二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」
なかのあずま
なかのあずま
novelistID. 54195
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

機動戦士Oガンダム

INDEX|12ページ/46ページ|

次のページ前のページ
 

 新一・N・迫水が鼻をほじる様に興味なさげに言った。彼もゼーレーヴェ隊のパイロットである。
「じゃあ彼女はそこにいるんですね!」
 「まだいると決まったわけじゃないわ」
キューベルは再び目障りになったクビツェクに衝動的に言い返した。
「艦長!」アルマが再び何かを捉えた。「ポイント付近に反応があります!」
レーダーにはUNKNOWNと表示されており、連邦軍の物である可能性が高かった。
 これでは回収目標が連邦軍に渡ってしまう、それだけは避けたい。「総員!!第二種戦闘配置!!!」
 高くも芯の入ったキューベルの声は、小柄とは思えないほどの声量があった。
 「「「「了解!!!」」」」
ゼーレーヴェ隊が出撃準備を整える中、クビツェクは再び右往左往していた。

                    ≠

 気が付けば時計の針は午後の6時を指していた。
 まともな整備をされてないこのコロニーで微妙な調節は利かず、白夜を作りだしてしまう事すらあった。
 ヒビの入った机の上には解凍されたシチューやスープが並んでおり、リモーネは目を輝かせた。
 「わーっ美味しそうだねぇ!いただきまぁす!」
「ちゃんとしたやつじゃないから口に合うかわからないけど」
 というファナの言葉もお構いなしに、彼女にとって久しぶりの食事はみるみる中へ入っていった。空腹が一番の調味料とはよく言ったものだ。<改ページ>
 「あ、あの」
「ん?」リモーネの口は小動物が食事をするように膨れていた。
 「その…さっき逃げてるって言ってたのを思い出して」
 実際には思い出したのではなく、聞くタイミングが無く切り出せずにいた。それに、聞いていいことなのかもわからなかった。
「あー・・・」
 リモーネが口の中を一気に飲みこみ、困ったような表情を浮かべると、子供のような幼さは影をひそめ大人の妖艶さがほんのりと醸し出された。
『やっぱり大人の人なんだ』とファナは感じた。
 「なんて言ったらいいのかなぁ…」話しづらいというよりかはどう話すかを悩んでいるようだ。
「ご、ごめんなさい!無理に話さなくて大丈夫!」
 「え?そう?
 じゃあまた今度話すね!ちょっと面倒な話だから」
幼さが戻った、かと思えば彼女はガクンと首を落とした。
「リモーネさん!?」
 「え、あぁ…急に眠くなっちゃって・・・」きっとずっと気が張っていたのだろう。彼女はそういう人なんだ。
「今日はもう寝てください。ご飯はしまっておきますから」
 「うん…ありがとう」
 リモーネは、皮が破け綿の出ているソファの上にそのまま横になり、静かに寝息をたてた。
 机の上を片付け終わり、ファナもやっと気が抜けた。「綺麗な人だなぁ」
 なにかと世話しなかったリモーネの、あどけなさの残る寝顔を見て、ファナに安息の時が訪れた。
 今日この一日は彼女の心に刻まれるであろう。一生忘れることのない傷として

                    ≠

「総員!!第二種戦闘配置!!!」
 ゼーレーヴェ隊が出撃準備のためモビルスーツデッキへ向かう中、急遽出撃の決まったクビツェクは慌ててノーマルスーツに着替えていた。
 ニュータイプ研究所の職員ではあるが、過去に入隊経験があるクビツェクは、ある程度モビルスーツの操縦ができた。しかし基礎の基礎しか学んでいないので戦場に出てしまえば結果は目に見えた物だろう。<改ページ>
 なんとかノーマルスーツを着てデッキへ向かうと、ゼーレーヴェ隊隊長、カルベルタ・東條が鋭い眼光をクビツェクに向けた。被験者の追跡時にかつての隊長ダイアズ・スーンが死亡し、二番手であった東條が隊長になったのだ。
 「わざわざ死亡扱いの人間を見つけてなんになるのか・・・」彼は静かな苛立ちを見せながら吐き捨てた。
 「実験はすでに成功済と聞いたが?なんの実験かは知らんが」
「彼女達の、被験者と実験体の比較データを取るためです」
 「まぁいい、ダイアズは上からの命令としか言っていなかった」
「いや、ちゃんと説明は」
 「あの頭では理解できなかったんだろう」
「あのぉ〜出撃するんじゃないんですかぁ〜?」
 モビルスーツに搭乗せずにデッキで話し込む二人に、エヴァ・アルバトロスの気の抜けた声がR・ジャジャのコックピットから投げられた。
 「エヴァはガザDで出撃」と言って、東條は自身の専用機ともいえるモビルスーツ、べルドルフに乗り込んだ。

 ゼーレーヴェ艦のカタパルトデッキからべルドルフ、先行試作型R・ジャジャ、ガ・ゾウム2機、ガザDが発進しコロニーのUNKNOWNへ向かった。
 「あれは・・・」
 先陣を切った東條がモニター上のコロニー付近に何かを捉えた。「こちら東條、アンノウンは連邦軍の戦艦かと思われる。それと」
 ズームした映像に、東條は戦慄した。
 「ガンダムが既に動いている、用心してかかれ」