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機動戦士ガンダムRSD 第15話 戦場への帰還

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 テリー大尉は、そのお願いを快く受け入れた。
「では、手を出してください」
 ジーン中尉がテリー大尉に手を出すように言った。
「深爪にしないでくれよ」
 テリー大尉がジーン中尉に忠告した。
「分かってます。
でも爪は、切ったばっかりですか?」
 ジーン中尉がテリー大尉の爪を見てがっかりししたように言った。
「そういえばこの前切ったな」
 テリー大尉が思い出したように言った。
「それじゃあ足の爪は?」
 ジーン中尉は、諦めず足の爪の状況を聞いた。
「切ってないな」
 テリー大尉は、自信を持って答えた。
「そうですか。
それなら私の部屋に行きましょう」
 ジーン中尉は、テンションを高くして言った。
「ずいぶんテンションが高いな。
そんなに楽しみか?」
 テリー大尉は、少し引きながら聞いた。
「すごくわくわくしてます」
 ジーン中尉は、満面の笑顔で答えた。
 2人は、ジーン中尉の部屋に着いた。
「じゃあ靴と靴下を脱いでください」
 ジーンは中尉、テリー大尉をせかした。
「これでいいか?」
 テリー大尉は、両足とも裸足になった。
「はい、大丈夫です」
 ジーン中尉は、そういった直後驚いた。
「どうした?」
 テリー大尉は、自分の足に何か異常が起きてるのではないかと急に心配になった。
「毛が生えていたもので」
 ジーン中尉は、驚いた理由を言った。
「生えてるよ。
女性だって生えるだろ」
 テリー大尉は、本気で突っ込んだ。
「そうですよね。
ですから永久脱毛サービスもありますからね」
 ジーン中尉は、笑いながら言った。
「いいから爪だろ?」
 このままでは、らちが明かなくなると感じたのでテリー大尉はジーン中尉に目的を言った。
「はいはい」
 そういうとジーン中尉は、爪切りを始めた。

             ※

 ミネルバの食堂ではヴィーノ兵長、ヨウラン兵長とメイリン軍曹がタリア艦長がフェイスに任命されたことで話が持ちきりだった。
「マジで?」
 ヴィーノ兵長は、タリア艦長がフェイスに任命されたことをメイリン軍曹に確認した。
「うん」
 メイリン軍曹は、うなづき肯定した。
「ほんとのほんとに艦長もフェイスになったの?」
 ヴィーノ兵長が今一度確認した。
「うん。
いずれ正式に通達するけどそうだって副長が。
なんか凄い嬉しそうだったよ」
 メイリン軍曹が詳しく説明した。
それにヴィーノ兵長が驚いた。
「副長関係ないじゃん」
 それにヨウラン兵長が冷静に突っ込んだ。
「え?
そうなの?
副長は、違うの?
え?
じゃあ俺達は?」
 その言葉にヴィーノ兵長は、事態を掌握できていなかった。
「関係ないよ。
あのな、フェイスというのは個人が任命されるもんなの」
 フェイスをよく分かっていないヴィーノ兵長にヨウラン兵長が説明を始めた。
それにヴィーノ兵長は、驚いた。
「何で知らないんだよお前はもう」
 ヨウラン兵長は、同じファントムペインの仲間として恥ずかしくなってしまった。
それは、メイリン軍曹も同じくため息をついた。
「個人的に戦績著しくかつ人格的に資格有りって大統領に認められた奴だけが成れるの。
その権限は、その辺の指揮官クラスはもとよりファントムペインの指揮官より上で現場レベルでなら作戦の立案、実行まで命令できるんだぜ?」
 ヨウラン兵長が説明を再開した。
フェイスの凄さにヴィーノ兵長は、感嘆の声を上げた。
「大統領直属の地球軍のトップエリートだぜ?
何でお前が関係あるの?」
 ヨウラン兵長がもう一度ヴィーノ兵長に関係がないことを言った。
「ヨウランだってそうじゃん」
 ヴィーノ兵長は、言われっぱなしにむっとして反撃に出た。
「そうだよ」
 ヨウラン兵長は、想定内と言わんばかりにすまし顔で言った。
「トップエリート」
 メイリン軍曹がぼそりと言った。

             ※

 ミネルバのモビルスーツデッキでは、アスラン中将がセイバーガンダムの近くにいたルナマリア少尉を無視して昇降リフトに乗った。
「無視しないで下さいよ」
 ルナマリア少尉は、そういうと昇降リフトに乗り込んできた。
昇降リフトは、あがり始めてしまったので降りろと言えずアスラン中将は困ってしまった。
「いや、そんなつもりはなかったけど。
なんかいろいろあったんでちょっとボーっとしてただけだ」
 アスラン中将は、素直に心境を語った。
昇降リフトが上がり終わるとアスラン中将は、セイバーガンダムのコックピットに入った。
そしてセンサーの電源を入れた。
「そんなにショックだったんですか?
アスハ代表の結婚」
 ルナマリア少尉は、自分が確信をついたことを言ったと思った。
「いや、そんなに」
 アスラン中将は、思ってもみなかったことを言われて驚いた。
カガリとは、そんな仲にはなっておらずそれにアスハ前代表が決めた相手である。
そんな相手なら大丈夫だろうと安心していた。
「でも思いっきり政略結婚ですものね。
しょうがないと言うか。
あたしだったらそんなの絶対嫌だけど」
 ルナマリア少尉は、素直に言ったがそれが禁句だと思ったころには遅かった。
しかしアスラン中将は、ルナマリア少尉をにらみつけただけだった。
「それで君は、何?
何か用?」
 アスラン中将は、センサー類の点検をしながら迷惑そうに聞いた。
「あたしルナマリアです。
ルナマリア・ホーク。
ザクウォーリアのパイロットです」
 ルナマリア少尉は、敬礼しながら自己紹介した。
「うん」
 アスラン中将は、一番用事があるか聞きたかったがそれが聞けずうなずくのがやっとだった。
「この機体は?
最新鋭ですよね?
変形機構を持ってるって聞きましたけど」
 昇降リフトに座っていたルナマリア少尉が突然コンソール類を覗き込んできた。
「ああ」
 その気迫にアスラン中将もたじたじだった。
「やっぱりザクとは、全然違う。
インパルスというかセカンドシリーズ共通ですか?」
 ルナマリア少尉は、コンソール類を目を輝かせながら見ていた。
「座ってみたいか?」
 アスラン中将は、早く1人になりたかったため座席に座らせたら満足して去るだろうと考えた。
「いいんですか?」
 ルナマリア少尉は、一層身を乗り出して確認した。
「ああ、どうぞ。
でも動かすなよ」
 そういいながらアスラン中将は、コックピットを出た。
そこにシン中尉がセイバーガンダムの近くに来た。
「解ってますよ」
 それと入れ替わるようにルナマリア少尉がコックピットに入った。
「モードセレクタのパネルが違うんだ」
 アスラン中将もシン中尉に気付いた。
しかしシン中尉は、すぐに行ってしまった。
「新しいプラグインですね?」
 そんなことなどつい知らずルナマリア少尉は、のんきにそんなことを言った。
「ああ、うん」
 アスラン中将は、曖昧に答えた。

           ※

 ミネルバのブリッジでは、タリア艦長とアーサー副艦長が出航時期を話していた。
「明朝ですか?」
 アーサー副艦長がタリア艦長に確認した。
「ええ。
スエズ基地にも司令部から命令が来ててね。
ボズゴロフ級を1隻付けてくれるそうよ」
 タリア艦長が出航時期と新戦力を言った。
「はあ」