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伝説の超ニート トロもず
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ドラクエ:disorder 歪みゆく英雄譚の交錯 第36話

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レック「いや、・・・。・・この際だから言っとく。オレ・・・やっぱりどっか悪いみたいなんだ。なんつうか、あんまりにも色んなこと考えすぎたって言うか・・・・その・・・」

サマル「・・・?」

レック「自分でわかるんだけど、なんかどんどん自分が自分じゃなくなってくんだよ・・・多分、何か突発的な心の病気だと思うんだけどさ。怖いんだ。こんなふうに思うのはおかしいって、どうかしてるってわかってんのに止まらないんだ。どうしてもダメなんだ。
オレは・・・自分が怖い」

息が荒くなってくる。頭を抱え込んでしまった。
・・・・どうしてこんなことを考えてしまうのか。ソロを助けられなかった後悔とか悲しみとかで、おかしくなってしまったんだろうか。

サマル「・・・・・。・・・何を考えちゃうの?それっていけないこと?」

レック「・・さっき、その・・・あのな。ソロの死体を見たんだ・・・いや、まだぎりぎり生きてはいたんだ。でもオレは助けたいとか、楽にしてやりたいとか思えなくて。
・・綺麗だなって、ただただキレイだなって思ってそれで、・・・・・もっと傷付けて傷付けて壊して、グシャグシャに壊したらもっとキレイなんじゃないかって、きっとすごく気持ちがいいだろうなって訳分かんねえことばっかり考えちまって・・・」

おかしい。本当にどうかしてる。何でこんな・・・

レック「それで・・・気付いたら・・・・・」

両手を見る。赤い。グローブに血が染み込んでる。オレは一体何を。

サマル「・・・どうしてそれはいけないことなの?」

レック「どうして・・って」

サマル「・・ソロさんがそれを嫌がるとは限らないよ。もしかしたらそうしてほしいって思ってたかも知れない。なのにどうしていけないことだと思うの?」

レック「何言ってんだよ、死体を傷付けて壊したいと思うなんて、どう考えたってまともじゃな・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

サマル「・・・死体、だと思ってるんだね。もうソロさんじゃないただの肉の塊。だからおかしいと思うんじゃないかな・・・。
・・死体じゃなくて、ソロさんだよ」

レック「・・・・・・」

オレは呆然とした。・・・“死体”。何も考えず口にしたその言葉がどんなに悲しく虚しいか。
・・・・どうしてオレは・・・?

サマル「・・・・・・とってもひどいこと言うよ。
レックさんはソロさんと一緒にいたかったわけじゃない。助けてあげたかったわけでもない。
・・・ただ、見ていたかっただけなんだと思うよ。
あんまり綺麗だったから。あんまり悲しくて可哀想だったから。
できるだけ近くで見ていたかっただけなんだと思う」

レック「・・そんな、違う・・・オレは。・・・・・・・オレは・・・っ」

サマル「ごめんね。・・でもソロさんもそう思ってたんだよ。
ううん、知ってた。それでも全然悲しくなんてなかったよ。
レックさんが嫌いだから言うんじゃないし、ひねくれた見方をしてるわけでもないんだけど・・・あのね、ボクわかっちゃったんだ」

レック「・・オレが自覚してないだけだって言うのか・・・?」

サマル「自覚、してるよ。レックさん自分でわかってるよ。認めたくないだけで。
・・・誰だってそうだよ。自分が心の底の底で本当に思ってることって、わかってても気付かないふりをしちゃうんだ。ボクもずっとそうだった。ソロさんも。
ボクはやっと気付いた。自分が何を思ってたのか。自分がどんなに浅はかで、どういう点で人より優ってたのか」

サマルの様子は今までとまるで違った。
書いてある文章をすらすらと読むように、まるで迷いがなく当然のような口ぶりで話す。
申し訳なさそうな声色ではあるが、遠慮は一切感じられない。

サマル「それでね。なんでソロさんがいなくなっちゃったのか、いなくなるしかなくなっちゃったのかわかったんだ。そうしなくていい自分がどんなに幸せなのかも。
だからもう諦めたんだ」

レック「な・・・・お前、なんで知って・・・」

足から力が抜けて座り込んでしまった。・・どういうことだ・・・?

サマル「・・・・・。レックさん、ソロさんはあなたに会えて本当に良かったと思ってる。心の底から。それは間違いないけど・・・だからこそすごく傷付いた。
こんなに自分のことを思ってくれてる人でさえ、手を差し伸べてはくれない。自分は絶対に許されず救われもしないんだって、確信してしまった。
ソロさんが自分を消したのはボクたちを守るためだけど、同時に最後に許された救済の術でもあった。そうすることでしかもはや自分は助からない、と」

レック「・・・・・・・・・じゃあ、一体・・一体どうすればよかったんだよ。
オレは自分にしてやれることなんて何もないと思った、でも少しでも、ほんの少しでもあいつの苦しみが和らげばいいと思って・・・。
・・どうしたらよかったんだよ、一体何が正解だったんだよ・・・・!?」

サマル「ううん。これが正解だよ。これが最善。
あなたは正しかった。何も間違ったことなんてしてないよ」

レック「そんなわけあるかよ!こんな、こんな・・・!!」

サマル「レックさん。どうしてボクがこんなひどいこと言えるのか不思議に思ってるよね。ボクもすごく不思議なんだ。きっとソロさんもこういう時、不思議に思ってたはずだよ」

サマルは無表情だった。
無表情のまま少ししゃがんで、オレの背中をさすっていた。

サマル「ごめんね。でもこれが正解なんだ。・・これが正解だって納得するには、レックさんは心が健全すぎたんだと思う。だからひどく負担がかかって、さっきみたいに自分はおかしいんだ、異常なんだって自分自身に言い聞かせないと心が壊れちゃうんだよ。
平気、全然おかしくなんかないよ」

レック「・・・・じゃあオレは納得しようとしてるのか?これが正解だ、最善だったんだって。
・・・・そんなの・・・・・」

サマル「だって、仕方ないよ。そうしないとレックさんが壊れちゃうんだよ。
大丈夫。おかしくなんかない」

レック「でも、だとしてもオレは自分が納得するために・・・ひどいことを。
ソロの身体を傷付けて・・・自分が傷付かないために・・・」

そんなの、受け止めきれるはずがない。こんなことで納得できるわけがない。オレはただ、オレは・・・・・・・・

サマル「・・・レックさんはソロさんが大好きだったんだね・・・。
本当に大事で大切で、助からないってことを信じたくなくて仕方なかったんだね。
ソロさんはそれだけで十分に幸せだったと思うよ」

・・・だからこそ、もう決着をつけてあげよう?

立ち上がったサマルは、確かにそう言った。





あとがき

スペースがなああああい!!約束通り大まかな流れをお伝えします!!