【戦国BASARA二次創作】声の呼ぶ方へ
‐epilogue‐
「幸村―」
今度ははっきりと聞こえる
・・夢じゃないのか?
胸にすっと落ちてくる、優しい声だ――
眼を開けば目の前には政宗の顔があった
手が温かい・・・
何時から繋いでいたのだろうか、手汗まで掻いている
「政宗・・どの・・?」
身を起こした途端
引き寄せられ、ぎゅっと抱き締められた
「政宗殿、くるし・・っ痛・・!!」
疼く痛みに苦痛を訴えれば
身体を離して、怪訝な表情で覗き込んでくる
そして、痛みのした所をそっと手で撫でてきた
「・・・・傷、相当痛むのか?」
「大事無いでござる
存外浅くて・・運が良うございました」
心配掛けまいと、嘘でもいいから笑顔を作る
「莫迦、そういう問題じゃねぇよ・・」
眉間には、深く皺が刻まれていた
声も嗄れており・・疲弊した様子であった
"一時も傍を離れようとはしなかった"
・・と後に小十郎から聞く事となる
痛々しくて・・
見ていて、罪悪感に苛まれる
作品名:【戦国BASARA二次創作】声の呼ぶ方へ 作家名:勅使河原 知利