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伝説の超ニート トロもず
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ドラクエ:disorder 歪みゆく英雄譚の交錯 第31話

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8日目 09時33分 ―ロト―


ホールを去っていくエイトを見かけた時、俺は何かただならぬ気配を感じた。

・・ブラッディローズたちとの戦いから、エイトの表情はどんどん暗くなっていった。
会話は普通にするのだが、その瞳はどこか虚ろで。

他の仲間に聞いてもわからないと言うし、本人に尋ねても何も答えようとしないらしい。

・・・・・何かあったのだろうか。

俺はこの際きちんと話を聞こうと思い、みんながいなくなってから屋敷の外に出たエイトを追いかけた。

俺たちの話を聞いて、だいぶショックを受けただろう。今自分たちに必要なのは、体はもちろん・・・消耗しきった精神を回復させることかも知れない。

重い足取りでエイトを探す。
・・・・・・彼は、割と近くの木がいくつか生えているスペースにいた。
俺が歩み寄り、声をかけようとした・・・・・その時。

むこうを向いて立っていたエイトが突然、ハンドガンの銃口を自分のこめかみに当てがった。

ロト「!!」

俺は慌てて駆け寄り、すぐにその手を取り銃を奪った。

エイト「っ・・・!」

ロト「・・・・何をしてるんだ。混乱しているだろうが、まず心を落ち着けろ」

俺はその銃の安全装置を戻し、エイトに返した。

エイトの顔は真っ青で、目は見開かれており、息も多少荒かった。

ロト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。・・なぜ、こんなことを」

エイト「・・・・・なぜ・・・・・・・?
・・・・・・・・・・・・・なに・・・・・・・言ってるんですか・・・」

震えた声。

エイト「・・・僕は・・・・・・あなたを殺そうとした。現に銃で撃ってしまったんですよ?
仲間を殺そうとしたんです。紛れもなく自分の意思で。
そんな僕に生きてる資格あるんですか?」

顔を伏せたまま、俺を見ようとはしなかった。
死のうとしたところを俺に見つかって何かのたがが外れたのか、早口でまくし立てるように言った。

エイト「事実を知らないまま自分の思い込みで、あなたたちが計画的にムーンさんを殺したのだと決め付けて、ひとりで勝手に疑心暗鬼になっていた。挙句、その思い込みのためにあなたを撃った。殺すつもりだった」

ロト「・・・・・エイト」

エイト「もう、嫌なんです。この世界も、こんな自分も。ここから抜け出せるなら死んでもいい。僕にはもう、人間として生きてる資格なんてないんです」

その言葉を聞いたとき、自然と手が出ていた。
何かを考えるより先に。

・・・俺は、エイトの頬を平手で殴っていた。

エイト「・・・・・・・。」

ロト「何をわけのわからないことを・・・。
生きる資格のない人間なんていない!死んでもいいだなんて間違っても言うな!
・・お前は・・・みんなで生き残るためにどうすればいいかを常に考えてたじゃないか。戦ってこの状況に打ち勝つことを目的にしてたじゃないか!」

エイト「・・・・・・でも、僕は・・・・・・あなたを」

ロト「そんなことどうでもいい。お前は少し疲れてしまったんだ。だから考えるのをやめろと言ったのに・・・」

・・俺は深呼吸をすると、うつむいたままのエイトの肩に両手を乗せた。

エイト「っ・・・」

ロト「俺たちを信じろ。俺たちはみんな、世界を救った勇者だ。こんなことで負けたりはしない。破壊神のゲームなんかに屈したりはしない。人間の力を・・・信じるんだ」

エイトの目を見て、しっかりとそう言った。俺の本心だった。

エイト「・・・・・・ぅ・・・・・」

エイトは、力が抜けたのか地面に手をついてしまった。俺は膝を曲げて、その背中に手を置く。

ロト「誰もお前を責められはしない・・・。自分で自分の間違いに気付けたなら、お前はもう大丈夫だ。だから、一緒に頑張ろう。そして生きて元の世界に帰ろう」

エイト「・・・・・・・・・・いいんですか・・・・・?
・・・・・・・・・・僕は・・・・・・・・・・・・本当に・・・・・・・・・・・・・」

ロト「当たり前だ。俺たちにはお前が必要で、お前には俺たちが必要なんだ。
・・・さあ」

俺が手を差し伸べると、エイトは泣きそうになりながらその手を取った。
そして立ち上がる。

すると、エイトの目に溜まっていた涙がこぼれ落ち、地面に落ちた。

エイト「・・・・・・・ありがとう・・・ございます・・・・・・・」













━─━─第三十一話 Transcendence













―――??? ?????? ???????
























―ふうん、話すんだ。案外思い切りがいいんだねえ。
まあ君なら僕たちの意向は汲んでくれると思っていたよ

―・・・ふざけるな。もうこれ以上、貴様らの勝手な遊びに振り回されるつもりはない。
娯楽のために命を弄びやがって・・・・

―娯楽だなんて、失礼千万な。これはれっきとした僕たちの仕事なんだよ?
長いこと続けてるから飽きないように工夫を凝らしてるだけさ。
それに君たちの命は僕らが所有しているものだ。きちんとした権利がある。持ち物で何をしようと勝手だろう?

―黙れ。何が権利だ・・・消したいものを消す都合がつくようわざわざ罪まで着せておいて・・・!

―なんだ、まだ怒ってるのかい。それは君たちが納得できるよう気を利かせてあげた結果なんだけどねえ

―納得などできるわけがない!だったらなぜ俺を殺さない!?
こんな回りくどいことをする前に、罪のない死者が出る前に、俺の命を奪っておけばよかっただけだろう!!

―ははは!何を言ってるんだい?それじゃあ何の意味もないじゃないか。
君の存在があって初めてこのゲームは成り立つんだよ?

―何が言いたい。・・お前らの目的は一体なんだ。何のためにこんなことをする!?
天界にとって驚異となるものを消し去るためじゃないのか!?

―君は多くを犠牲にして手に入れた力をあまり活用してないみたいだねえ。
まあ知らないままでいてくれた方が都合がいいけど、せっかくだからヒントをあげるよ。
君は大きな罪を犯した、いくつもね。それこそ君の弟とは比べ物にならないほどたくさんの罪だ

―・・・そうだ。お前たちがそう仕向けたんだろう

―まあ、正しくは彼の個人的な判断さ。そして罪を犯した者には相応の罰を与えるべきだ。君だってそう思うだろう?

―・・・・・・・・・・。

―1人の罪のない人間の命を奪ったことに対する罰は、基本的には死が妥当だ。理由はいろいろあるだろうけどね。
君の場合は直接殺していないものも含めると、奪った人間の命の数は実に宇宙1つ分にも及ぶ。
君の命1つでは到底償いきれない膨大な量の罪だ。
それに今の君にとって、死は苦ではなくむしろ救済。これじゃあ罰にならない

―・・だから唯一の救済である死を与えないことによって、俺を罰しようというのか。
だがその罪はあいつが意図的に俺に着せたものだ。俺に罰を与えることが目的というわけではないのだろう?

―もちろんさ。殺させたのは口実に過ぎない。でも罪は罪だ。
そこで僕たちは、もっと別の方向で君に罰を与えることにした。