か。
その自問自答にさいなまれた。
作品名:機動戦士ガンダムRSD 第10話 父の呪縛 作家名:久世秀一