ドラクエ:disorder 歪みゆく英雄譚の交錯 第38話
知らない場所だな。俺は一体・・アレフガルドはどうなったんだ?
おう、オレはレック。お前は?
ここはどこなんだ・・・サマル、ムーン?一体・・・
なんで襲ってくるの!?ねえ待ってよ、ちょっと・・・!!
あ・・あなたがロト様・・なのですか・・!?
なあソロ、お前もっと笑ったら?
そうなんだ、よろしくねエイト!
だったら何ですの。女だからって馬鹿にしないで欲しいですわ!
えっと、もともとは天使でした。その・・信じられないですよね
俺はエックスだ。・・てか、なんで殺し合わないといけないんだ?
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サマル「・・・・・・・・・・・・・・。」
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・・・正気か?自分の願いのために人を・・勇者を殺すと!?
ねえ、逃げようよ・・無理だよ勝てないよ・・・・っ
僕は乗りませんよ。人が殺し合うなんて・・・そんなこと・・・
知ってるか?誰にでも幸せになる権利があるわけじゃないんだぜ
・・悲しい・・ですね。運命が・・神がそうさせるのですね
こんなの間違ってるよ!ねえ、あの人たちを止めよう・・!?
オレは決めたんだ。自分の命も名誉も捨てる代わりに・・!!
そうだね。・・君たちは報われるべきだ。僕も勇者の父親だからね
こんなことが許されるというのでしょうか。神よ、一体何故・・!
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・・・・これは夢?まだボクは夢を見てるの?あの世界からは出られたんだろうか。でもこれは夢というより・・・昔の記憶を思い出してるような・・・・。
━─━─第三十八話 Flashback
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なあ、もういいだろそんなにしなくても・・・!なあっ、ソロ!!
ロト様、どうかお許し下さい。私は、・・・私は・・・・
不平等だよ。それが人間というものなんだね・・悔しいけれど
アルスさん。僕は戦いますよ。あの人たちはもう、勇者じゃない
怖い・・怖いよアレン・・どうしてこんなことになっちゃったの・・・?
私・・やっぱりもう、駄目なのね。・・・ごめんなさい・・ロト様・・・
勇者なものか!!君らがやってることは魔王のすることだ!!
許されるつもりなんか、最初っからないッ!!俺は・・!!
・・ごめん、俺・・何もできなかった・・・・ごめん・・・
なんでこんな・・ボクらが一体何をしたって言うの!?
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サマル(・・ボクたちは何をしているんだろう?ゲーム・・・?
殺し合いが・・・起きてる・・・・・・?)
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俺は決して、君らを許しはしない。貴様らを勇者とは認めない
・・もう後には戻れないですよ。・・待っているのは破滅だけ・・・
ああ。僕たちは、自分らが正しいとは少しも思っていないよ
なあ、オレ・・やっぱ怖いんだ。まだ・・人間を殺すってことが・・
それなりの報いを受けてもらいます。僕とて人殺しですから
これだけ殺しておいて、自分だけ生き延びようとは思わないさ
お前は・・人間じゃない。病に冒された哀れな獣だ
ごめんね。生きてて、ごめんなさい。どうかボクを・・・
決して諦めない、そして後悔しないと・・誓えるかい・・・?
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・・間違いない。・・・これと同じゲームだ。
舞台やルールは違うけど、これは・・・・・・記憶?
どうしてボクがこんな・・・・?
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に・・・げ、ろ・・・サマ・・・・・・
ああああッ!!畜生・・畜生ぉおぉおぉなんでぇえぇ・・ッ!!
・・早く。ボクを殺して。もうここにいたくない。お願いだから
君たちには、権利が・・あるはず・・なんだ、だか・・・ら・・・・
哀れなり、人の子よ。罪の重さに悶え、苦しみ続けるがいい
あはッ、今更何を躊躇しろと?ふふ、くっふふふふふふ
もうやめろ、いいよ、もう死んでるって、やめろ!頼むからっ・・・
・・お前ら同士も殺し合わないと、ゲームは終わんねえんだぜ
絶対に貴方たちを勝たせはしません。・・・殺す。覚悟しろ
・・なんでボクなんかが生きてるの?どうして・・・?
・・・レック。お前、だけでも・・・ふ、あはは。・・生きてくれ・・・・
オレが生き残ることでしかもう救いはない。皆殺しにしてやる
・・・僕も、2人殺してますから。もう・・許されは、しません・・よ
サマル。・・彼に止めを。ロトの命令だ。俺たちは奴の相手をする
・・おやすみ、レック。俺は知ってる。お前は鬼なんかじゃなかった
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・・・・・ゲームは、プレイヤーがたった3人になったところで終わった。
ロト様と、エックスさん、そしてボク。でも時間切れでボクらは死んだ。
誰ひとりとして、生き残れはしなかった。
・・・この記憶は、一体何・・・・?
戸惑っているうちに、次のフラッシュバックが始まった。
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・・・俺たちを殺してどうするつもりなんだ?願いはなんだ?
教えたってしょうがねーよ。お前、今から死ぬからな
エックスさん、どうなさるつもりなんですの?早く逃げ・・・
ボクのことはいいから、行って。ここは食い止めてみせるよ
こんな言葉知ってます?・・飛んで火に入る夏の虫
君は彼についていくのかい、レック。いずれは君たちも・・・
ロト様。私は・・・貴方がロト様だと信ずることが出来ません
ソロ!こいつはオレがやる、ぶっ殺す!!早く死体を隠せ!!
アレン、アレン・・助けて、嫌だ・・死にたくないよ・・・・!!
青いヘッドギアの彼だよ。あの子の知り合いだったみたいだ
・・・・何とも思わないわけですね。・・・・僕を殺しますか?
俺がこの世界で願うことはひとつだ。弱い奴はとっとと、死ねッ!!
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・・・なにこれ・・みんなの性格がまるで違う。ひどい。なんで。
ほとんどの人がゲームに乗って、騙し合って貶め合って、命を削り合ってる・・・・こんなの、・・信じられない・・・・・・。
・・・そのゲームはあっという間に終わった。制限時間の半分も経たないうちに、全員が死んだ。殺し合い戦う中で。最後の2人になったエイトさんとソロさんは決闘をしたけど、2人とも最後は崩壊する建物と、燃え盛る炎に包まれて消えた。最期の最後まで罵り合い、切り刻み合いながら。
・・・これって・・・今まで行われてきたゲーム・・?
ここじゃない、平行世界のボクらの、殺し合いのゲーム・・・・?
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そうか、君は俺の子孫ではないのか。いや、話すと長いんだ
ボクらはゲームには乗らないよ。でももしかしたら誰かが・・・
・・俺は、やる。俺のせいで人生を失った人たちに、詫びるんだ・・・
レックさん危ない!あの人だよ、最初に襲ってきたの・・・!