機動戦士ガンダムRSD 第12話 血に染まる海
宇宙では、地球降下艦隊を直掩する部隊が哨戒任務に就いていた。
「オペレーション・スピアオブトワイライト、発動マイナス60秒」
コロニー軍総司令部のオペレーターがカウントダウンをしていた。
「射出角度微調整、コンマ3」
別のオペレーターが角度調整をしていた。
「オーサー、ドマニシ、カタンダ各隊、射出準備完了」
別のオペレーターが艦隊の降下状況を報告した。
「半径600に敵影なし。
カウントダウン続行」
別のオペレーターが索敵状況を報告した。
「マイナス5、4、3、2・・・・降下開始」
別のオペレーターの命令で軌道上の艦隊が次々に降下を始めた。
※
それは、地球軍側も気づいた。
「ガーデルーター発降下アラームスクランブル。
総員第一戦闘配備。
繰り返す、総員第一戦闘配備」
会場で待機命令を受けていた地球連合海軍艦隊のオペレーターが艦内放送で伝えた。
「何だ?」
整備員の1人が戸惑っていた。
「コロニー軍の降下部隊だ」
別の整備員が状況を伝えた。
※
降下した艦隊から次々とベースジャバーに載ったマン・マシーン隊が発進した。
※
さらにマドラス基地からも増援として艦隊が次々に発進した。
そして戦闘が始まった。
※
ユーラシア連邦軍の新型量産機であるウィンダムは、ジェットストライカーを装備し飛行して迎撃に出た。
1機のユーピテルは、ビームライフルで撃墜された。
艦隊も迎撃用のミサイルと弾幕を張った。
※
シグマン少佐は、リクリエーションルームで座っているミサキ中尉を見かけた。
「よう、ミサキ中尉」
シグマン少佐は、ミサキ中尉に声をかけた。
「シグマン少佐」
ミサキ中尉は、シグマン少佐に気付いて立ち上がり敬礼した。
「ちょっと見かけたから声をかけただけなんだけど何を食べてるんだ?」
シグマン少佐は、ミサキ中尉が何かを食べてるのに気付いた。
「新発売の黒糖スナックです。
サクサクのふわふわでおいしいんです」
ミサキ中尉は、幸せそうに答えた。
「うまそうだな。
ただ」
シグマン少佐は、捕捉を入れようとして止めた。
「ただ?」
ミサキ中尉もその続きが気になった。
「そんなに食べてばかりいるとデブになるぞ」
シグマン少佐がミサキ中尉に忠告した。
※
α艦隊は、順調に航海をしていた。
「間もなく防衛網から出ます」
ハーマン中佐がマーカー艦長に報告した。
「降下作戦は、どうなってるんだ。
マドラス基地との連絡は?
まだ取れないか?」
マーカー艦長がエルヴィン中尉に質問した。
「はい。
呼び出しは、ずっと続けているんですが」
エルヴィン中尉が暗く答えた。
マーカー艦長は、その答えに表情を曇らせた。
「本艦前方20に多数の熱紋反応」
ヘルマン中尉が索敵結果を報告した。
その報告にマーカー艦長とミハイル副艦長は、緊迫した表情をした。
「これは、地球軍艦隊です。
ステングラー級4、ダニロフ級8、他にも10隻ほどの中小艦艇を確認。
本艦前方左右に展開しています」
エルヴィン中尉が艦種と数を報告した。
「思ったほど少ないな」
マーカー艦長は、そうぼやいた。
※
地球軍艦隊旗艦の艦長は、肉眼でα艦隊を視認するとモビルスーツ部隊の発進命令を出した。
※
それは、α艦隊も確認できた。
「どういうことですか?
