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子はかすがい

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「そりゃいつも一緒に食べてるんだから来るわよ。それよりアンタ、今ピーマン食べてなかった?」
「うん、私、ピーマン食べられるようになったよ」
 笑顔で答える清霜だったが、その目には微かに涙が浮かんでいた。無理をしているのは誰の目から見ても明らかだった。
 何故そこまでするのか霞も朝霜も不思議に思ったが、答えはすぐにわかった。
「だから二人ともケンカしないで」
 大和型戦艦の主砲で撃たれるよりも衝撃的な一言だった。そのために無理をしてピーマンを食べられるようになったフリをしていたのだ。
 ここまでされて仲直りしなきゃ艦娘が廃る。
「なあ」「ねえ」
 またしても二人のタイミングが被った。だがそんなことはもうどうでもいい。
「霞、さっきは言い過ぎた。ごめんな」
「私も強引すぎたわ。ごめんなさい」
 ようやく謝ることが出来た。密かに胸をなで下ろした二人だったが、それを一番喜んだのは清霜だった。
「良かった……仲直りしてくれて。本当に良かった!」
 清霜の表情がパッと明るくなった。その笑顔は先ほどとは違い、心の底からの笑顔であった。
「清霜もごめんな。でもやっぱり無理してピーマンは食べなくてもいいと思うぜ?」
「アンタはまた甘やかして……まあいいわ。でもいつか普通に食べられるようになりなさいよ」
「ええー……やっぱり食べなきゃダメ?」
「ちゃんと食べられるようになるまで少しずつ慣らしていくわよ。ね、朝霜?」
「そうだな。やっぱり食べられないよりは食べられた方がいいからな」
「うう……が、頑張るよ……」
「ああ、頑張れよ。さあ、それじゃあたいたちも食べるとすっか」
「そうね。そうしましょ」
 霞も朝霜も席に着いた。
 朝霜は清霜の正面、霞は清霜から見て左側。それが定位置。
「「いただきまーす」」
 いつもどおりだが、なんだかいつもよりしっくり来る感じがした。

作品名:子はかすがい 作家名:ヘコヘコ