【戦国BASARA二次創作】声の呼ぶ方へ
暫しの沈黙を破り、気に掛けていた話を切り出す
「・・佐助は・・・如何でしたか?」
「―俺の元に着いた時には既に重傷で出血多量・・
それでも、此処まで辿り着いたんだぜ・・・優秀だな、お前の所の忍は」
「・・・某が、全て悪いのでございます」
「は・・何を言って・・」
「某があの状況で傷を負っていなければ佐助は・・・っ、俺の所為で・・・っ!!!」
理性の緒の切れる音がした
枕元に置いてある懐刀を鞘から抜いて、振り翳し
己の手首に一筋の傷を負わせた
「おい、止めろ・・っ!!」
もういっかい・・・
だが、振り下ろして出来る筈の傷が其処には無かった
――――― あ れ ?
刃は政宗の手によって覆われ
その手の平からは真っ赤な血が滴り落ちて、真っ白い敷布に滲んでいく
「・・・政宗ど、の・・・?」
力が抜けて、指の間から懐刀がすり抜けていき
空しく音を立てて落ちていった
作品名:【戦国BASARA二次創作】声の呼ぶ方へ 作家名:勅使河原 知利