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機動戦士ガンダムRSD 第11話 選びし道

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ユーラシア連邦の首都であるブリュッセルにある大統領府の大統領室では、ジブリール大統領が狂乱しウイスキーのボトルを床にたたきつけた。
「冗談ではないよ、ジブリール。
一体なんだね、この醜態は」
 軍上層部の1人が通信でジブリール大統領に回答を求めた。
それでは、ジブリール大統領の怒りは収まらずこの大統領府そのものを破壊しなければ気が済まない勢いだった。
「しかしまあものの見事にやられたもんじゃの」
 別の軍上層部の1人があおるように言った。
ジブリール大統領は、図星であった。
「コロニー軍のあの兵器は、いったい何だったのだ」
 別の軍上層部の1人は、話題をコロニー軍の新型大量破壊兵器に移した。
「意気揚々と宣戦布告して出かけていって鼻っ面に1発喰らってすごすごと退却か。
君の書いたシナリオは、コメディなのかね?」
 軍上層部の1人があおるようにジブリール大統領に質問した。
その質問にずっと背を向けていたジブリール大統領が振り返った。
「これでは、再び大西洋連邦の独壇場になるぞ」
 この攻撃は、ユーラシア連邦が中心となっていたため損害のほぼすべてがユーラシア連邦が被った。
すなわち大西洋連邦は、ほぼ無傷で地球軍での軍事的発言力は大幅に大西洋連邦に傾いた。
「地球上のコロニー軍の拠点攻撃へ向かった隊は、未だに待機命令のままなのだろ」
 軍上層部の1人が地球の状況を言った。
「勢いよく振り上げた拳をこのまま下ろして逃げたりしたら世界中の物笑いだわ」
 軍上層部の1人が逃げ道の1つをふさいだ。
「さて、どうしたものかの。
我等は、誰にどういう手を打つべきかな。
ジブリール大統領、君にかね?」
 軍上層部の1人が責任を背負わせる発言をした。
「巫山戯たことを仰いますな」
 ジブリール大統領は、そういうとモニターに近づいた。
「この戦争がますます勝たねばならなくなったというのに。
我等の核を一瞬にして消滅させたあの兵器。
あんなものを持つ野蛮旧人が宇宙にいて一体どうして安心していられるというのです。
戦いは、続けますよ。
以前のプランに戻しいやそれよりもっと強化してね。
今度こそ奴等を絶滅させ我らの世界を創るまで」
 ジブリール大統領は、半分私怨を含ませ言った。

             ※

 オーブの秘密軍港では、補給作業が続いていた。

             ※

 ガーティー・ルーのモビルスーツデッキではネオ大佐がアウル少尉、スティング少尉とステラ少尉に操縦レクチャーを行っていた。

             ※

 キラ大佐は、訓練に励む部下たちを見守っていた。

             ※

 サイド3にあるセントラル・ハウスでは、国会議員の多数が起立し法案が成立した。
「では、『ナチュラル生存法案』は議員の起立賛同の多数により成立を了承します」
 衆議院議長が法案の成立を宣言した。
「しかしこれは、あくまで積極的自衛権の行使だということを決して忘れないでいただきたい。
感情を暴走させ過度に戦果を拡大させてしまったら先の大戦の繰り返しです。
今再び手に取るその銃が今度こそ全ての戦いを終わらせる為のものとなることを切に願います」
 最後に衆議院議長は、戦火拡大を防ぐように釘を刺した。

             ※

 オーブ連合首長国の行政府では、臨時会が今日も開かれていた。
「駄目だ、駄目だ、駄目だ。
冗談では、ない。
なんと言われようが今こんな同盟を締結することなど出来るか」
 カガリ代表には、首長達から地球軍との同盟を締結しようと圧力がかかっていた。
「しかし代表」
 ウナト宰相が困ったように言った。
「ユーラシア連邦が何をしたかお前達だってその目で見ただろ。
一方的な宣戦布告、そして核攻撃だぞ。
そんな国との安全保障など。
そもそも今世界の安全を脅かしているのは当の地球軍では、ないか。
なのに何故それと手を取りあわねばならない」
 カガリ代表は、この時期大西洋連邦との同盟を結ぼうとする首長達の考えが理解できなかった。
「しかし」
「ですが代表」
 首長達からは、困惑した声が上がった。
「そのような子供じみた主張は、お止め頂きたい」
 ユウナが立ち上がり発言を制止した。
皆は、ユウナに注目した。
「何故と言われるのならお答えしましょ。
そんな国だからですよ、代表」
 ユウナが地球連合との同盟理由を言った。
首長達は、皆うなずいた。
「ユウナ」
 カガリは、ここまできっぱり自分に意見を言うことがなかったため困惑していた。
「ユーラシア連邦のやり方は、確かに強引です。
そして大西洋連邦も似たような策は、あったはずです。
そのようなことは、失礼ながら今更代表に仰っていただかなくとも我等も充分承知しております」
 ユウナたちは、地球連合という組織がどのようなものか重々承知していた。
「代表も宣戦布告以前は、地球軍との同盟を模索し大西洋連邦と太いパイプを持つ私に相談したではありませんか」
 ユウナは、以前カガリに大西洋連邦との同盟について議論したことを告白した。
「それは、コロニー軍が大量破壊兵器を使用し宣戦布告した場合のことだ。
同じ地球国家の同胞を護るべくオーブも積極的自衛権を行使すると訴えれば国民も納得するだろうし国の安全も保障される」
 カガリは、自分のシナリオを説明した。
「そのシナリオに異議は、ありません。
しかし現実は、宣戦布告したのも撃ったのも地球連合。
この状況下で代表は、どうするとおっしゃるのですか?」
 ユウナは、カガリに意見を求めた。
「ユーラシア連邦が世界の安全を脅かしているのは、事実だ。
しかし状況は、常に変わる。
今後もしコロニー軍の暴挙があった場合私は、義を持って地球連合と同盟を結ぶつもりだ」
 カガリは、大西洋連邦との同盟は時期早々だと感じていた。
「しかしその時に地球連合は、快く都合の良い国を受け入れてくれますか?
自分たちが多くの血を流しているときに傍観するような国がいざ敵国の標的になった時傍観していた国と手を取り合ってくれるような国だと代表は、認識しているのですか?」
 ユウナは、厳しくカガリに追求した。
カガリは、保証も出来ず答えに詰まった。
「下手をすれば再び国を灼く事になりかねません」
 ウナトが優しくカガリに忠告した。
「代表、平和と国の安全を望む気持ちは我等とて皆同じです。
だからこそこの同盟をこの時期に締結をと申し上げている」
 ウナトが立ち上がりカガリを説得した。
「ウナト」
 カガリの心は、葛藤していた。
「地球連合もコロニー連邦共和国も今オーブをどうこうしようとは、言ってはおりません。
しかしこのまま進めばどうなります」
 ウナトは、そういいながらカガリに近づいた。
「代表のおっしゃる義やコロニー軍への猛威などは、我々も熟知しています」
 ウナトたちは、カガリの気持ちもよくわかっていた。
「しかし技術力が高いからと安易にコロニーと手を組めばあの国は、何をしてくるかわかりませぬぞ」
 ウナトは、今一度地球連合の恐ろしさを説いた。