機動戦士ガンダムRSD 第12話 血に染まる海
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ユーラシア連邦所属艦隊は、ウィンダムとスローダガーを発進させた。
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「ミサイル発射管2番と7番に地上用ミサイル、装填。
シウス、主砲、副砲起動」
ミハイル副艦長が火器の使用準備命令を出した。
「ラー・グスタの部隊は、発進後あまり艦隊から離れるなと伝えろ。
サイジョウ元帥とサオトメ大佐には、モビルスーツを突破し艦を沈めることを優先するように伝えろ」
マーカー艦長がエルヴィン中尉に命令した。
「了解」
エルヴィン中尉が答えた。
「主砲と副砲は、左舷の巡洋艦に火力を集中。
左を突破する」
マーカー艦長が作戦を伝えた。
「了解」
ミハイル副艦長が答えた。
「カタパルト推力正常。
針路クリア。
ガンダムサイガーMk-2、発進どうぞ」
エルヴィン中尉がサオトメに発進準備完了だと伝えた。
「アツシ・サオトメ、ガンダムサイガーMk-2出る」
ガンダムサイガーMk-2は、発進した。
α艦隊からは、次々とマン・マシーンが出撃した。
「海に落ちるなよ、カレン。
落ちても拾っては、やれない」
ジョニー中尉は、カレン中尉に忠告した。
「意地悪ね」
カレン中尉は、あまり心配していなかった。
なぜなら汎用性の高いガンダムサイガーが自分の艦隊にいるからだ。
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ユーラシア連邦所属艦隊旗艦のブリッジでは、司令官が役者が揃ったと感じた。
「さてロアノークの報告の真偽のほど確かめさせてもらおうか」
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モビルスーツ部隊とマン・マシーン部隊の距離は、徐々に接近していった。
サオトメは、遠距離からメガ・ビームライフルを撃った。
モビルスーツ隊は、何とか回避したものの後方の艦船は直撃し沈んでいった。
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ウィンダム隊とスローダガー隊は、それでもひるまず接近し続けた。
「ここで全滅したら死んでいった者たちに合わせる顔がないと思え」
隊長は、部下を鼓舞した。
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「行け」
サオトメは、単機モビルスーツ隊の中に突っ込むとメガビームラフルで1機の新型量産機を撃墜した。
敵機がビームライフルで反撃してきたが回避すると別の機体をメガビームライフルで撃墜した。
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ユーラシア艦艇もα艦隊に艦砲射撃を行ったが挟叉弾にもならなかった。
「副砲およびミサイル発射管1番から7番地上用ミサイル、撃て」
ミハイル副艦長の命令でリーン・ホースJr.は、ミサイルと副砲を撃った。
こちらは、いくつかの挟叉弾と命中弾があり命中弾を受けた艦艇は爆沈した。
マン・マシーン隊を突破したモビルスーツ隊は、艦艇への攻撃を行おうとしたが直掩機に阻まれなかなか攻撃できなかった。
α艦隊は、すさまじい猛攻の中を悠々と進軍していた。
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キリー中尉は、新型量産機がバルカン砲を撃ってきたので回避した。
そしてビームライフルで反撃したが回避された。
すると別の機体がバズーカを撃ってきた。
キリー中尉は、驚き何とか回避した。
「強力な武器だ。
シールドでも防ぎきれない。
アンディー」
キリー中尉は、思わず弱音を吐いた。
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「そうだ。
こちらは、攻撃を受けている。
少しは、援護してもいいだろ」
ジャンヌ・ダルクの艦長のユーイチ・ストルツ准将が降下艦隊に援護を要請していた。
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サオトメは、周りの状況を確認していた。
数は、多く四方八方からビーム攻撃を受けていた。
背後から直撃弾が来たためメガビームシールドで防いだ。
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リーン・ホースJr.では、戦況が報告されていた。
「3時方向よりモビルスーツ接近。
数3」
ヘルマン中尉が報告した。
「回避。
取り舵10」
マーカー艦長が命令した。
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「こいつら」
ラー・グスタ所属のアリーナ・ハヤミ中尉は、悪態を吐きながら敵機にビームライフルを撃った。
ラー・グスタ所属のアルバート・ハミルトン大尉は、6連ミサイルを撃ち2機のマイナーチェンジ量産機を撃墜した。
1機のマイナーチェンジ量産機は、ロケット弾を2発発射した後撃墜された。
そのロケット弾も迎撃された。
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ユーラシア連邦軍の猛攻でとうとうセント・アイビスが直撃弾を受けた。
その衝撃は、ブリッジを襲った。
オペレーターは、機器に体をうちつけた
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「各機、こんなところで」
サオトメは、そういうとカスタム・ビームザンバーを抜くと1機の新型量産機を撃墜した。
「やられるなよ」
サオトメは、部下を鼓舞した。
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キラ大佐は、基地から太平洋の方角を見ていた。
そこに側近が来た。
「どうしましたか、大佐」
側近は、優しくキラ大佐に質問した。
「誰かが殺されてる。
またサオトメに」
キラ大佐は、怒りを含んだ声で答えた。
側近は、驚いたが何を言えばいいかわからなかった。
「なんでだろう。
そんなに人を殺すのって楽しいのかな」
キラ大佐には、サオトメの気持ちが理解できなかった。
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ユーラシア連邦艦隊は、α艦隊に向けミサイルを発射した。
しかしα艦隊のどの艦も目立った被害は、なかった。
「4時の方向よりミサイル接近。
多数」
ヘルマン中尉が報告した。
「回避。
面舵20、迎撃」
マーカー艦長が命令した。
CIWSで多数のミサイルは、迎撃し迎撃損ねたミサイルもミノフスキーバリアによって直撃にはならなかった。
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サオトメは、カスタム・ビームザンバーで2機の新型量産機を立て続けに撃墜した。
リーン・ホースJr.の目の前で撃墜された新型量産機が墜落した。
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タラワ級やスペングラー級からは、次々とウィンダムが発進した。
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それは、直掩隊でも確認できた。
「ちょっとあの数は、冗談じゃないわよ」
アリーナ中尉は、戦況を不安を募らせた。
「余計な口きいてる暇があるのか」
アルバート大尉が喝を入れた。
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ユーラシア連邦艦隊旗艦のブリッジでは、敵の状況を見ていた。
「なるほど。
確かになかなかやる艦隊だな。
ザムザザーは、どうした。
あまりに獲物が弱ってからでは、効果的なデモは取れないぞ」
司令官が奥の手を出すなら今だと感じていた。
「準備でき次第発進させます」
近くにいた将校が答えた。
「身贔屓かもしれないがね私は、これからの主力はああいった新型のモビルアーマーだと思っている。
大西洋連邦の真似をして作った蚊トンボのようなモビルスーツよりもな」
司令官は、時代を作るのはモビルスーツではなくモビルアーマーだと感じていた。
「ズール01リフトアップ。
作品名:機動戦士ガンダムRSD 第12話 血に染まる海 作家名:久世秀一