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伝説の超ニート トロもず
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ドラクエ:disorder 歪みゆく英雄譚の交錯 第8話

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3日目 おj09ki9pズlkgnh3ijぐnlli77ゅあ7832bz ―レック―


・・・・・・・・オレは、何もない暗闇の中にいた。
そう、ここには一度来たことがある。

・・・・・・オレは眠っているのか・・・・・・・?

流れるような金属音。
前方から見えてくる光。
崩れゆく闇―――・・・・・・・・

・・・・あの笑い声が聞こえない。



━─━─第八話 Eversion


オレは足を動かすことができず、ただただ立ち尽くしていた・・・。
これは誰かの夢だ。
誰かが果たせなかったことを思い描いて、その実現がああまりに遅かったが故に、それは崩壊してゆく。
ガラス板が割れるように、光る破片が闇の中に吸い込まれていく・・・・・・・。
ゆっくりと。

やがて闇の中に、絵の具を1滴水に落とした時のように青いにじみができた。

・・・ぽつり、ぽつりと。
それはどんどん数を増していく。
青だけでなく、オレンジや紫、赤、黄色と、様々な色に変化して。

暗闇だった世界は、瞬く間に滅茶苦茶なマーブル模様に変わった。
でたらめに絵の具を混ぜたような色。

しかしそれは暫くすると、赤からオレンジへ、黄色へ、緑へ、青へ、紫へ・・・そして、最後には黒に変わった。

世界はまた暗闇に戻った。

レック「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

オレはそれを眺めながら、ふと自分が涙を流していることに気づいた。
なんでだ?
・・・わけがわからないのに、悲しくてたまらない。
胸をえぐられるような絶望と悲壮感がオレを支配している。

するとその時、頭の中に澄んだ女性の声が響き渡った。


――あなたは誰?どうしてここにいるの・・・・?


ささやくような、優しい声色。

レック「・・・・・・・・・・・・。」

オレはどう答えていいかわからず、何を言うおうか考えていると・・・

――・・・あなたも、選ばれた勇者のひとりのようですね。さあ、こちらへ・・・

その声が消えると同時に、オレの目の前に一筋の光の道が現れた。
オレは、その上をまっすぐに進んでいった。

・・・・・・・するとそこは、目が覚めるような純白だった。
さっきまでの暗闇と正反対の、眩しい光の世界。

――・・レックさん、ですね。あの人から私の話は聞いていますか?

・・・・?

――いえ、声に出して下さらずともわかります。そうですか、聞かされていないのですね・・

・・・・・・・・・オレは、今までのことを心の中で念じるように説明した。

――・・・・・・・・そうですか・・・・・・。あの子がそんなことを・・・・・・

オレはさらに、その女性に問いかけるように念じる。

――私が誰か、ですか?・・・・・私は、あの人を愛していた者です。あなたは、あの子のことを知っているのですね・・・?

あの子。・・・・・・・・・ロベルタのことか。

――・・・・どうかあの人のことを、恨まないであげてください。彼はまだ、あなたに真実を話してはいません・・・・・・・

・・・・真実?

――あの子は、私の弟でもありました。そして兄であり、掛け替えのない大切な人だった。
そして彼にとっては・・・そう、自分が生まれる理由となった存在。
しかし同時に、自分が生きる上に置いて最大の壁。
尊ぶべき存在。
乗り越えるべき存在・・・・・・・・

レック「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

――あの子のおかげで、彼は生きることができた。でも、あの子のせいで彼は未だに迷路の出口を見つけ出せずにいるのです・・・・・・・・・・

突然、オレの目の前に光が溢れ出し、渦を巻いて収束し始める。
やがてその光は人のような形になり・・・・・・・・

光が消えるとそこには、1人の女性が立っていた。
長い桃色の髪にエルフのような耳を持った、優しげな瞳の美しい女性だった。

――私のことは、いずれあの人から説明されるはずです。
そしてあの子の真実も。
問い詰めるようなことはしないであげてください・・・あの子と私は、彼が唯一思い出すことのできる後悔の証なの。
彼が忘れてしまう前に、あの子のことを心から理解し受け入れることができたなら・・・彼は変わることができるわ・・・・・・・

レック「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

次第に、彼女の体は光とともに薄れ始めた。

――ごめんなさい、もう時間がないようです。
最後に、・・どうかあの人に伝えてください。
シンシアは、いつまでも変わらずあなたを想い続けていると・・・・・・・・

―――――――
―――――
―――


・・・・・・・・オレは、寝室のベッドに横たわっていた。
目に入ってくる部屋の天井が、なんだか自分に迫ってきているような錯覚に陥った。

いつの間に寝てたんだ?

レック「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

上半身を起こし、しばらく呆然とする。
体が重く、意識がはっきりしない。
寝起きだからって感じじゃない、明らかに魔力が伴ってる。

・・誰かに夢を、見せられたんだ。

その証拠に、部屋を出ていくソロを見送ったところから記憶がないんだ。
寝室に来てベッドに入った覚えもない。

そもそもオレは眠っていなくても夢を見ることができる。
だからわざわざ寝に来る必要もない。

つまりこれは、オレが見ようとして見た夢でもなければ、眠ることすら誰かに誘導されて行なった。
こんなこと・・・・・・



廊下に出ると、ちょうどソロが通りかかったところだった。
思わず歩が止まる。

・・・・・・・こんなタイミングで会うなんて、偶然だとしたら都合がよすぎる。
だからと言ってソロがやったとは考えにくい。
あいつの性格からして、こんなにわかりやすくことを仕組むなんてほぼありえない。
万が一にも疑われないようもっと複雑にするはずだ・・・・・いや、待てよ。

むしろそっちを狙ってわざとわかりやすくしてるんじゃないのか・・・・・?

ソロ「レック?」

声をかけられ、はっと我に返る。

レック「・・ぉう、何だ?」

ソロ「なんだか顔色が悪いが、どうかしたか?」

レック「ああ・・・いや、ちょっと変な夢見てさ。お前こそ、なんか疲れてねえ?」

ソロ「わかるか?実は俺も、妙な夢を見たんだ」

レック「え・・・」

ソロ「なんでか知らんが、倒れてるアレンにサマルが泣きながらすがりついてるんだ。
他のみんなは、遠目にそれを見てるだけで何もしない。ただそれがひたすら続く夢だった」

レック「・・・おいおい、縁起でもねえな」

・・・てことは、ソロも寝ていたことになる。
あの夢はソロが見せたわけじゃない・・・・・・。

考えてみれば当然じゃないか。
オレに直接話さなかっただけのことをあんなに回りくどいやり方で伝えることにどれだけ意味がないか、ソロはそれを先に考えるはずだ。

ソロ「なあ、レック」

レック「ん?」

ソロ「お前今、別のこと考えてるだろ」

体の奥に電撃のようなものが走った。

ソロ「・・・どんな夢だったんだ?」

レック「ぁ・・・・・・ああ、えっとな・・・」

しまった・・・・・・どう言えばいいのか・・・・・・・