ドラクエ:disorder 歪みゆく英雄譚の交錯 第32話
ソロ「・・・・・俺がみんなを危険にさらすと。あまつさえ命を脅かし壊してしまうと・・・そう解釈したんだな?」
サマル「・・うん」
ソロ「そうか。・・・・・率直に、なぜそう思ったのか聞かせて欲しい。
俺のどういう要素がお前の思考をそんな方向に傾かせたのか」
サマル「・・・・思いが・・感じられなかったから。心がなくなっちゃったみたいに。
根拠はないけどそう思ったんだ。まるで何も見てないし聞いてないみたいで・・・」
しゃべっているうちに、自分でも不思議に思えてきた。
どうしてボクはこんなふうに思ったんだろうか。
サマル「言葉や表情は今までと何も変わらないけど、もっと別の何かが・・・違うなって感じたんだ」
ソロ「・・・心がなくなった・・・・」
ソロさんは少しの間、考え込むように下を向いた。
そして鏡を見ると・・・・初めて表情を変えた。
少し、悲しそうだった。
ソロ「・・・・本当に心をなくすことができたら・・それはそれで楽なんだろうな。お前から見た俺がそう見えるなら、俺はその俺自身に嫉妬するだろうよ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
ソロ「でもそれってさ・・・・あんまりにも悲しいじゃねえか。
なんにも報われない。そんなんじゃ誰も救われない。
俺自身だって到底納得のいくことじゃない。誰だってそうだろ」
サマル「・・・・・・・うん。そうだね」
・・その時。
・・シーツを握るような小さな音が聞こえた。