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機動戦士ガンダムRSD 第15話 戦場への帰還

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アスラン中将は、セイバーガンダムをモビルアーマー形態で巡航飛行させながらオーブ連合首長国の領空に近づいていた。
「オーブコントロール。
こちら貴国へ接近中の地球軍モビルスーツ。
入港中の地球軍艦ミネルバとの合流のため入国を希望する。
許可されたし」
 アスラン中将は、オーブの管制官に通信を開き入国許可を求めた。
「こちらオーブコントロール。
入国は、許可するもののミネルバもガーティー・ルーも既に昨日出航しわが国には、いません」
 オーブコントロールから返答があったがそれは、アスラン中将を驚かせるには充分だった。
「いない?
どこに向かったかわかるか?」
 アスラン中将は、ミネルバとガーティー・ルーの行方を聞いた。
「スエズ基地に向かいました。
補給を受けたければ入国の許可を出しますがいかがなさいますか?」
 オーブコントロールの問いにアスラン中将は、世界地図を開いた。
アスラン中将は、ミネルバとガーティー・ルーの巡航速度からおおよその場所を計算した。
その場所までセイバーガンダムを巡航速度で飛行した場合現在の推進剤で持つかどうか計算した。
するとミネルバとガーティー・ルーは、2隻ともスエズ基地に到着してる計算になった。
そしてそこまでセイバーガンダムを巡航速度で飛行した場合現在の推進剤で持つかどうか計算した。
すると見事持つことがわかった。
「いや、大丈夫だ。
このままミネルバとガーティー・ルーを追う。
情報提供を感謝する」
 アスラン中将は、礼を言うと通信を切りスエズ基地へ向かった。

                ※

 η艦隊は、アクシズに帰還した。
ドゴス・ギアの船内では、サウス中尉が自室で考え事をしていた。
(いつかクリスマスを好きな女子と一緒に過ごす。
そのためには、自分の魅力を高める必要がある。
先週は、だらだらと過ごしてしまったけど今日からは、違うぞ。
とりあえず体を鍛えて女性にアピールできるようになろう。
こうした地道な努力が大切だよな)
 サウス中尉は、そう考えるとジャージに着替えた。
(よし、艦内をマラソンで走ろう)
 ドゴス・ギアには、トレーニングルームもあるがあえて艦内のマラソンを選んだ。
(あてもなく艦内を走り回るのもいいな)
 サウス中尉は、準備運動をしながらそう考えていた。
そしてサウス中尉は、走り始めた。
途中給水を取りながら一定のペースで走り続けた。
(苦しいな)
 サウス中尉は、ドゴス・ギアを何周かしたことからそう感じてきた。
その光景は、ミサキ中尉も見ていた。
ミサキ中尉は、サウス中尉の行動を感心していた。
(負けるものか)
 サウス中尉は、これまでの自分に打ち勝つため必死に走り続けた。
 サウス中尉は、マラソンを終わらせた。
これからも時間を作り続けることを決めた。

                 ※

 リーン・ホースJr.の艦内では、テリー大尉とジーン中尉が話をしていた。
(そうだ、ジーンの爪を切ってあげよう。
この前買った新型爪切りの試し切りをしたいと思っていたんだよな)
 テリー大尉は、不意にそう思いついた。
「なあ、ジーン」
 テリー大尉がジーン中尉に声をかけた。
「何ですか?」
 ジーン中尉が答えた。
「爪を切ってやろうか?」
 テリー大尉がジーン中尉に提案した。
その提案にジーン中尉は、驚いた。
「だから爪を切ってあげようか」
 テリー大尉は、もう一度言った。
「意味わかんないですよ」
 ジーン中尉が困りながら言った。
「とりあえずこれを見てくれ」
 テリー大尉がジーン中尉に爪切りを見せた。
「これが爪きりですか?
ニッパーの間違いでは?」
 テリー大尉がジーン中尉に見せた爪切りは、ニッパーのような道具だった。
「これは、正真正銘の爪切りだ。
しかもただの爪切りじゃない。
西暦時代に旧日本国で刀工が多く住む地域で開発された究極の爪切りだ」
 テリー大尉がジーン中尉に爪切りについて説明した。
「本当ですか?
それは、すごいかも」
 西暦時代何度か世界中でジャポニズムがブームとなったがこのジャポニズムは、コズミック・イラ時代でも衰えることはなく脈々と生きていた。
ジーン中尉は、ジャポニズムの1人である。
「だろ?
だからジーンに一番に見せたくて」
 テリー大尉は、獲物が餌に食いついてくれたので心から喜んでいた。
「その気持ちは、すごくありがたいです」
 ジーン中尉は、そんなことなどつい知らず純粋に喜んでいた。
「だよね?
だから爪を切らせてほしいんだ」
 テリー大尉は、再度ジーン中尉にお願いした。
「それは、ちょっと興味はありますけど自分の爪はどうなんですか?」
 ジーン中尉は、自分の爪で試すように提案した。
「この通りだよ」
 テリー大尉は、そういうと爪をジーン中尉に見せた。
爪は、伸びておらずこれ以上切れば深爪になる短さだった。
「だよね。
まあいっか。
それじゃ爪を切ってもらおうかな」
 ジーン中尉が許可を出した。
「よしよし」
 テリー大尉は、ガッツポーズをした。
「じゃあ、私の部屋に行きますか?」
 ジーン中尉がテリー大尉を部屋に誘った。
 部屋に着くとジーン中尉は、何かをしていた。
「何をしてるんだ?」
 テリー大尉がジーン中尉に質問した。
「靴下を脱いでるです」
 ジーン中尉が答えた。
テリー大尉は、ジーン中尉の行動が理解できなかった。
「だって爪を切ってくれるんでしょ?」
 ジーン中尉がテリー大尉に確認した。
「普通は、手だろ」
 テリー大尉は、思わず突っ込んだ。
「だって手の爪は、切っちゃったんです」
 そういうとジーン中尉は、テリー大尉に手の爪を見せた。
すると確かに爪は、短く切られ丁寧に整形されていた。
「やっぱり足だと嫌?」
 ジーン中尉は、不安そうにテリー大尉に質問した。
「お前が嫌じゃなければ良いけど」
 テリー大尉は、少し恥ずかしそうに答えた。
「良かった。
それじゃあお願いします。
痛くしないでね」
 ジーン中尉は、テリー大尉に注文した。
 ジーン中尉は、椅子に座りテリー大尉が正面から屈んだ。
(ジーンの足は、きれいだな。
すべすべしてやわらかくて)
 テリー大尉は、間近でジーン中尉の足を見ることがなかったためそのきれいさに目を奪われていた。
そのため自然とジーン中尉の足を触っていた。
「そこは、くすぐったいよ」
 ジーン中尉は、迷惑そうに言った。
「ご、ごめん」
 テリー大尉は、あわてて手をひっこめた。
そして精神を落ち着かせると爪を切り始めた。
「それにしても爪を切られるのも結構気持ちいいですね」
 ジーン中尉は、爪を切られる感想を言った。
「そうなのか?」
 テリー大尉は、爪を切られる体験を最近経験してないので何とも言えなかった。
「はい、気持ちいいです。
女王様気分のようで」
 ジーン中尉は、理由を言った。
「『お姫様気分じゃないのか?』」
 思わずテリー大尉が突っ込んだ。
「上手ですね、テリー大尉。
退役したらプロの爪切り師になれるんじゃないですか?」
 ジーン中尉は、テリー大尉の腕前を見てそういった。
「そんな職業があるのか?
初耳だぞ」
 テリー大尉は、驚きながら言った。