【戦国BASARA二次創作】声の呼ぶ方へ
「いいや、其れじゃなくて・・・
アンタの"記憶"を
頂戴致しますよ」
「え、記憶…?」
「そう、あんたの大事な…大事な記憶を、です」
そう言われた瞬間、
胸がぐっと締め付けられる感覚を覚えた
お館様のことも、佐助のことも…
政宗殿のことも……
自分の手の内にあるもの、全て
厭だ、と抗いたいけれども
何処に向かうとも分からないのに
"ゆかねばならない"という、義務感が自分を駆り立てる
「…承知した」
「さぁ、乗りな」
―覚悟は・・出来た
決意を新たに、前を見据えれば
既に船を出す準備をしていた
そして、差し出された手を取り、船へと乗り込んだ
作品名:【戦国BASARA二次創作】声の呼ぶ方へ 作家名:勅使河原 知利