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同調率99%の少女(5) - 鎮守府Aの物語

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--- 6 見学(出撃デモ)



「……ということで、工廠の案内を終わりたいと思います。○○高校の皆さん、お疲れ様でした。服や頭は入り口でさっとホコリを払って行ってくださいね。そのままだと汚れちゃいますよ。」
 明石からの工廠の説明が終わった。このあとはどこへ行くのか三千花らが楽しみにして待っていると、提督は明石と何かを話し始めた。二人は時々視線を那珂のほうへ向けている。那珂はその視線に気づくと?を頭に浮かべた。那珂本人にも何が始まるのかわかっていない。
 明石と話し終わった提督が口を開いた。
「さて、次は訓練施設と出撃用水路を見ていただきます。まずは出撃用水路から行こうか。」
 そう言い終わると、提督は那珂に向かって言葉を続ける。


「じゃあ那珂。出撃してくれ。」



「……へっ!? 今!?」
「そう。今。」
 口を開けてポカーンとする那珂。提督は一言で肯定し、そんな那珂の表情を気にも留めない。
「き、聞いてないよー!!」
「そりゃ、君には話してなかったし。」
「うう〜ずるい〜! ひどいよ提督ぅ〜!」

 事前に教えてもらっていなかった突然の出撃の指示に不満ブーブー垂れてぐずる那珂。その不満を見透かしていたのか、提督は那珂をうまく言いくるめる。
「何言ってんだ。今後はもしかしたら緊急の出撃だってありうるかもしれないんだぞ?その時のための練習練習。あと学校のみんなにかっこいい出撃を見せるいい機会じゃないか。」
 ニヤニヤしながら指を指して言う提督の説得にノって、三千花や書記の二人も追い打ちをかける。

「そうよなみえ。あなたの出撃見せてよ。」
「そうっすよ!会長のかっこいい出撃みたいっす!」
「会長、これもちゃんと録画しておきますので、頑張ってください!」
 そんな三人と提督をジト目で睨む那珂。提督と明石は学校の三人に輪をかけてニヤニヤしている。こいつら図りやがってゆるせね〜という心中な那珂だったが、出撃シーンは確かにいい報告材料になるだろうと考えて無理やり自分を納得させることにした。

「わかった〜わかりました!やりますよやればいいんでしょ〜。」
「じゃ、那珂ちゃん。こっち来て艤装つけましょ〜。あ、学校の皆さん、艤装身に付けるところも撮影しておいたほうがいいですよ。」
 明石は那珂を工廠へ再び入るよう促し、那珂はそれについて行った。