こんな数しかいないなんて」
アルベルト曹長が敵の真意がわからず不安になった。
「地球軍とてこんな戦力でトリントン基地を攻略しようとは、考えていないはず。
あれは、先遣隊だな」
ハンナ大尉が敵の正体を推測した。
※
「そ、そんなバカな」
クランシー准尉は、ドゴス・ギア内の自動販売機前でショックを受けていた。
「あまりにものどが渇いたから自販機まで飲み物を買いに来たのにはずれの飲み物しか残ってないじゃないか」
ショックの原因は、自分がほしいと思っていた飲み物が全て売り切れだったからだった。
(やっぱり水を貰いに行くか)
クランシー准尉は、普通の飲料水を貰うか自販機の飲料にするか悩んだ。
(決めた。
こうなったら何でもいいから買ってやる)
クランシー准尉は、つまらないことで意地を張った。
そして『濃厚!わんぱくバナナ』という飲み物を買い取り出した。
(これが『濃厚!わんぱくバナナ』か)
クランシー准尉は、初めて見る飲み物をまじまじと見ていた。
(なんだか勢いでつい買っちゃったけど飲料の商品名に『わんぱく』だなんて嫌な予感がひしひしとするぞ)
クランシー准尉の心は、自暴自棄から後悔の念がだんだんと増していた。
(でも今更仕方ないよな)
クランシー准尉は、ステイオンタブを開けた。
「よし、飲んでみるか」
クランシー准尉は、気合を入れて『濃厚!わんぱくバナナ』を飲んだ。
※
「艦長」
ミハイル副艦長は、マーカー艦長に指示を仰いだ。
「ああもう。
ああだこうだ言ってもしょうがないだろ。
第一戦闘配備。
ブリッジ遮蔽。
対艦、対モビルスーツ戦闘用意。
大気圏内戦闘だ、ミハイル。
解ってるな」
マーカー艦長がミハイル副艦長に確認した。
「は、はい」
ミハイル副艦長は、緊張しながら答えた。
「第一戦闘配備。
第一戦闘配備。
パイロットは、搭乗機にて待機せよ」
エルヴィン中尉が艦内放送で呼びかけた。
ジョニー中尉、カレン中尉とキリー中尉がブリーフィングルームからエレベーターでマン・マシーンデッキに向かおうと乗ろうとしていた。
「第一戦闘配備ってなんで?」
ジョニー中尉がカレン中尉に質問した。
「知らないわよ。
何であたしに聞くの?」
カレン中尉は、怒りながら答えた。
リーン・ホースJr.のブリッジが戦闘ブリッジに移行し終えた。
その時マーカー艦長が艦内電話を取った。
「艦長、マーカー・ハングよりリーン・ホースJr.全クルーへ」
「最終チェック急げ」
マン・マシーンデッキでは、整備班長のゼハート・ルース中尉が指示を出していた。
「現在本艦の前面には、空母4隻を含む地球軍艦隊が存在しさらに敵の戦力から推測するとα艦隊を囲むような包囲網を構築するはずである」
「空母4隻?」
「更なる包囲網?」
その言葉に搭乗機に乗ろうとしていたパイロットの足も一時止まった。
「地球軍は、本艦の出港を知り網を張っていたと思われる。
地球軍の展開は、速いと思われる。
我々には、前方の地球軍艦隊突破の他に活路はない。
これより開始される戦闘は、かつてないほどに厳しいものになると思われるがわが艦隊はなんとしてもこれを突破しなければならない。
それでもα艦隊の誇りと国民を護るべくこの戦いに勝利を収めるのだ」
マーカー艦長の鼓舞は、終わった。
「クソ」
パイロットたちは、各々悪態をついたり士気が上がったりしていた。
そしてパイロットたちは、各々の機体に搭乗した。
「オペレーション・スピアオブトワイライト、発動マイナス60秒」
コロニー軍総司令部のオペレーターがカウントダウンをしていた。
「射出角度微調整、コンマ3」
別のオペレーターが角度調整をしていた。
「オーサー、ドマニシ、カタンダ各隊、射出準備完了」
別のオペレーターが艦隊の降下状況を報告した。
「半径600に敵影なし。
カウントダウン続行」
別のオペレーターが索敵状況を報告した。
「マイナス5、4、3、2・・・・降下開始」
別のオペレーターの命令で軌道上の艦隊が次々に降下を始めた。
※
それは、地球軍側も気づいた。
「ガーデルーター発降下アラームスクランブル。
総員第一戦闘配備。
繰り返す、総員第一戦闘配備」
会場で待機命令を受けていた地球連合海軍艦隊のオペレーターが艦内放送で伝えた。
「何だ?」
整備員の1人が戸惑っていた。
「コロニー軍の降下部隊だ」
別の整備員が状況を伝えた。
※
降下した艦隊から次々とベースジャバーに載ったマン・マシーン隊が発進した。
※
さらにマドラス基地からも増援として艦隊が次々に発進した。
そして戦闘が始まった。
※
ユーラシア連邦軍の新型量産機であるウィンダムは、ジェットストライカーを装備し飛行して迎撃に出た。
1機のユーピテルは、ビームライフルで撃墜された。
艦隊も迎撃用のミサイルと弾幕を張った。
※
シグマン少佐は、リクリエーションルームで座っているミサキ中尉を見かけた。
「よう、ミサキ中尉」
シグマン少佐は、ミサキ中尉に声をかけた。
「シグマン少佐」
ミサキ中尉は、シグマン少佐に気付いて立ち上がり敬礼した。
「ちょっと見かけたから声をかけただけなんだけど何を食べてるんだ?」
シグマン少佐は、ミサキ中尉が何かを食べてるのに気付いた。
「新発売の黒糖スナックです。
サクサクのふわふわでおいしいんです」
ミサキ中尉は、幸せそうに答えた。
「うまそうだな。
ただ」
シグマン少佐は、捕捉を入れようとして止めた。
「ただ?」
ミサキ中尉もその続きが気になった。
「そんなに食べてばかりいるとデブになるぞ」
シグマン少佐がミサキ中尉に忠告した。
※
α艦隊は、順調に航海をしていた。
「間もなく防衛網から出ます」
ハーマン中佐がマーカー艦長に報告した。
「降下作戦は、どうなってるんだ。
マドラス基地との連絡は?
