機動戦士ガンダムRSD 第15話 戦場への帰還
アーサー副艦長は、明らかに戦力不足だと感じていた。
「はぁ、じゃないでしょアーサー。
全管に通達。
ほら、準備始めて」
タリア艦長がアーサー副艦長に全管に通達するよう促した。
「あ・・・・はは・・・・はい」
アーサー副艦長は、そういうと全管に通達した。
※
ガーティー・ルーのデッキでは、ステラ少尉がぼおっと海を見ていた。
「いやけどさ、あの店はやっぱ」
ステラ少尉が声の方を向いた。
「そんなことは、ないよ」
するとガーティー・ルーに新しく配属された2人のクルーが来た。
クルーもステラ少尉に気付いた。
「なんだ?
このお嬢ちゃんは」
クルーの1人は、ステラ少尉に興味を持った。
「おい、よせって」
もう1人のクルーは、ステラ少尉の正体を知ってるのかクルーを必死に止めていた。
「こんなとこで何してるの?」
クルーの1人は、ステラ少尉に何してるか聞いた。
「海」
ステラ少尉は、それだけをおぼろげに言った。
ステラ少尉に質問したクルーは、何を言ってるかわからなかった。
「見てるの。
好きだから」
ステラ少尉が答えたのでクルーも一緒に見たが何が面白いのか全く分からなかった。
「おいよせって、そいつ」
ステラ少尉の正体を知ってるクルーは、必死に止めようとしていた。
そこにアウル少尉が来た。
「変な奴だな。
まあいいや、ちょっと一緒に来いよ」
クルーの1人は、ステラ少尉をナンパし始めた。
そしてステラ少尉の腰に手をかけ無理やり立たせようとした。
そこにアウル少尉が走って近づいてきた。
すると必死に止めようとしていたクルーを手刀で倒すとステラ少尉をナンパしたクルーの首を腕で絞めながら頭に拳銃を突き付けた。
ステラ少尉をナンパしたクルーは、苦しそうな声を上げた。
「やめときなよ。
俺ら第81独立機動軍のエースでさ」
それにステラ少尉をナンパしたクルーは、驚いた。
「ぼおっしてるけどそいつも切れるとマジ怖いよ」
アウル少尉がステラ少尉をナンパしたクルーに忠告した。
「エ、エクステンデッド」
そういうとアウル少尉は、拘束を解いた。
すると2人は、走って逃げた。
「まだここ居るの?」
するとステラ少尉が振り返った。
「お呼びかかたったぜ。
ネオから」
アウル少尉は、そういうとその場を去った。
ステラ少尉は、一瞬言葉を理解できなかったが理解すると表情を明るくし立ち上がりアウル少尉について行った。
「そうなるとまた戦争だね。
俺らは、それが仕事だし」
アウル少尉は、そんなことを無邪気に言った。
「うん」
ステラ少尉も無邪気に答えた。
「今度は、何機落とせるかな」
アウル少尉は、自分が死ぬ可能性など微塵も考えてなかった。
「うん」
それは、ステラ少尉も同じだった。
スエズ基地からニーラゴンゴが発進した。
基地では、基地所属の兵がニーラゴンゴに敬礼しニーラゴンゴの乗り組も船上から敬礼していた。
「ニーラゴンゴ発進しました」
アーサー副艦長がニーラゴンゴが発進したことを報告した。
「こちらも出ましょう。
ミネルバ発進する。
微速前進」
タリア艦長が発進命令を出した。
「ミネルバ発進。
微速前進」
アーサー副艦長が復唱した。
※
シグマン少佐は、ドゴス・ギアの食堂で何かを食べてる後ろ姿を見かけた。
「やっぱりミサキ中尉か」
正面まで行くとやはりミサキ中尉であった。
「シグマン隊長」
ミサキ中尉は、シグマン少佐を確認すると立ち上がり敬礼した。
シグマン少佐も軽く敬礼で返した。
「今度は、何を食べてるんだ?」
シグマン少佐は、ミサキ中尉が先ほどまで食べていたものに目を移して質問した。
「チョコレートです。
イチゴの果肉が入ってておいしいんです」
ミサキ中尉は、幸せそうに答えた。
しかしシグマン少佐は、ため息をついた。
「ど、どうしたんですか?」
ミサキ中尉は、ため息をついたシグマン少佐を怪訝そうに見た。
※
ミネルバのブリーフィングルームでは、シン中尉がソファーに寝転がりながら雑誌を読んでいた。
レイ少尉は、ミネルバのデッキで潮風を受けていた。
※
ファントムペインは、コロニー艦隊を索敵しついに見つけた。
「ようやく会えたな。
見つけたぜ、子猫ちゃん」
ネオ大佐は、ガーティー・ルーのブリッジで嬉しそうに言った。
作品名:機動戦士ガンダムRSD 第15話 戦場への帰還 作家名:久世秀一