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伝説の超ニート トロもず
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ドラクエ:disorder 歪みゆく英雄譚の交錯 第13話

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5日目 07時17分 ―ロト―

・・・・・俺は何も口出しする必要はないはずだ。

俺は何も知らない。それこそ、知ってもどうしようもない。
俺が何かするとすれば、それは向こうから助けを求められた時だけだ。

だがいつか、いずれみんなが知る時が来るだろう。
その時は・・・・・その時だ。

サマル「ロト様、行ける?」

ロト「ああ・・・大丈夫だ」

俺たちは、今あの血の池の扉の前にいる。青く煌々と波打つ扉。
トライアングルの中心はこの奥だという。

ソロ「この中では一切、意識を失うことができない。・・死んだ時以外は」

ソロが鍵を使って扉を開けると、中の狭い空間に3つのドアが佇んでいた。
同じドアが3つ、等間隔で並んでいる。

そして真ん中のドアの少し上の方に、赤い文字で何か書いてあった。


Are you ready to die?


・・・・死ぬ準備は出来ましたか?か・・・

アルス「・・・・なにこれ・・・・」

アレン「・・・・・・・・・・・・・。」

また3つのドアにもそれぞれ暗号のようなものが書かれていた。


血の肉を捧げよ


・・・・・・・・・・・・・・。

何が始まるんだ?
不穏な空気が流れる。

ソロ「通る道は違うが、どこに入っても最終的には合流できる。最初に合流地点に着いたメンバーは、そこで30分待つ。それでも全員揃わなかったら、来なかったメンバーは死んだということだ。そういうふうに設定してあるらしい」

なぜかすうっ、と体が冷たくなったような気がした。
暑くもないのに額に汗が滲んでいる。・・・・・・ああ、俺は怖いんだな。これから自分たちを待つ得体の知れない何かに怯えているんだな・・・・・・。

俺はアレフ、アベル、ナインと共に右の扉に。
左の扉にはアレン、ソロ、サマル、アルスが。
真ん中にはエイト、エックス、レックが入ることになった。

ソロ「暫く進めると待機場所がある。そこで回復をするんだが、その場所以外では魔法は使えない。3エリアの全員がそこに到達するまで待ってから次のフロアに進む。それを繰り返すだけだ」

俺たちは重い不安を抱えながらも、それぞれ心を決めて進んでいった。



━─━─第十三話 Meat of blood


5日目 07時21分 ―サマル―

ドアの中に入ると、そこは不思議な形をした部屋だった。六角形・・・?
そのうち1つの壁はガラス張りになっている。
その向こうには、ボクの身長より大きいガラスの容器が浮かんでいた。
よく見てみるとその容器の上部には管のようなものがいくつもついていて、それらはバラバラに散って部屋まで伸びている。

それを辿って視線を動かすと、容器の向こう側にあるガラスの壁が目に入った。
そこには・・・ロト様やアレフ様が見える。

さらにその隣にあるガラスの壁を見ると、レックさんの姿が見えた。
その壁はボクがいる部屋の壁に繋がってる。

つまり、ボクたちがそれぞれ入った部屋は三角形型に繋がって並んでいる。
ロト様たちがいる部屋、レックさんたちがいる部屋、そしてボクたちのいる部屋のガラス壁はそれぞれ三角形の辺として繋がってるってことだ。

そしてその中央には、あのガラスの容器。
これが“トライアングルの中心”・・・・・・ってこと・・・?

アレン「・・何だこれは?」

アルス「・・・見て、繋がってるんだ・・・ここ」

サマル「・・・・・・・・・。」

ガラスの容器には蓋があって、でもその蓋は太い針金のようなもので支えられた何か・・・液体を注ぐための器のような形をしていた。
よく見ると針金の横に数字のメーターがあって、一定の重さがかからないと蓋が開かない仕組みになっているみたいだ。

サマル「・・・あれ、何・・?」

ソロ「・・俺が説明するより実際に見た方がわかりやすいぞ。じきに始まる」

・・・・・・・。

部屋の中を見渡してみると、椅子やベッド、箱のようなものが乗ったテーブル、棚などがある。
アレンとアルスさんが何か道具がないか見に行こうと言い出したから、頷いて振り返ると、ソロさんは硬い表情で腕組みをしたままあのガラス容器を見つめていた。

・・まあ、やめろって言わないから大丈夫なんだろう。

テーブルの箱の中にはよくわからない道具がぎっしりと詰められていた。
何かの栓?とか、あ・・・これって、裁縫道具かな?でも普通の裁縫道具よりなんか・・・針が大きくて太いし、糸も変な素材でできてる。はさみとかも揃ってるけど、なんで裁縫道具が?

棚には包帯や赤い液体が入った透明な袋やチューブがたくさんあった。
これは怪我を治療する道具なんだろうけど・・・・

あれ?この腕輪みたいなのって見たことあるなあ。平面のところに手首を固定するためのものだ。どこで見たんだったかな。

アルス「なんか、怪我することが決まってるみたいだね」

アレン「・・あいつが必ず死人が出るとまで言い切ってるんだ、怪我しない方がおかしいだろ」

その時だった。

サマル「・・・いたっ・・」

手の甲にピリっと軽い痛みが走った。
見ると、生存率が・・・下がってる。

サマル(5.2・・・・?)

・・・嫌な予感しかしない。

アレン「どうした?」

サマル「ぁ・・・えっと」

ソロ「サマル」

背後から呼ばれて、振り返る。
するとボクの足もとには、ヒト1人がちょうど乗れるくらいの大きさの赤い魔法陣があった。

ソロ「最初はお前だ。とりあえずその魔法陣を踏め」

サマル「え・・・・?」

アルス「ね、ねえ・・・これから何をするの?」

ソロ「今話しても時間の無駄だ。早く」

ビクビクしながら恐る恐る魔法陣に片足を乗せる。
けどもう片方の足を乗せるには、心の準備が足りなくて少し時間がかかった。

ソロ「なるべく早くクリアした方が楽だぞ」



気が付くと、ボクの目の前には銀色の壁があった。
少しして気付く、別の部屋に移動していたんだ。
さっきより少し狭いくらいの・・

・・・・?何か変なにおいがする。鉄のような、硫黄のような・・・

振り返ってみると、向こうの壁際に丸い水溜りがあった。
でもそれは黄色くて、泡立っているようにも見える。

・・何なんだ・・・・・・・?

ソロ「サマル、聞こえるか?」

上の方からソロさんの声が聞こえた。
でもこの部屋には銀色の壁と天井以外何もなくて、ボクしかいない。
急にすごく怖くなってきて、辺りをキョロキョロと見回す。

ソロ「落ち着け、説明してやるから。その部屋の床は少し傾いてるだろう?こっちに来い」

言われて初めて気付いた。本当だ、結構傾いてるじゃないか。
これに気づかなかったなんて・・よっぽど気が動転してるに違いない。

言われた通り声が聞こえる方の壁際まで移動した。

ソロ「・・そこに見える液体は通称HF、有機物や金属などを侵食・溶解する性質があるんだそうだ。わかってると思うが、触るなよ」

変なにおいがするのはあの液体のせいか。
・・よく目を凝らしてみると、この部屋の床には小さな穴がたくさん開いていた。
本当に小さな穴が数センチ単位でびっしりと並んでいる。