まだ取れないか?」
マーカー艦長がエルヴィン中尉に質問した。
「はい。
呼び出しは、ずっと続けているんですが」
エルヴィン中尉が暗く答えた。
マーカー艦長は、その答えに表情を曇らせた。
「本艦前方20に多数の熱紋反応」
ヘルマン中尉が索敵結果を報告した。
その報告にマーカー艦長とミハイル副艦長は、緊迫した表情をした。
「これは、地球軍艦隊です。
ステングラー級4、ダニロフ級8、他にも10隻ほどの中小艦艇を確認。
本艦前方左右に展開しています」
エルヴィン中尉が艦種と数を報告した。
「思ったほど少ないな」
マーカー艦長は、そうぼやいた。
※
地球軍艦隊旗艦の艦長は、肉眼でα艦隊を視認するとモビルスーツ部隊の発進命令を出した。
※
それは、α艦隊も確認できた。
「どういうことですか?
こんな数しかいないなんて」
アルベルト曹長が敵の真意がわからず不安になった。
「地球軍とてこんな戦力でトリントン基地を攻略しようとは、考えていないはず。
あれは、先遣隊だな」
ハンナ大尉が敵の正体を推測した。
※
「そ、そんなバカな」
クランシー准尉は、ドゴス・ギア内の自動販売機前でショックを受けていた。
「あまりにものどが渇いたから自販機まで飲み物を買いに来たのにはずれの飲み物しか残ってないじゃないか」
ショックの原因は、自分がほしいと思っていた飲み物が全て売り切れだったからだった。
(やっぱり水を貰いに行くか)
クランシー准尉は、普通の飲料水を貰うか自販機の飲料にするか悩んだ。
(決めた。
こうなったら何でもいいから買ってやる)
クランシー准尉は、つまらないことで意地を張った。
そして『濃厚!わんぱくバナナ』という飲み物を買い取り出した。
(これが『濃厚!わんぱくバナナ』か)
クランシー准尉は、初めて見る飲み物をまじまじと見ていた。
(なんだか勢いでつい買っちゃったけど飲料の商品名に『わんぱく』だなんて嫌な予感がひしひしとするぞ)
クランシー准尉の心は、自暴自棄から後悔の念がだんだんと増していた。
(でも今更仕方ないよな)
クランシー准尉は、ステイオンタブを開けた。
「よし、飲んでみるか」
クランシー准尉は、気合を入れて『濃厚!わんぱくバナナ』を飲んだ。
※
「艦長」
ミハイル副艦長は、マーカー艦長に指示を仰いだ。
「ああもう。
ああだこうだ言ってもしょうがないだろ。
第一戦闘配備。
ブリッジ遮蔽。
対艦、対モビルスーツ戦闘用意。
大気圏内戦闘だ、ミハイル。
解ってるな」
マーカー艦長がミハイル副艦長に確認した。
「は、はい」
ミハイル副艦長は、緊張しながら答えた。
「第一戦闘配備。
第一戦闘配備。
パイロットは、搭乗機にて待機せよ」
エルヴィン中尉が艦内放送で呼びかけた。
ジョニー中尉、カレン中尉とキリー中尉がブリーフィングルームからエレベーターでマン・マシーンデッキに向かおうと乗ろうとしていた。
「第一戦闘配備ってなんで?」
ジョニー中尉がカレン中尉に質問した。
「知らないわよ。
何であたしに聞くの?」
カレン中尉は、怒りながら答えた。
リーン・ホースJr.のブリッジが戦闘ブリッジに移行し終えた。
その時マーカー艦長が艦内電話を取った。
「艦長、マーカー・ハングよりリーン・ホースJr.全クルーへ」
「最終チェック急げ」
マン・マシーンデッキでは、整備班長のゼハート・ルース中尉が指示を出していた。
「現在本艦の前面には、空母4隻を含む地球軍艦隊が存在しさらに敵の戦力から推測するとα艦隊を囲むような包囲網を構築するはずである」
「空母4隻?」
「更なる包囲網?」
その言葉に搭乗機に乗ろうとしていたパイロットの足も一時止まった。
「地球軍は、本艦の出港を知り網を張っていたと思われる。
地球軍の展開は、速いと思われる。
我々には、前方の地球軍艦隊突破の他に活路はない。
これより開始される戦闘は、かつてないほどに厳しいものになると思われるがわが艦隊はなんとしてもこれを突破しなければならない。
それでもα艦隊の誇りと国民を護るべくこの戦いに勝利を収めるのだ」
マーカー艦長の鼓舞は、終わった。
「クソ」
パイロットたちは、各々悪態をついたり士気が上がったりしていた。
そしてパイロットたちは、各々の機体に搭乗した。
作品名:機動戦士ガンダムRSD 第12話 血に染まる海 作家名:久世秀一