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伝説の超ニート トロもず
伝説の超ニート トロもず
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ドラクエ:Ruineme Inquitach 記録004

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Okay, fucking asshole has gone. Smile. But you've made a serious matter.
...Just kidding.
It's over,don't worry.

Hi there! It's me.――誰だって?その辺は、あんまり気にしないで頂きたい。
このデータファイルを最後まで確認せず消すも良し。無視して放置するも良し。真に受けて慌てふためくも、また良し。
どうぞご自由に!出来るもんならな!

事なかれ主義の連中からは何も言われてないだろうから、こっちから直々に事態が急変したことを教えてやる。

さあ、まずは喜べ。あんたらの命が危険に晒されることはひとまずなくなったんだ。くそいまいましいモンスターどもに怯えて過ごすのはもう沢山だろう?どうせあんたらは原因を追究する時間も気力も持ち合わせてないんだし、異論はないよな。

そして次に、今この世界はマジでヤバいと知れ。もうわかってるとは思うが実際はその想像の10倍ヤバい。
あんたらだけじゃとてもじゃないが、解決できんだろう。
だから手を貸してやる。その代わり協力しろ。

で、その為にまずワンの頭に入ってるクソッタレの機械を外すよう何らかの策を打ってほしい。
それだけだ。まあ、じき上の奴らから説明があるだろうよ。

「・・・・・博士。もしやこれは・・・・・・」

「・・・ええ。“彼”ね」

「・・これがですか。・・・・・・・確かにクレイジーだわ・・・・」

「・・・・・ん、何をしてるんだ?」

横たわる“兵器”の頬に片手を添え、もう片方の手で素早く端末を操作するベルティーニ博士。
高速で何か文章を打っているようだ。

「新しく問題ができたのよ・・・たった今ね。私が知ってる中で一番のトラブルバスターに応援を頼もうと思って。・・・・・・?」

しかし、ふとその手が止まった。

「・・・・・・・。・・・・・何なの、これ・・・・・」

・・データファイルの返信を試みたが、端末が反応しない。
それどころか主要基盤システムが次々と無力化し、勝手に暗号化していくのだ。

「・・そんな、ノーメマイヤーが。・・どうしたら・・・。・・ああッ、私が急いで戻るのが一番早いわね」

「・・・ベルティーニ博士、どちらへ?」

「アルカディア本部に。グレー大尉、貴女はここに残ってワンの様子を見ていてくれるかしら。ここを動かないで。何かあってもすぐには知らせられないでしょうけど、できるだけ早くここに戻るわ。大丈夫よ、貴女に何も起きないことはこの私が保証する。信じて」

「・・・・・・・わかりました。“彼”についてのことも、指示通りに対応しておきます」

「ジェームス元帥は別の仕事がおありでしょう。定期的に―そうね―10分おきにノーメマイヤーを介さない簡易信号を送るわ。準備が整い次第お返事を頂きたいのだけれど」

「了解したよ、ドクター。色々混乱してはいるがまあうまくやるさ、いつものことだ。さあ、そうと決まれば思う存分急ぐといい」




━─━─ 記録004 “彼ら”




―現在

「そうだな、知ってるとも。エリアS全域の安全を確実に保つために残された時間が、あと数分足らずだってこともな。それじゃあ行こうか」

「ええ、できるだけ急いで・・・・え?」

席を立ったソロは徐ろにベルティーニ博士の肩に手をかけると、もう片方の手で指を鳴らした。

すると二人の身体が足元から小さな粉状の何かに高速で変わり、消えた。一瞬にして。

「・・・!!?」

「・・・・・あいつ本当にちゃんと考えてんのか・・・・・?」



―エリアS 総軍部指令塔にて

「――貴方本当にこの宇宙のこと真剣に考えてるの?瞬間移動技術は何年も前に廃れて使用が禁じられてるわ。重罪よ。政府の連中に悟られでもしたら強制徴兵のいい獲物に―」

「それ位考えてる。大丈夫だ、今のは瞬間移動とは違うからな。・・理屈上では。第一わかりゃしないさ・・・おお、何だお前。コーヒー豆みたいだな。初めまして」

「ああ。初めまして・・・コーヒー豆で覚えてくれて構わんさ。総軍部のジェームス・ギルテック元帥だ。言わなくてもわかってるんだろうけどな、ミスター・クレイジー」

「・・・。サマンサ・グレー大尉です。えっと、貴方がワンのオリジナルですね?聞きたいことは山ほどありますがこの際目を瞑ります。説明は不要のようですね」

「そうだな、俺は説明することはあるがされることは決してない。さてそれじゃ取りあえず、2人とも俺より後ろに移動してくれ。11秒以内に」

「・・・・・?何故?」

「いいから急いで」

怪訝そうな表情で軍服の2人が背後に移動したのを確認すると、ソロは倒れている“それ”に背を向け3人の顔を眺めた。

「ご協力に感謝する。それからここまでの危機的状況にも関わらず、それを理解しようとしないで呑気にしていられるあんたらのおめでたさにより一層、感謝の意を込めて」

ソロが言葉を切った瞬間、それまでピクリとも動かなかった“それ”の身体がが突如床から跳ね上がり、一回転して床に着地する。
それを見ていた3人が3人とも息をのみ、硬直した。

尋常ではない動きだった。そしてそのまま頭をもたげ、掴みかかるようにして右手を突き出す。

大きな衝撃音とともに空気が振動し、青白い火花が散った。同時に電流にも見える何らかのエネルギーがソロの背後からまるで花弁のように広がり空気中を駆け抜け、消える。

・・一瞬だったがそれはまるで、見えないシールドのようなものに同じく目に見えない何か鋭利なものが、異常なスピードとパワーでぶつかったかのようだった。
・・・そして今も、凄まじい振動と金属音と火花がルーム内に充満している。

ソロは眉一つ動かさずゆっくりと後ろを向き、唇の左端を釣り上げて笑んだ。

「ナイストライ。だがある意味バーサク状態なのを差し引いても、もう少し考えれば今のお前じゃ俺のシールドを破れないことはわかったはずだ。プログラムの改善が必要だな」

事も無げにそう言うと、右手を顔の横まで上げ、ゆっくりと軽く前に押し出した。

薄く、現実離れした頑強さを持つ見えない壁が、その動きに従って押し出される。
“それ”は後ろに飛び退いて片手をつき身を低くすると、床を蹴って跳躍した。

そしてその勢いのまま右腕を振りかぶり襲い掛かろうとするが、腕を振り下ろす前に動きは止められた。
ソロが右手の位置を変えずに左手で指を鳴らしたのだった。

すると露出した顔の左半分、充血し見開かれた目の色が変わる。

白濁していた瞳が――澄んだ青紫色に変わっていった。
床に降りふらふらと後ずさると、頭を抱えて苦しみ始める。不規則な浅い呼吸に伴う、呻きとも叫びとも取れない声。

「・・・・・・!」

「・・・・・・・・・・・・」

ソロは左手を下ろすと、右手を悶え苦しむ“それ”の頭上に翳し、押さえ付けるように力を込めた。
すると絞り出すようだった苦悶の声が、明らかに激しい苦痛を訴える悲鳴に変わってゆく。

「や・・・やめて!何をするつもりなの!!」