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機動戦士ガンダムRSD 第14話 明日への出航

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2人は、笑顔で迎えた。
「判ってるのに黙ってるのも駄目でしょう?
その結果が何を生んだか自分たちは、よく知ってる」
 ノイマン少尉は、サオトメが戦友たちを殺していった場面を回想していた。
「だから行かなくては。
またあんなことになる前に」
 ノイマン少尉は、確かな覚悟を言った。
「ええ」
 ラミアス艦長もノイマン少尉の覚悟に促され迷いが吹っ切れた。
 皆は、乗船を完了した。
「機関、定格起動中。
コンジット及びAPUオンライン。
パワーフロー正常」
 ノイマン少尉が機関の状態を報告した。
「遮蔽フィールド、形成ゲイン良好。
放射線量は、許容範囲内です」
 ダリダ曹長は、放射線量の高さを報告した。
「外装衝撃ダンパー出力30%でホールド。
気密隔壁及び水密隔壁、全閉鎖を確認。
生命維持装置正常に機能中」
 ミリアリア曹長がアークエンジェルの外装状況などを報告した。
「あの、みなさん」
 ラミアス艦長が皆に声をかけた。
皆は、ラミアス艦長に注目した。
「私は、ここに座ってよろしいのでしょうか?」
 ラミアス艦長は、自分が艦長席に座ることに少々ためらいがあった。
「良いんですよ。
元より人手不足のこの艦です。
この艦がヤキン・ドゥーエ戦役を生き残ったのは、あなたが艦長だったからです。
だからそこはあなたの席です、ラミアス艦長」
 ジャッキー曹長がラミアス艦長を励ました。
皆も同じ意見だった。
皆の後押しもありラミアス艦長は、艦長席に座った。
「主動力コンタクト。
システムオールグリーン。
アークエンジェル全ステーション、オンライン」
 ノイマン少尉がアークエンジェルの起動準備が完了したことを伝えた。

                      ※

 サンティエゴ基地では、キラが母親と最後になるかもしれない抱擁をかわしていた。
「ごめんね母さん。
また行ってくる」
 アークエンジェルの発進は、地球連合にも伝えられその艦載機としてフリーダムガンダム改とハーライユが運ばれキラ大佐とその部下たちも乗船することになった。
「いいのよ。
でも一つだけ忘れないで」
 母親は、キラに大切なことを言おうとしていた。
その言葉にキラは、そんなことを言われるとは思っていなかったので少々驚いた。
「貴方の家は、此処よ。
私は、いつでも此処にいてそして貴方を愛してるわ」
 母親は、これが最後になるかもしれないと思いキラにいつも思っていることを伝えた。
「母さん」
 キラは、なんだか照れくさかった。
「だから必ず帰ってきて」
 母親は、泣かないと心に決めていたがいざ1人息子が戦地に再び赴くとなると自然に涙が溢れそうになった。
「うん」
 キラは、そんな母親を悲しませないようにと力強く約束した。

                      ※

 アークエンジェルは、発進準備を終えた。
「注水始め」
 ラミアス艦長がドックの注水を命じた。
「注水始め」
 チャンドラ曹長が復唱し注水が始まった。
「ラミネート装甲、全プレート通電確認。
融除剤ジェルインジェクター圧力正常。
APUコンジット。
分離を確認」
 ノイマン少尉が装甲の状態を報告した。
「150・・・・180・・・・。
調圧弁30。
FCS及び全兵装バンク、レミテーターオンライン。
フルゲージ」
 チャンドラ曹長が火器状態を報告した。
「メインゲート開放」
 ラミアス艦長がゲートの開放を命じた。
「メインゲート開放」
 チャンドラ曹長が復唱するとゲートが開放した。
「拘束アーム、解除」
 ラミアス艦長の命令でアークエンジェルを固定していたアームが解除された。
「機関20%、前進微速」
 ラミアス艦長が発進命令を出した。
「機関20%、前進微速」
 ノイマン少尉が復唱しアークエンジェルが発進した。
アークエンジェルは、順調に秘密通路を通っていた。
「水路離脱後、上昇角30。
機関最大」
 ラミアス艦長が海面に出た後のことを命令した。
アークエンジェルは、海面に向け上昇していた。
「各部チェック完了。
全ステーション正常」
 チャンドラ曹長がここまで異常なしと報告した。
「海面まで10秒、現在推力最大」
 そしてアークエンジェルは、その白亜の船体を海中から姿を現した。
「離水。
アークエンジェル発進」
 ラミアス艦長の命令でアークエンジェルは、離水し飛行した。

                         ※

 母親は、民間人がギリギリは入れる基地エリアからキラが乗っている補給潜水艦を見送った。
 アークエンジェルと補給潜水艦は、合流地点に到着しモビルスーツをアークエンジェルに移した。
「モビルスーツ隊、収容完了」
 ミリアリア曹長がモビルスーツの収容状況を報告した。
「上出来だ。
では行きましょう、艦長」
 ノイマン少尉が発進を促した。
その言葉にラミアス艦長は、うなづいた。
「ベント開け。
アークエンジェル急速潜航」
 ラミアス艦長の命令でアークエンジェルは、潜航し始めた。

                         ※

 補給潜水艦の艦長たちは、艦外からその光景を見るとアークエンジェルに向け敬礼した。
他の乗員は、それが何を意味するかわかっていなかった。
(頼むぞアークエンジェル。
コーディネイターとこの世界の末を)
 艦長は、コーディネイターの未来をアークエンジェルに託した。