機動戦士ガンダムRSD 第13話 新η艦隊出撃
新型機を配備されたにもかかわらず何もできなかった」
シグマン少佐の声は、今にも泣き出しそうなほど悲しかった。
「敵艦隊を全滅させただけでも充分です」
ミサキ中尉は、シグマン少佐を何とか励まそうとした。
「旧式機に苦戦した上官への皮肉か?」
シグマン少佐は、半分自暴自棄になっていた。
「違います」
ミサキ中尉は、首を横に振り必死に否定した。
「そうだ、ミサキ中尉の言うとおりだ」
声のする方を見るとブライアン艦長がいた。
「ご苦労だった。
おかげで捕虜から敵のモビルスーツの名前を知ることが出来た。
それにスダルシャナのデータを取るための戦闘としては、結構だったな」
ブライアン艦長もシグマン少佐の戦いぶりを称賛した。
「申し訳ありません。
早速新型機を傷つけてしまいました」
シグマン少佐は、ブライアン艦長に詫びた。
「なぜ俺がお前を囮に使ったのか聞かないのか?」
ブライアン艦長は、シグマン少佐が自分を囮にしたことに不満を持ってるのではないかと感じた。
「私は、元η艦隊部隊の副隊長です。
それなりの技量があります。
ですからその技量を見込んで囮役に抜擢したのでしょう」
シグマン少佐がそういうとブライアン艦長は、意外そうな顔をした。
「本当にそう思っているのか?」
ブライアン艦長は、シグマン少佐に確認した。
「はい」
シグマン少佐は、力強く答えた。
「よし、休め」
ブライアン艦長の言葉でシグマン少佐は、敬礼してマン・マシーンデッキを後にした。
作品名:機動戦士ガンダムRSD 第13話 新η艦隊出撃 作家名:久世秀一