機動戦士ガンダムRSD 第12話 血に染まる海
そして1隻のスペングラー級に乗ると対空バルカン砲がガンダムサイガーMk-2を撃ったがガンダムサイガーMk-2には効かなかった。
「沈め」
サオトメは、そういうとブリッジ上下真っ二つに切り上部が落ちていった。
※
艦橋には、まだ兵士が残っており彼らは転ばないように固定物にしがみついていた。
※
サオトメは、後方の艦隊の動きを見た。
攻撃は、止んでいた。
サオトメは、そのスペングラー級から離れると爆沈した。
※
脱出したユーラシア連邦兵士たちは、阿鼻叫喚で騒いでいた。
※
リーン・ホースJr.のブリッジでは、友軍の働きではあるが皆は別次元の力に恐怖を感じていた。
「地球軍艦隊は、撤退します」
ヘルマン中尉が報告した。
※
キラ大佐は、悲しそうに太平洋の向こうの地平線を見ていた。
※
ワシントンにあるホワイトハウスの大統領執務室では、アスラン中将がパイロットスーツに袖を通した。
ラクスもアスラン中将のその姿に興奮していた。
「これを」
そういってデュランダル大統領が見せたのは、FAITHのバッジだった。
「これは、FAITH」
アスラン中将は、驚いた。
「君をファントムペインの指揮下に置きたくないしかといって通常の指揮下にも置きたくない。
君とて困るだろう。
その為の便宜上の措置だよ。
忠誠を誓うという意味の部隊ーフェイスだがね。
君は、己の信念や信義に忠誠を誓ってくれればいい」
デュランダル大統領は、アスラン中将に戦う理由を説いた。
「大統領」
アスラン中将は、再び期待度の重さを知った。
「君は、自分の信ずるところに従い今に堕することなくまた必要な時には戦っていくことの出来る人間だろ?」
デュランダル大統領は、アスラン中将に自分がどういう人間か質問した。
「そうでありたいと思ってはいますが」
アスラン中将は、願望を言った。
「君になら出来るさ。
だからその力をどうか必要な時には使ってくれたまえ。
大仰な言い方だが地球や大西洋連邦の為だけではなく皆が平和に暮らせる世界の為に」
デュランダル大統領は、アスラン中将に護るものを伝えた。
アスラン中将は、FAITHのバッジを手に取った。
「はい」
アスラン中将は、デュランダル大統領の期待に答えようと決心した。
デュランダル大統領は、ラクスを見た。
ラクスは、デュランダル大統領に優しく微笑んだ。
※
アスラン中将は、セイバーガンダムを起動させながらデュランダル大統領の言葉を思い出していた。
(死神のことも気になるところだろうから君は、このままミネルバに合流してくれたまえ。
あの艦にも私は、期待している。
以前のアークエンジェルのような役割を果たしてくれるのでは、ないかとね。
君もそれに手を貸してやってくれたまえ)
セイバーガンダムに繋がっていたパイプがはずれ扉が開いた。
アスラン中将は、セイバーガンダムを倉庫の外に出すとスラスターを展開した。
「アスラン・ザラ、セイバー、発進する」
アスラン中将がそういうとセイバーガンダムは、オーブ首長国連邦へ向けて飛行した。
作品名:機動戦士ガンダムRSD 第12話 血に染まる海 作家名:久世秀一