ドラクエ:disorder 歪みゆく英雄譚の交錯 第35話
かちゃん、と向こうの方で扉の開く音がした。
後ろを振り返ってみる。
ボクの後ろの壁には、大きな目が二つあった。
僕の頭くらいの大きさの目が二つ、じっとボクを見つめていた。
・・・・綺麗、だな。・・・見た瞬間、そう思った。
ボクをまっすぐに見つめてぱちぱちと瞬きをした。
ボクが頭を下げると、アメジスト色の宝石のような瞳が動いて、向こうの扉の方に視線を向けた。
そしてもう一度ボクを見た。
進めばいい、と言っているのだろうか。
ボクは頷いてから頭を下げた。
・・目は少しだけボクから視線をそらして、ゆっくりと消えていった。
サマル「・・・・ありがとう・・・」
ボクは深呼吸をしてから歩き出した。
すると
サマル「うわっ!?」
目の前に突然、血だらけの腕が現れた。
・・天井から伸びてきたんだ。
その手には緑色の表紙の本があった。
・・ボクはちょっとためらってから、それを手に取った。
なんとサマルは むきだしのこころを てにいれた!
すると手は根元から徐々にちぎれていき・・・ぼとりと地面に落ちた。
サマル「・・・・・・」
・・・・・ボクはまた歩き出した。