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同調率99%の少女(5) - 鎮守府Aの物語

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 ある部屋の前を通る一行。三千花がここは何の部屋か提督に尋ねた。その部屋は那珂は覚えがあった。
「あぁ、ここは会議し
「あー!ここって、着任前にあたしが身体検査されたところだよね〜。……提督に!」
 ふざけてとんでもないことを知り合いの前で言い放つ那珂。彼女が言った瞬間、書記の2人は頭に!?を付けたような表情で提督の方を見る。
 提督は慌てて弁解、というよりも那珂を叱りつけるように声を荒らげた。

「コラコラ!そういう冗談はやめないか!誤解されたらどうするんだ!?」
 驚いた表情になっている書記の二人とは異なり、三千花は落ち着いているが半笑いになっている。
「あの、西脇提督。私はわかってますから。なみえはこーいうこと平然と言ってのけることたまにあるんで。なみえのお守り、大変でしょ?」
 提督は那美恵のことをよくわかっている生徒がいることに安堵し、少しオーバーなリアクションでホッと胸をなでおろした。

「えぇと、中村さんだっけ?あなたは那珂……光主さんとはお友達かな?」
「はい、昔からなみえのこと知ってるんで大抵のことはわかりますよ。私がいるんで何かおかしなこと言われても安心して下さい。ちゃんとツッコミますんで。」
 それは頼もしいな、と微笑しながら提督は口にした。三千花もそれに釣られてニコッと笑う。その提督と友人の掛け合いを見た那珂は、二人が少しだけ仲良さそうにしている様子に少しだけイラッと感じるものがあったが、それがどちらに対してかまでは意識していなかった。


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「ここが艦娘たちの更衣室です。仮で使ってもらっているだけだけど、電気も水回りも来てるのでね。人が増えたら壁ぶちぬいて広くすることも考えています。」
「ね、提督。中も紹介しよーよ?」
「いや、俺は入れないぞ? というかもし人がいたら俺捕まるぞ。」
「人少ないんだからいないって。さ、はいろ?」
「……あとでお前が案内しなさい、那珂。」

 さすがの提督も那珂の冗談・小悪魔の囁きを未然に防ぐことができた。三千花が提督に向かって小声で呼びかけて同情の意味を込めてグーサインをすると、提督は三千花に苦笑で返した。

 もちろん那珂も本気ではなかったので、提督が言い終わったあとはえへへと笑うだけで反論やさらなる茶化しはしなかった。


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 ひと通り提督による案内が終わり、本館のロビーに戻ってきた一行。
「……と、ここまでが鎮守府の本館の紹介です。隣には現在拡張工事中の区画もあるので、最終的には約3倍の広さになる予定です。」
「その頃までには艦娘もせめて3倍に増えるといいね〜」
 那珂は期待を込めて提督の言葉にツッコミをした。

「おいおい他人ごとじゃないぞ。人増やすためにも、光主さんの学校と提携結んで一人でも多く採用したいんだから。君のがんばりにもよるんだぞ?」
「は〜いがんばりま〜す。」
 気の抜けた返事を提督に返す那珂。

「さて、退屈な本館の紹介はここまで。ここからがきっと学生のきみたちも見て楽しい、参考になる場所が多いと思うから、期待してください!」
 口には出さなかったが、三千花も書記の二人も本館の内部はそれほど興味が持てなかった。あまりにも空き部屋がありすぎる。活用しきれてないというのがよく分かる状態なのだ。書記の和子がメモした文章でも、本当に当たり障りのない紹介に対する文章やフレーズが羅列されるだけだったのだ。三人とも提督の言葉にグッと期待を持ち始めた。