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伝説の超ニート トロもず
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ドラクエ:disorder 歪みゆく英雄譚の交錯 第41話

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・・・駄目だ。これ以上は。このままじゃアレンまで・・・・・・・・・

サマル「・・アレン。行って。ボク、脚をやられちゃったから・・・もうダメだよ。もう、間に合わない」

アレン「な・・何バカなこと言ってんだ!ゲホッ・・・早く掴まれ!」

アレンはボクの腕を自分の肩に回して立ち上がらせようとした。でもボクはわざと脚に力を入れず、アレンの体から腕を離した。

その時、針が肩を大きく抉った。衝撃で身体ががくんと傾いて、うつ伏せに倒れ込んでしまう。

アレン「サマルッ!!何やってる!!早く・・・!!」

サマル「お願いだから行って!!ボクは助からないよ、もう走れないんだから!!」

思いがけずボクが大声を出したことに、アレンは驚いたようだった。

サマル「ボクを支えながら行ったら間に合わなくなる・・・ボクなんかのために、アレンに死んで欲しくない!!お願いだから行ってアレン!!行ってッ!!」

アレン「馬鹿野郎!!そんなこと・・・・・ッ!!」

・・・・・アレンの目が、大きく見開かれた。そして、ボクの体に覆い被さるように・・・

サマル「・・・・え・・・・・・・?」

直後、衝撃。
・・・一瞬、何があったのかわからなかった。でも顔に落ちてくる熱い血と肺が焼け落ちそうな熱気、そして・・・真横に伸びてきて目の前にある針が、今の状況をボクに教えてくれた。

・・針がボクの頭に刺さりそうになったのを、アレンは自分の体で・・・・・
ボクは両手両足をついた状態だから突き飛ばすことも、引っ張ってよけさせることもすぐにはできなくて・・・だから、自分で・・・・・・

・・・・・・そんな。
・・・・・・・・・・・・・・・・そんな・・・・・・・・・!

アレル「アレンッ!!!」

アレン「・・・・・・・・・・・・・か、ふっ・・・・・・」

針は、アレンの喉元より少し下の辺りに刺さった。肉が焼けて、血が焦げる匂いが鼻をついて・・・・・

サマル「・・・あ・・・・あぁ・・・・っ・・・・・・・・・・?」

・・・・・・・嘘。こんなの、違う・・・信じない、信じない。
違うこれはこんなの現実じゃない、こんな・・・アレンが、アレンが・・!!

サマル「・・ど・・・して・・・・・アレン・・・・」

アレン「・・・・・サ・・・・マル・・」

血がボタボタ落ちてきて、ボクは右目を火傷した。けど目を閉じることはできなかった。
アレンが、・・・なんで・・・どうして、こんな・・・・・・・・

サマル「い・・・嫌だ・・・嫌だよアレン・・・うわああああ!!」

がくんとアレンの体が傾いて、倒れた。
ボクは必死にその血まみれの体にすがりついて叫んだ。

サマル「嫌だ嫌だ嫌だ!!ねえ起きて・・起きてよアレン・・・!!!」

アレン「・・・・逃、げろ・・・はや・・・・・く・・・・」

サマル「いやだあああああ!!!なんで!?なんでええぇぇ!!?なんでボクじゃないのぉぉ・・・!!?」

アレン「・・・・・・。・・・早く逃げろ・・・いいか、絶対・・・」

アレンはボクの顔にゆっくり手を添えて、

アレン「・・絶対・・・死ぬんじゃないぞ・・・わかったな・・・・?」

サマル「や・・やだ、アレンが死んじゃうならボクもっ・・・!!」

・・言い終わらないうちに、誰かに足を掴まれた。怪我していない方の足。
びっくりして振り返ると、足を掴んでいたのは・・・・

サマル「・・・ひィッ・・・!?」

ぐちゃぐちゃに壊れた身体を魔法で申し訳程度に回復して、やっと人の形になるくらいの姿で・・・・

サマル「な・・・・何・・・・・っ」

アレン「・・・・サマ、ル」

アレンの声で再び振り返る。もう既に息をしてない。
最後のひと呼吸で、ボクに言葉を・・・・・・

サマル「・・・ぁ・・・・・・」

アレン「・・・一緒にいてやれなくて、ごめん・・・な・・・・・・・・」

・・・・・・そん、な。

次の瞬間、すごい力で足を引っ張られた。
当然ボクの体はそれに従い、どんどん引きずられて行く。

サマル「な・・・ソロさん!?やだ、やめて!!やめ・・・嫌だ!!アレンッ、アレンを助けてよ!!!嫌だああああぁぁああぁぁああぁぁ!!!」

倒れたアレンの姿が遠ざかっていく。必死の思いで手を伸ばして暴れたけど、届かない。どんなにやっても届かない・・・。
嫌だ・・・嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!どうして!?どうしてアレンを助けてくれないの!?どうしてボクなの!?

どうしてアレンが死んで、ボクが生きなきゃならないの・・・・!?


ガシャンッ


大きな扉が開く音。見るとアベルさんが歯を食いしばりながら扉を開けて・・・・・・他のみんながなにか大声で叫んだり喚いたりしている声が聞こえる。
アレル様がアレンの方へ行こうとするのを、レックさんが羽交い絞めにして止めて・・・・・アレフ様が地面に座り込んで呆然としていて・・・・・

・・・・・・・どうして、こんなことに・・・・・・?

・・・・どうして?

どうして?

・・・・ボクのせいだ。ボクがアレンの足を引っ張って・・・・あんな、こと・・言わないでちゃんと進んでれば・・・もっと気をつけて集中して進んでれば・・・
・・・・・助からないなんて、思ってなければ・・こんなことには・・・

・・・・・・・あ・・・・・・・あああぁぁあああああぁぁぁああぁぁ。

レック「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

アレル「・・・・・なんでだよ・・・なんで止める!?今ならまだ・・!!」

サマル「・・・・ぁ・・・アレル・・・様ぁ・・・ああぁぁ」

気が付くと、ボクは項垂れたまま顔だけをアレル様の方に向けて、震えながら手を伸ばしていた。

アレル「・・・・・・サマル」

サマル「あぁ・・・うぁっ・・・・た、・・す・・助け・・てぇ・・ええぇぇ・・・・」

涙と一緒に、ボクの命も流れ出ているような気がする。
そうしたらアレンと一緒にいられる?・・こんな世界に取り残されなくて済む・・・?

アレル「・・・・・・――ッ・・・・・・・・・」

アレル様はしばらく呆然とボクを見たあと、真っ青な顔で膝をついて・・・ボクを抱きしめた。

・・・・・ごめん、なさい。
ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。

誰かボクを・・・・・死なせて・・・・・・・ください・・・・・・・・・・。